目を覚ますと俺は転生していた
俺は前世治安が悪い国、アスルで盗みをしようとしたが盗む相手がギャングだったことによりボコボコにされ瀕死状態になっていた。俺は生まれ変わったらあのあこがれの隣国であるサノロイドの住民になりたいという想いを持った直後、遂に俺は殺された……
1938年、どこか
(う……んんん?)
何かぎこちなさを感じ、思わず目を開けた。
何故か俺は病院のベッドにいた。
「わあ! 見てお父さん! アベルが目を覚ましたわ!」
「ははは、それは良かったな!」
誰かの声が聞こえた。恐らく両親だと思う。
俺は周りを見渡したその時、
(ん? 待って。なんか俺の手、小さくないか…? まさか、俺……生まれ変わった!?)
ふと自分の手を見た時、自分は赤ちゃんであることが分かった。
どうやら俺は転生したみたいだ。
ここがどこなのか分からない。
あと俺はアベルという名前になったらしい。
「おめでとうございます。アベル君はすごく良好な状態ですよ。すごく好奇心旺盛な子なので、アベル君の為にも何かあげてみましょう」
「お父さん、アベルに何かあげます?」
「んーそうだなぁ……そうだ! ちょっと待ってくれ!家に取りに行ってくるから」
「何をよ?」
そうして俺の父さんは家に何かを取りに戻った。しばらくして、父さんは戻ってきた。
「ほいこれどうぞ。お前なら絶対気に入って、やめられなくなるだろうなぁ?」
魔導書だ。
(魔導書? もしかしてサノロイドか!? いや、まだ分からないな。それに、魔導書を持ってるってことは、父さんはもしかして魔法が使えたりして!?)
俺が父さんの方をじっと見つめているのに気が付いたのか、父さんが反応した。
「ああ、いや。俺持ってるからって魔法は全く使えないからな? というか最初から俺が誰かに貰ったってわけでもないし。憶測だけどご先祖様が魔法学校に通っていて、教科書として使っていた……なんだとか? 今も近くにスカルド魔法学校があるしな」
(そんな学校があるのかっ!? これで俺が強い魔法使いになれるチャンスか!? やったぜ! ……いやでも、流石に赤ちゃんの状態では無理だし、入学できる年齢までは魔導書で学んで極めていくかぁ)
「ちょっと、お父さん!? アベルにはまだ文字読めないんだから、こんな物あげても意味ないじゃない!?」
「ああ、安心しろ。俺と魔法使いやってる友人のミジェーが付き添いで、教えてやるから。まぁ…俺、魔法の事あんまよく分からないから、ミジェーにやらせっきりになってしまうと思うが……」
(えっとまぁ…とりあえず父さんとミジェーおじさんの力を借りながら、魔法を学んでいくとしようか!)
俺はワクワクした。
「ははは、嬉しそうだな、アベル。今から魔導書で魔法学んでいけば、スカルド魔法学校で辛い思いなんてしないでやっていけるだろう。貯金みたいなもんだ」
♢
その日の夜
今いる寝室のドアの隙間を見るとまだ明かりがついていた。両親が何かについて話しているのも聞こえた。俺は両親の話を盗み聞きした。
「なあテレス」
「ん?」
「今日の新聞の記事のことなんだが」
「何が書いてるの?」
父さんはデカデカと表示されている記事に指を指した。
「隣国が紛争していて未だに終戦してないんだってさ」
「ケーリアの事よねぇ? あそこいつまで紛争しているのかしら?」
「1913年から始まって…で今は1938年だろ?もう25年だぞ」
「そんなに前から!? 私どころか父さんが生まれる4年前から争ってる訳でしょ? ケーリアの人のこと、本当に心配になるわぁ」
「ああ、そうだな。まぁでもここ、スカルドはサノロイドの地域の中でもずっと西。あの未だに紛争してるケーリアより遠くに位置しているし、巻き込まれる心配は基本ない。ケーリアの人の事を心配になってしまうのはもちろん分かるけど、何より自分の命だ大事だ。悲劇に巻き込まれることなく幸せに暮らしてる自分がなんて奇跡なんだと思える力が大切なんだと思うんだ。ケーリアのことはアベルが大人になった時に何か変えてくれるはずだ」
「そうよねぇ……」
(父さん……)
俺は父さんの言葉に感心した。
(ん? 父さんが話したことに、ここがサノロイドっての言ってなかった!?)
俺は父さんが話した内容を頭の中でもう一度理解した。
「―まぁでもここ、スカルドはサノロイドの地域の中でもずっと西」
確かに言っていた。
(……ここがあのサノロイド!? ここがスカルド地方であってどこの国かは分からなかったけど、まさかサノロイドだったなんて…俺の願いが叶ったぞ!ここが俺のあこがれのサノロイドだっ!)
分かった瞬間、思わず有頂天になってしまった。
(俺は今日からサノロイドの住民かあ~サノロイドのことはよく知ってるけど、人生初めてのサノロイド暮らし。なんだか不安だ。まあなんとかなるだろ!)
こうして俺は、サノロイドの住民として新たな人生を歩み始めた。




