表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/5

第三幕:〜不敵の笑み、予言の囁き〜

やあ、君。また来たんだ。うれしいな。今回はジュリイの部屋にいるよ。

彼女の部屋は中世の宮殿風、赤い絨毯が床を覆いっている。でも、ここに悪魔が現れた。

第二幕までの話。家族には貴族の嫁入りを命じられ、ブタと見下してた乳母には客をとらされそうになったジュリイは、ついに神を呪うに至る。

おや、彼女が口を開くぞ。聞き耳を立てようぜ。

やあ、君。また来たんだ。うれしいな。今回はジュリイの部屋にいるよ。

彼女の部屋は中世の宮殿風、赤い絨毯が床を覆いっている。でも、ここに悪魔が現れた。


第二幕までの話。家族には貴族の嫁入りを命じられ、ブタと見下してた乳母には客をとらされそうになったジュリイは、ついに神を呪うに至る。


おや、彼女が口を開くぞ。聞き耳を立てようぜ。


ジュリイは「ーー悪魔?ルシフェルの影?メフィスト?」と言葉を繰り返す。

「悪魔なんて...、呼んだ覚えはないわ」と掠れたように繰り返す。


「君が呼ぼうとも、呼ぶまいとも、オレがここにいるってことは。」

彼は彼女の頬に優しく触れて、耳元で囁く。

「君はオレを呼んだんだ。」

それはまるで、恋人にでも語りかけるような魂の堕落への誘惑。


ジュリイは目を見開く。

反射的に悪魔を突き飛ばした。


「ははは!いいね。根性がある」

タキシードの胸の辺りをはたきながら、悪魔は笑う。

彼女の行動一つ一つが楽しいように。

「消えて。ただでさえ、頭が痛いの。これ以上、問題を増やさないで」

悪魔は細めで彼女を見つめた。

冷酷の中に温かさを込めた眼差し。

「そのハサミで、モンタギュー家のロミオを刺すのか?賭けてもいいが、君は殺される。両親は破産し、路頭に迷う。父は麻縄で首を吊り、母は客をとるだろう」

まるで予言だ。

「君の家に仕えてた者は、君の墓を荒らす。なぜかって?ーーわかるだろ。」

悪魔の言葉はジュリイの心を締め上げた。


彼女はハサミを落とす。

「ーーロミオなんて知らない。」

苦しく吐き出す。

「バカをかんちがいさせた。

ーー君が悪いのさ。」と悪魔は肩をすくめた。

「次から頭から頭巾をかぶるんだ。ジュリエット。もう手遅れだけどな」


彼女は、しばらく震えていた。

両親からは商品扱い。

ブタからは娼婦扱い。

バカからは恋人扱い。

まさに絶望的だ。


「まあ、理解できてるようだから、話が早い。君は助かりたい。オレにはほしいモノがー」

悪魔は気づいた。彼女は絶望していない。笑っていたのだ。不敵な笑みで、悪魔を見ている。


悪魔は、その笑顔を見て彼も笑った。

口を耳まで裂けさせて。


(こうして、第三幕はゆっくりと閉じられていく。不敵な笑みで。)

(こうして、第三幕はゆっくりと閉じられていく。不敵な笑みで。)

ジュリエットの不敵な笑みが、メフィストの予言を跳ね返す瞬間。魂の契約が、恋愛の幻想を切り裂く予感。第四幕では、バルコニーの有名シーンが毒牙に変わるよ。君もこの笑みを、忘れられないはずさ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ