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4/12

***なんだか、モテ期?***

異世界転生をして新たな生活を始める田畑 耕

初めての冒険の中出会ったのは…はたして…

「警戒させてすまない!

こちらも冒険者だ!」


ん?

言葉使いは男っぽいが声は…女性?

リーダーは女性なのか…


「あたいの隠密接近がわかったなんてスゴいにゃ♪」


にゃ?木の上にいたのは獣人の女の子?


「攻撃魔法うたなくてよかったです~」


魔術師?子供っぽいけど、また女の子…

まさか全員?


「あら?こんなにイケメンさんだったのね~

私も弓射たないでよかったですわ~♪」


アーチャーも女性?しかも…エルフ!


…女性4人の冒険者?…ドキドキ


“異世界最初の出会いが女性4人のパーティーとは…

ちょっと妬けてしまいますね…”


“リム~…コミュ障の中身おっさんの僕には荷が重いよ~…”


“コウ様、これも試練です”


“そりゃリムと会話してたおかげで多少は話せると思うけど…”


「私は冒険者パーティー【白き薔薇】リーダーのローゼリア=フォルスタイン

元騎士見習いだ

仲間からはロゼと呼ばれてる

若く見えるが、君はソロでこの森に来たのかい?」


男っぽい口調、赤みがかった茶色の瞳に漆黒のショートカットヘアー、蒼いプレートメイルに軽装用のラウンドシールドを構え腰にはショートソード、ロングソードを背中にさしているキリッとした美人お姉様だ


「僕はコウ=タバタ、18歳…コウって呼んでくれ

さっきは冒険者と言ったが昨日気付いたらこの先の畔にいて名前と年齢くらいしか覚えていないんだ…」


「気付いたらって…記憶喪失にゃ⁉

あたいは猫人族のミャーネラ

斥候で短剣と弓を使うにゃ

ミャーって呼んでいいにゃ♪」


大きな猫目の可愛い猫の女の子だな

軽そうな皮のブレストアーマーに腰巻きをベルトで止めて左右に短剣、腿には飛刀を数本ベルトで巻いている


「わたしわ~魔術師のぉ~ネリーなのお~♪

話すのわ~遅いけどお

魔法は早いからだいじょおぶなの~」


おっとりした僕より年下に見えるロリッ娘

ヒト族のようだが熊耳フード付きのローブを着て熊のぬいぐるみ風の背負い袋をしょって魔硝石で装飾された短めのスタッフを持っている


「わたくしはエルフのティアリース=シャクリナーゼン…

ティアとお呼びくださいね?


わたくし何故か知らない男に言い寄られやすいのですけど全部ローゼが追い払ってしまうのよ?

たま~にだけど良さげな人もいるのに…

おかげでず~っと独り身…恋人募集中ですわよ♡

あっ!そうそう、わたくし弓と精霊魔法と支援魔法が得意なんですの♪

記憶が無いって大変ですわね…」


セレブでハイソで有閑マダム的なゆったりと上品な言葉使いなのに井戸端会議の奥様みたいなお喋り好き

エルフの常識的見解を覆すダイナマイトだが絞まったボンキュッボンなボデイを“これでもか!”と強調するように布面積が低くそれでいて高位の防御魔法を仕込んだ抜群の破壊力と防御力を兼ね備えた装備

女性に対する免疫力ゼロ、コミュ力ゼロ、経験値ゼロの僕をまるで料理評論家のようなまでに流暢に語らせる…

まさに、“エロフ!”


あ…鼻血が…


「あら?流血?

うちヒーラーがいないのよね~…」


キコン♪


“回復魔法を覚えました…

って、かけるまでの事ないですね…”


なんかリムの機嫌が悪そうな話し方だ…


「だ…大丈夫です…」


ピュキーン

「コウは女の子に免疫がないのにゃ?

ふふふなのにゃ♡」

スリスリ…


ミャーネラがからかうように擦り寄ってきた


ドキドキ♡


「ミャーネラ、からかうものではない

とわ言うものの、コウが悪い男ではないのがわかったがな?(笑)」


「ロゼおねえちゃまもミャーちゃんも初対面なのにヒドいですの~

コウおにいちゃまこまってるです~♪」

グイッ、スリスリ


ネリーまでが反対の腕を引っ張りスリスリしてきた


「こっ!こらこらよさんか!

コウ殿が本当に困っておるではないか!」


ロゼは必死に2人を引き剥がそうとした


「あらあら、ロゼちゃんまで?

コウちゃん大人気ね♪ウフフ♡」


「ち…違う!

私は2人を引き剥がそうとしてだな…」


「そんなにムキになっちゃって~

もしかしてロゼちゃん…

初対面でコウちゃんにトゥンクしちゃった?」


ティアは離れて観察しながらロゼにちょっかいをかけてくる


「違うと言ってるだろう!

私はこいつらを…」


真っ赤になって必死2人を剥がそうとしてくれてるロゼ


「みんないいわね~

じゃあわたくしも♡」

ポヨン♪ムニュッ♡


ティアまで後ろから抱きついてきた

なんか柔らかいのが背中にムニュムニュ当たって…

あ…また鼻血が…


「こっ!こらっ!

ティアまでなんだ!

コウが出血多量で倒れてしまうではないか!」


「そしたらあたいがペロペロ介抱してあげるにゃ♡」


「ずるいですぅ

おにいちゃまはわたしが介抱するのですぅ~」


「ウフフ♡ムニュムニュ♡」


「な!何をしてるんだーっ!

けしからんっ!」


「あらあら…ロゼちゃんも素直になっちゃいなさい?ウフフ♪」


“コウ様…お楽しみのところ失礼ですが騒ぎに牽かれて獣達が集まってきたようですが…”


しまった...油断した…


「ピュキーン!

にゃっ⁉」


ミャーネラも気配に気付いたらしく僕から離れて真っ先に臨戦態勢に入った

ティアも続いて気がつく


冷静さを失ってたロゼは気付くのが遅れたが全員が臨戦態勢にはいった


「やっと今日のクエストのお目当てがやってきたか!」


周囲には狼が群れを成して集まってきている

ざっと見て10~12頭…まだ辺りにも潜んでいるだろう


僕は弓を引き先手を取るとミャーネラの飛刀、ティアの眠りの精霊魔法、ネリーの風魔法が飛んだ


ティアの眠りの魔法で5頭程が眠り、ネリーのウインドカッターで3頭が切り倒された

ミャーネラの飛刀は致命傷にはならなかったもののウインドカッターでついでに倒れた倒木が狼の動きを塞いだ


ティアは弓をつがえネリーは次の魔法を構えながら一気に倒せるまとまった敵を探しロゼは森の中で大剣は不利と腰のショートソードを抜き小ぶりなラウンドシールドで2人を守る構えをしている

僕はミャーネラと2人で飛び出した

森歩きスキルと剣術スキルの上げどころだ


ザザザザッ

ズバッ!

シュッ!

ザンッ!

ピシュッ!


威力は無いが素早く的確にミャーネラの短剣とティアの弓が狼の動きを止めていく

僕はそいつらを一撃で仕留める


まとまった敵はネリーのウインドカッターで一網打尽

後衛に近寄る狼はロゼの一撃で首を刈られていく


辺り一面に狼の死体とネリーが切り倒した倒木が転がり気がつけば戦闘は終了していた…


「さ~て、狼の牙取りにゃ♪」


「えっ?牙取り?」


僕が疑問を感じているとロゼが説明を始めた


「私達はギルドのクエストで狼退治を受けてきたんだが証拠品として牙を集めていくんだよ

まあ依頼は5頭だが超過分は報酬になるし今回はコウがいてくれたおかげで30頭以上倒せたが何頭かきれいな死体を持っていけば肉や皮も引き取ってくれるしな?」


「全部持っていけばいいんじゃないのか?」


僕がロゼの言葉に投げ掛けた素朴な疑問にみんなは固まってしまった...


「あはは…

まさか…いくら男のコウ殿がついていても私達の力じゃせいぜい必要部分を解体で切り刻んで5頭分持っていけるかどうかだろう?私達をそんなに怪力とでも思っているのかい?(笑)」


「…僕が一緒に行けば全部持っていけるよ?」


「えっ?…」


僕の発言に再びみんなが固まってしまったがしばらくして大笑いされてしまった


“コウ様、この世界ではアイテムボックスは貴重な魔道具でその収納力も一般的な物で狼2頭入ればいい方で金持ちの大商人クラスが購入するか高レベル冒険者の上級魔導師が錬金術師の協力を得て作成するしか大容量のアイテムボックスを持てない程価値のある高価な道具なのです

それとコウ様の亜空間収納は失われた高位の魔法…時空魔法を使用している為それを使える者もこの世界にいるかどうかわからないくらいなのですよ…”


“マジか⁉

リム…それって…見せていいモノなの?…”


“・・・・・・”


“リム?…”


突然周囲が光りだした

僕を含めみんな驚き目をつぶったり手でおおったりしている


やがて光がまとまり始めヒトの形になってきた…


ヒト型の光の塊はやがて収束し始め少女の形が見え始めてきた

身体…顔…まるで女神セレナ様を若くしたような姿…

光が収まり少女はゆっくりと眼をあけた…


僕はハッと気付いた


「もしかして…リム?…

リムなのか?」


みんなは呆然とした顔で少女を見つめている


「…コウ様…

説明の前に…先ずはコウ様の能力を皆様にお見せしてあげて下さい…」


「いいのか?

見せても…」


「はい

後の事はご心配なくおもいっきりやっちゃって下さい」


「…わかったよ…」


【亜空間収納】


シュルルル


僕は退治した狼とウインドカッターで倒れた木を全て亜空間収納にしまいこんだ


ロゼ達はずっと呆けて見ている


「これが僕の力なんだ…」


「コウ殿…貴殿はいったい…」


「それは私が説明します」


そう言うとリムは語り始めた


「私はリム、こことは違う世界で亡くなられたコウ様をこの世界に転生させた女神セレナ様の命によりコウ様をサポートする為に送られたR.I.M(Remote Imagination Manager = 遠隔問題解決能力管理者)と言うコウ様のお側にいる私の肩書きでした」


“でした?”


「ちょっと待て…違う世界って…」


「はい

コウ様は女神セレナ様に認められた転生者…

言わば神の御子であらせられるのです」


「「「「ええー~ーっ⁉⁉⁉⁉」」」」


“僕も驚いた…神の御子⁉えーっ⁉”


「神の御子と言っても何かをさせる為に送られた訳ではありません

ただやりたい事を自由に楽しませたい…

前世での辛かった生活をやり直させてあげたい…

その為に祈り続けた彼の祖父母の願いを聞き入れてあげるに足る優しさとひたむきさを備えているにも関わらず不幸な最後を遂げたコウ様に満ち足りた人生を送らせる為にこの世界に転生させたのです…」


「そうだったのですか…」

「コウにゃんは大変だったんだにゃ~…」


「と言うのは建前で…

実は女神の娘である私の婿の候補としてこちらに送られ優しさと慈愛でこの世界を満ち足りた星にしてもらうというのが女神セレナ様の本音でございます」


「な、なにーーーっ!???」


「「「「ええーーーっ!?」」」」


聞いてないよーーっ


「その為にこちらで生きていける知識や特殊能力やアイテムをお渡ししている為皆様にとってはかなりのチートに感じられている事と存じます」


いや…チートすぎるだろ…


「本来はコウ様が成長するのを見てから私の話をする予定でしたが…」


「でしたが?」



「だって、ゆっくりしてたらコウ様を誰かに取られちゃいそうだったんだもーーん(泣)」


女神の娘が…

デレた?いや…ヤンデレ?…


「と言う訳で…」


あ、もどった…


「私もコウ様の正妻争いに正式参加いたします!!!

これは女神セレナ様公認の聖戦なのです!」


いや…誰もそんなの望んでないだろ…


「あら?まあまあ♪

面白い事になりそうですわね?」


「にゃーーん♪

もちろん参加するにゃん♪」


「おにいちゃまはわたさないのです~♡」


「くっ!女神セレナ様公認だと?…

ま…負ける訳には…

はっ!いや…わたしは…別に…」


おいおい…

僕はどうなるんだろう…


「それでですね?

こんな大事な話を聞いてしまった皆さんは口封じをさせて頂きます…」


「な、なんだと!」

「にゃにおー?」

「おーぼーだー

しょっけんらんよー」

「あらあら大変

どうしましょう…」


うそだろー?

勝手に説明して口封じとかないわ~


「失礼…

ちょっと言い方を間違えました

箝口令?…いえ…え~と…


そうそう

秘密保持の呪い

又は隸属契約を結ぶ?」


なんか…それもそれで問題だろう…


「リム、要するに僕がパーティーに入って他言無用でお願いすればいいんじゃないのか?

彼女達なら僕は信用できると思うから…」


「コウ殿…」

「やっぱり信用するのは大事だにゃ?」

「おにいちゃま好き~♡」

「コウちゃん…わたくしずっとついていきますわ♡」


「たぶんギルドに登録したり人との繋がりが出来ていけばチートに関してはいずれバレると思うんだよ

だから転生者って事と神様との関係だけバレないようにしてくれればいいんじゃないかな…


リムの心配はわかるけど、僕はこの世界で最初の出会いを大事にしたいな…」


言ってる自分が照れるようなセリフだな…


「コウ様…やっちゃいましたね…みんな眼が♡♡になって呆けておりますよ?…」


メロメロ状態で呆けている4人が回復するのを待っている間に、僕は木の皮と狼の毛皮を利用して獣が5匹分くらい入る収納魔法を付与した戦闘中でも邪魔にならないポシェットと街中で使えるようなショルダーバッグを作った

作ってる間に付与魔法や錬金術、革細工などの工芸スキルなどが上がったので防犯用の持ち主識別と盗難防止機能も付与しておいた

アイテムバックも1人で持っているのではなくみんなで持っていたら悪目立ちも抑えられるような…気がするのは僕だけだろうか…


「さて、みんな~

そろそろ森を出ないかい?」


僕が声をかけるとみんなハッとして立ち上がった


「すっ…すまない!

迷惑をかけてしまった…」


「大丈夫、大丈夫、気にしなくていいよ(笑)


ところでさっきの話で僕だけ悪目立ちしないようにみんなにも亜空間収納付きのバックを作ったんだけど、今ある材料で作ったからデザインとか飾りはないけどリクエストがあれば後で加工するからね?」


「おおっ!

これは助かる

でもいいのか?こんな高価な物を貰って…」


「これは便利だにゃ~

ポーチに予備の投擲武器でもいれておけるにゃ~」


「くまさんポシェット希望なの~♪」


「自然な素材が生かされてるのでエルフにとってはこのままでも十分ですわ♪

I LOVE KOUって刺繍があると更にいいですわね♡」


「…それはちょっと…

まあ気に入ってもらえたならよかったよ(笑)」


「でわ街に戻りクエストの報告とコウ殿の冒険者登録にパーティー申請をしようか」


「ロゼ?

登録と申請が先よ?

そうしないと今回のクエスト達成がコウちゃんの冒険者レベルに反映されないですわ?」


「そうだにゃ♪

半分はコウにゃんが倒したのにゃからにゃ~」


「うんうん

コウちゃんすごかったわ~♡」


「おにいちゃまはわたしの王子さまなの~♪」


「それは置いといて

確かに報酬だけでなくこれだけの狼を退治したのならティアの言うとおり初級レベルのFからEランクに上がれるのは確実ですね」


「じゃあとにかく冒険者ギルドに向けてレッツゴーにゃ~ん♪」


そんなこんなで僕と4人の冒険者、そしてリム

6人は森を抜けて一路冒険者の街『アドバンスガルド』へと歩を進めるのだった

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