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第29章 — 遊具迷宮(そして絶対的パニックのツリーハウス)

カイはあまりに速く走ったせいで、まるで脚だけが「もう無理」と言って彼の身体を見捨てて別の人生を歩もうとしているようだった。

リュウナはその後ろを、星空の下のロマンチックなお散歩かのような落ち着きでついてくる。


「かぁ〜〜い、怖がって走るほど、どんどん可愛くなってるよ〜♡」

「可愛くなってるんじゃなくて生き延びてるんだよおおお!!」


カイは公園の遊具エリアに飛び込んだ。そこには:


・カラフルなトンネル

・巨大すべり台

・プラスチックの塔

・ロープ橋

・そして真ん中には巨大ツリーハウス


まるで戦場を分析する将軍のようにカイはそれらを見つめた。


「ここなら……隠れられる……まけるかも……助かるかも……」


そしてリュウナの方を見た。


「……死なずに済む“かも”しれない!!!」


カイは黄色いプラスチックトンネルに飛び込んだ。


リュウナも入ろうとした。


だがトンネルは狭すぎた。


入ろうとした瞬間――

完全に……詰まった。


トンネルが悲鳴を上げた。


グゴォォォォ……ンッ。


カイは振り返り、トンネル越しに見た。


リュウナの顔が、箱に無理やり入ろうとする巨大猫みたいに詰まっていた。


「かい……」

つぶれた顔で呼びかけてくる。

「はさまっちゃった……」


カイの顔に、久しぶりの“勝利”の笑みが浮かんだ。


「へっ……最高……完璧……そこに永遠にいろ!!」


リュウナは目をパチパチさせ、

キラキラした大きな瞳で言った。


「カイ……置いてっちゃうの?」

「置いてくわ!!!」

「かい……」

「その顔やめろ!!」

「かぁい……」

「やめろってば!!」


カイはトンネルの奥へ進みながら、

三日間寝てない狂人みたいな笑い声を出した。


だがその時――


ガコン。


バキィ。


パァンッ。


リュウナが……

トンネルごと抜いた。


巨大な卵の殻でも剥くみたいに。


カイは固まった。


リュウナは立ち上がり、片手でその巨大な遊具を持ちながら微笑んだ。


「見つけた♡」

「なんで全部壊すのぉぉぉ?!」

「だって大好きだもん。」

「それ愛じゃなくて破壊衝動だから!!」


カイはツリーハウスへ全速力で走った。

階段を上り、扉を閉め、おもちゃの鍵をガチャッと閉めた。


「ここなら登れない……木だし……弱いし……」


トントン。


カイの背筋が凍った。


リュウナが扉を叩いた。


「か〜〜い……あけて♡」

「やだ!!」

「お願い。」

「絶対いや!!」


静寂。


カイは息を整えた。


「……よし……ついにあきらめた……本当に……」


「カイ。」


カイの心臓が爆発した。


声が……上から聞こえた。


天井を見上げると――


リュウナが屋根に座って、足をぷらぷらさせていた。


恋する小鳥みたいに。


「私、飛べるって忘れてないでね?」

「なんで今思い出したのぉぉぉ?!?」

「だって……あなたが高いところに隠れてるの……ロマンチックでしょ?迎えに行きたくなるの♡」


カイは壁に寄りかかった。


「……もう無理……」

「じゃあ、やっと私がマー――」

「やっぱり無理じゃない!! やめてぇ!!」


カイは扉を蹴り飛ばした。

おもちゃの扉はあっさり吹っ飛んだ。


彼はツリーハウスから飛び降りた。


砂に落ち、何度も転がり、ふらふら立ち上がりながら公園の出口へ全速力で走り出した。


「うわあああああもうやだあああああ!!!」

「かぁ〜〜い、まってぇぇ〜〜♡」


リュウナは屋根から飛び降り、月明かりに照らされながら、まるで愛に狂った神様のように滑らかに空を飛んで追ってきた。


そしてなぜか天ぷら魚は、ツリーハウスの中の隅っこに落ちて、まるで破壊の精霊のように静かに存在していた。

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