第三幕:〜不敵の笑み、予言の囁き〜
やあ、君。また来たんだ。うれしいな。今回はジュリイの部屋にいるよ。
彼女の部屋は中世の宮殿風、赤い絨毯が床を覆いっている。でも、ここに悪魔が現れた。
第二幕までの話。家族には貴族の嫁入りを命じられ、ブタと見下してた乳母には客をとらされそうになったジュリイは、ついに神を呪うに至る。
おや、彼女が口を開くぞ。聞き耳を立てようぜ。
やあ、君。また来たんだ。うれしいな。今回はジュリイの部屋にいるよ。
彼女の部屋は中世の宮殿風、赤い絨毯が床を覆いっている。でも、ここに悪魔が現れた。
第二幕までの話。家族には貴族の嫁入りを命じられ、ブタと見下してた乳母には客をとらされそうになったジュリイは、ついに神を呪うに至る。
おや、彼女が口を開くぞ。聞き耳を立てようぜ。
ジュリイは「ーー悪魔?ルシフェルの影?メフィスト?」と言葉を繰り返す。
「悪魔なんて...、呼んだ覚えはないわ」と掠れたように繰り返す。
「君が呼ぼうとも、呼ぶまいとも、オレがここにいるってことは。」
彼は彼女の頬に優しく触れて、耳元で囁く。
「君はオレを呼んだんだ。」
それはまるで、恋人にでも語りかけるような魂の堕落への誘惑。
ジュリイは目を見開く。
反射的に悪魔を突き飛ばした。
「ははは!いいね。根性がある」
タキシードの胸の辺りをはたきながら、悪魔は笑う。
彼女の行動一つ一つが楽しいように。
「消えて。ただでさえ、頭が痛いの。これ以上、問題を増やさないで」
悪魔は細めで彼女を見つめた。
冷酷の中に温かさを込めた眼差し。
「そのハサミで、モンタギュー家のロミオを刺すのか?賭けてもいいが、君は殺される。両親は破産し、路頭に迷う。父は麻縄で首を吊り、母は客をとるだろう」
まるで予言だ。
「君の家に仕えてた者は、君の墓を荒らす。なぜかって?ーーわかるだろ。」
悪魔の言葉はジュリイの心を締め上げた。
彼女はハサミを落とす。
「ーーロミオなんて知らない。」
苦しく吐き出す。
「バカをかんちがいさせた。
ーー君が悪いのさ。」と悪魔は肩をすくめた。
「次から頭から頭巾をかぶるんだ。ジュリエット。もう手遅れだけどな」
彼女は、しばらく震えていた。
両親からは商品扱い。
ブタからは娼婦扱い。
バカからは恋人扱い。
まさに絶望的だ。
「まあ、理解できてるようだから、話が早い。君は助かりたい。オレにはほしいモノがー」
悪魔は気づいた。彼女は絶望していない。笑っていたのだ。不敵な笑みで、悪魔を見ている。
悪魔は、その笑顔を見て彼も笑った。
口を耳まで裂けさせて。
(こうして、第三幕はゆっくりと閉じられていく。不敵な笑みで。)
(こうして、第三幕はゆっくりと閉じられていく。不敵な笑みで。)
ジュリエットの不敵な笑みが、メフィストの予言を跳ね返す瞬間。魂の契約が、恋愛の幻想を切り裂く予感。第四幕では、バルコニーの有名シーンが毒牙に変わるよ。君もこの笑みを、忘れられないはずさ。