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8/12

***美味しいご飯の後は・・・***

冒険者試験の後、初めての収入をもらってやっと冒険者になったという実感と大騒ぎのパーティーメンバーに疲れて眠りについたコウ

新しい朝が始まる


外に出たら流石に一般人の前で揉めてるのは恥ずかしいのか騒ぐのをやめて大人しく宿屋へ向かった


彼女達の泊まっている宿屋は1階が食堂兼飲食店と調理場と宿の受付、その奥が宿屋の家族の住まいになっていて2階は2人部屋が10部屋用意されている


街を歩いていて気がついたのだが、街灯には魔道具で暗さによって点灯する処理がされてたり、各所にある井戸にはスイッチで自動組み上げできる魔道具が取り付けられたり、下水道の処理もされていていろんなところで魔石が使われているようだ


宿屋には残念ながらスペースの問題でお風呂の設備は付いてないようだがトイレには水を流すスイッチがついてるし、街に何軒か衛生的な公衆浴場もあるようだ


ロゼ達としてはお風呂のあるもう少し高級な宿も考えたようだがこの宿屋の治安と家族のアットホームさが気に入ってパーティーのホームを手に入れるまでは公衆浴場か桶のお湯で身体を拭くので我慢する事にしているそうだ


「おばちゃん、帰ったにゃ~♪」


「あらミャー、お帰り~

食事はすぐ用意できるけどどうするね?」


「女将殿、その前にこの2人の宿の登録をお願いできるか?」


「あいよ、ロゼちゃん

って、男の子じゃないか…」


「ミャーは言っていなかったのか…

すまない、今日から我らのパーティーに入ったコウとリムだが…大丈夫であろうか…」


「イケメンで大人しそうだし、何よりあんた達が認めた男だからね

いいよ?」


「コウちゃんは紳士的で素敵な殿方ですので大丈夫ですわ?♡」


「おにいちゃまわね~、すっごくかっこいいの~♪」


「コウは世界一の色男にゃ!」


また始まったか…


「はいはい…

まああんまり部屋で騒がないでおくれよ?

特に夜中わね?

うちの旦那に『夕べはお楽しみでしたね』なんて言わせないでおくれよ?後であたしが大変になるんだからさ(笑)」


「忍び込むだけにしてきおつけるにゃ~♪」


おいおい、忍び込む気かよ?

薄っぺらな壁一枚で騒いだら店中に響くどころかこの辺一帯に住めなくなるくらい恥ずかしい事になるだろ?


とりあえず荷物を置きにいってから再び食堂にあつまる

酒場でわないのでそこまで賑やかでわないが、冒険者パーティーや近所の常連らしき人達が笑顔で談笑している


「あはは

とりあえず2人で1泊2食付きで大銀貨1枚だ

今日の夕食は猪肉の煮込みスープと牛肉ステーキだ

あんた達の狩ったボアとブラッディウルフの肉はさっき解体班から買っておいたから今夜仕込んでおくんで明日の夕食を楽しみにしといてな♪」


「じゃあ2泊分で…

さっき捌いてたのがもう買えたんですか?」


僕は疑問に思って聞いてみた

普通市場にでるのは明日と思ってたからだ


「ああ

そりゃああたしも旦那も元Aランク冒険者で解体班の連中とは付き合いが長いからいい素材はその日のうちに届けてくれるんだよ(笑)」


なるほど…女将さんの豪快さはそのせいか…

身体もでかいから前衛職かな?


「おいおい

あんた女の扱い慣れてないね?

色男にそんなに眺められたら照れるじゃないか(笑)」


しまった…ついガン見しちゃってたか?


「すいません…元Aランク冒険者って聞いて気になってしまって…」


「いいって、いいって

冒険者なら当然ランク言われりゃ気になるさ

お察しの通りあたしは前衛の剣士、シャイなもんで厨房からなかなか出てこないけど旦那は同じパーティーでタンクやってたんだ」


「同じ前衛同士でご結婚されたんですね~」


「ああ

ずっと助け助けられだったからね…

後衛の魔導師が結婚引退する時に解散してあたしらも結婚したのさ

そん時にギルマスから女性パーティーが安心して宿泊できる宿屋をつくってくれって結婚祝いにこの宿屋をもらったんだ」


「結婚祝いに宿屋一軒まるごとって…

ギルマス…さすが元勇者パーティーのメンバーですね…」


街の目抜き通りの宿屋一軒って…いくらだったんだろう…


「話はそのくらいで

あったかいうち味わってほしいな♪」


「あ…はい、いただきます」


僕らは料理を堪能した

ん?これは、醤油味?

この世界にもあるんだ…

これはもしや…


「コウくんとリムちゃんはパンにする?ライスにする?」


ご米キターーーッ!


「ここっ、ライスがあるんですか⁉」


「ああ、国王様が王になる前に探してきてそれが流行してね

お米の生産で村興ししたとこもあるくらいだよ」


「国王様って、元勇者様ですよね?」


「ああ、なんでも国王様の故郷の味だって言っててね

家畜の餌にしかなんなかった固い雑穀を調理方法で今やパンと二分する主食にしちまったのさ」


“故郷って…まさか日本⁉”


「コウ殿、国王様は街灯や井戸、トイレに公衆浴場まで開発した開発者でもあるのだよ」


「すごいな…元勇者で開発者でもある国王って…」


“いやいや…

リムは知らないみたいで何にもいわないけど米、醤油、街灯、自動の井戸、水洗トイレ、公衆浴場って…どう考えても国王様って僕と同じ転生者だろ…”


「あ、あの女将さん!

ちなみに味噌ってあるんですか?」


「味噌?

ああ、あるよ?

明日の朝に味噌汁でもつくっとこうか?」


「はいっ!

お願いします!」


「もしかして、あんたも同郷かい?

確か…ニホンとか言ったかなあ」


“やっぱりだ!

こりゃなんとしても国王様に会わなきゃ!”


「コウ殿、私は朝は少食でここでは食べた事がないのだがそれは旨いのか?」


「ああ、食欲のない朝でもしっかり栄養が摂れるスープだよ?

明日は一緒に飲んでからギルドに行こうか」


「ならあたいも飲んでみるにゃ~」


「わたくしは朝もしっかり食べないと力が出ないですわ?」


「ティアは食べすぎなのです~

でも胸にばかり栄養いってずるいです~」


「おいしいならなんでもいいにゃ~」


「コウ様の故郷の料理は美味しいと母から聞かされておりますので楽しみです」


セレナさんは地球の料理も食べてたんだ…


ロゼ達は食後にお酒を飲んでいるが僕は疲れたし錬金術も試してみたかったので先に部屋に上がる事にした


女将さんにお湯をもらい身体を拭いた後で森で採ってきた薬草を使いポーションを作る

普通のポーションを3本作ったところで錬金術レベルが上がりハイポーションができるようになったので何本か作った後魔力を加えて魔力回復のマナポーションも作っておいたが途中で眠気がきたためそのままベッドで寝てしまった…


真夜中…


何か重くて息苦しい…

ってか、柔らかいものがいっぱい…


ハッ!


目の前にハンドボールサイズの大きな膨らみが

背中にはソフトボールサイズの膨らみ?

太ももは両側から引っ張られてるしお腹の上も重い…


って!


何でこの狭いベッドに全員寝てるんだーーーっ!

しかも隣のベッド空いてるし…

やけに静かだと思ったら…


それにしても…デカい…

ティアの胸はわかってたけどロゼはかなりプレートアーマーで押さえてたんだな…市販のプレートアーマーじゃさぞ動きが窮屈だろう…


しかしミャーとネリーが脚に引っ付いてるのはいいとして、リムが僕の上に乗っかってるのは…


ともかく僕は全員を剥がしてベッドから抜け出した


喉が乾いたが備え付けの水は全部飲まれていたので受付でもらおうと部屋を出る


ギシギシギシ


階段を降りるとトットットッと軽い足音がした


「は~い♪

あれっ?カッコいい男の人?」


受付には12、3歳くらいの女の子がいた


「あ…お水が欲しくて…」


「は~い♪

お兄ちゃんよく泊めてもらえたね?

うち男の人は泊めないんだよ?」


「ああ、ここの宿泊客のパーティーメンバーになったしギルドの紹介もあったからね…」


「そっかぁ

あたしはここの次女でメイだよ~♪

お父さんとお母さんが仮眠の時間と昼間お手伝いしてるの~


朝と夕方はお姉ちゃんが手伝ってるけどお姉ちゃん冒険者もやってるから忙しい時はあたしが手伝ってるんだよ~♪」


「そうなんだ

2人とも働き者なんだね」


「そんなことないよ?

子供が家のお手伝いするのは当たり前だもん♪

で、なにか?」


この世界での常識なのかな…

なんか…ほのぼのしてて…いいな、この世界…


「ああ、お水が飲みたくなってね

部屋のが空になっちゃってたから...」


「あれ?用意してなかった?」


「いや…目が覚めたらみんな僕の部屋で寝てて全部飲まれたみたいなんだ(笑)」


「へ~?

さすがイケメンお兄ちゃん♪

やるね~(笑)」


「こらこら

子供がそんな事言うんじゃないよ?」


そんな話をしながらウオーターサーバーを受けとり部屋に戻るとベッドの上にはミャーが大の字になっていて他のメンバーは床に寝っ転がっていた


床じゃあ疲れも取れないだろうけど下着姿で転がってる女の子を別の部屋に抱いて連れて行く訳にもいかないのでリムはとりあえずもう1つのベッドに寝かせロゼ、ティア、ネリーには別の部屋から毛布を持ってきてかけてあげた


そして僕はのんびりと空いてる部屋で朝まで熟睡したのだった


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