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第五幕: 〜青い鳥の船出、海の幻視〜

やあ、君。来たんだね、来ると思っていた。ボクらは今、最高の船出の瞬間を目にしている。

君、海に落ちるなよ。

第四幕では、ロミオのすべてを奪うことを決めたジュリエットことジュリイの様子が語られた。悪魔の契約を利用して、ロミオの魂を売ったのだ。

ロミオに秘密の結婚式の話を持ち出して、誰からも邪魔されない教会の祭壇前で、二人並んでた。

そして、彼女はロミオと結婚した。

だけど彼女からはロミオは奪えない。

やあ、君。来たんだね、来ると思っていた。ボクらは今、最高の船出の瞬間を目にしている。

君、海に落ちるなよ。


第四幕では、ロミオのすべてを奪うことを決めたジュリエットことジュリイの様子が語られた。悪魔の契約を利用して、ロミオの魂を売ったのだ。


ロミオに秘密の結婚式の話を持ち出して、誰からも邪魔されない教会の祭壇前で、二人並んでた。


そして、彼女はロミオと結婚した。

だけど彼女からはロミオは奪えない。


ジュリイはロミオに誓わせる。

『汝が捧げられるものを命以外の全て、ジュリエットに捧げること』

彼女って、強欲だろ?


彼女は神の前で、

華麗にロミオから魂を掠めとり、

ロミオ自身の契約を使って、

ロミオから奪えるものは、全て奪った。命以外。


彼は自分が誰かも分からずに、イタリアのヴェローナを彷徨ってる。

悪魔は、そんなロミオを見守るために、彼女から離れた。


「なんてヤツだ。こいつからも、オレからも逃れるんだ。青い鳥。」と悪魔は、嬉しそうに微笑む。

まるで天使のようだった。


そうそう。ロミオとジュリエットを失った両家は和解したよ。

ジュリイが、

最低限のものしか残してくれなかったから。争いなんてしてられない。


乳母はジュリエットを逃したことの責任を取らされるのを恐れて、人目をさけて四つん這いになって、

街を離れた。

それはまるでーーわかるだろ?


どこまでも続く水平線の向こうには、

オレンジ色した太陽が、

まるで翼を広げた天使のように待ち構えてた。

ボクらの乗っている船は、大きくて、とある大富豪の冒険家が乗っている。

わかるかい?シンドバッドだ!

もしくは、彼の名を受け継いだ人かもしれない。


まあいいさ、

彼女の旅は始まったばかりだ。

海の向こうに何があるか?

それは、次の物語で語ろう。


でも、君には教えておこう。

彼女は、いつか戻ってくる。

ヴェローナに。

なぜなら—

彼女はまだ、

やり残したことがあるからだ。


(こうして、第五幕は大海原を旅をする船を悪魔は見送った)

(こうして、第五幕は大海原を旅をする船を悪魔は見送った)

ジュリエットの船出が、ヴェローナの幻視を海の彼方へ運ぶ。ファウストの壊れた魂は、やり残した業火を携えて帰還を誓う。この完結編で、恋愛悲劇は永遠の冒険譚に変わった。君も、この水平線を越えてみたいか? 次はスピンオフか、新たな魂の継承者か……お楽しみに。

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