***ある日、森の中、冒険者に、出会った♪***
女神様のおかげで異世界転生出来たコウ
リムの存在は脱ぼっち?
思い浮かべるだけでスキルが身に付くトンデモチートにびっくりしながらも異世界一日目は無事に過ぎた…
“コウ様…コウ様…”
僕はリムの声で目を覚ました
テントの中での睡眠なのにスッキリと起きれるたのは疲れと安心感でぐっすり眠れたからだろうか?
“コウ様、森の生き物達も目を覚ましていますよ?
とりあえず早朝のうちに狩りでもしてはいかがですか?”
そうか…干し肉が無くなったら食料が野草だけになっちゃうもんな…
肉もだけど果実なんかも探しておきたいし、余裕ができたら魚なんかも捕まえたいしな…
とりあえず顔を洗って朝食をとったら狩りの準備をして周辺を散策してみよう
今日は湖を一周して周辺状況を確認してみようかな?
野草や果樹の生息もだけど川の近くなら生き物も集まりやすいし下流に行けば人間が住んでいる可能性も高くなるしね?
そんな事を考えながら食事をしているとリムが声をかけてきた
“コウ様
少しこの世界に住む生き物についてお話ししてもよろしいですか?”
「うん、お願いするよ」
こういう時にリムは頼りになるな~
僕はここの知識がまったく無いからね
“コウ様
この世界の生き物は大別してヒト型の種族と野生動物、それとこの世界にある魔素を吸収しすぎて狂暴になった魔獣と魔物が存在しております”
やっぱり魔物とかもいるのか…
「続けて詳しく教えてくれるかな?」
“はい、共存しやすいのはヒト型種族と野生動物、逆に共存しにくいのは魔獣と魔物です
あくまでもしやすさというところは魔獣や魔物でも考え方や知性の高さによっては共存できない訳ではありませんし、ヒト型種族や野生動物でも考え方や生活習慣や身分、知性や草食か肉食かなどによっては敵となりうる場合もあります
この辺は地球とも同じようなものです”
なるほど…当たり前の事だが弱肉強食だし同じ人間であっても性格や考え方によっては敵対も已む無しだが逆を言えば魔物であっても戦いを好まない優しい者もいるかもしれないって事だな…
“あとは…妖精や精霊…聖獣などもおりますが…神聖な存在なのでめったに普通のヒトの目に触れる事はありません
コウ様の行動によって認めてもらえればいずれ手を差しのべていただけるかもしれませんが、今は認識する事もできないかと思われます”
妖精・精霊に聖獣かあ…
僕の行動次第って事じゃ簡単には会う事できないかもな…ってか出会えるかどうかも難しいかも
“幸い現時点で魔王というはおりませんが元魔王の配下の者が各地に魔物や悪魔と呼ばれ存在しております”
「えっ⁉
魔王いないけど残ってるのはいるの?
それってヤバくない?…」
“この付近には強い魔物の気配はありませんのでご安心下さい”
「でも強くないのはいるって事だよね?…
猪程度は狩りで相手にしてたけど…」
“…大丈夫です…きっと
慣れれば…”
「なんか怪しい間があったんだけど…」
“(笑)コウ様があまりに不安そうにしていらっしゃるのでちょっとからかってしまいましたが、スキルも能力もセレナ様からの加護がございますので多少のトラブルがあったとしても安心していただいて大丈夫ですよ?”
「確かにスキルはチートな気もするけど…」
“とりあえずこの辺りを探索しつつスキルアップしてご自身で確認されるのが良いかと思われます”
「そっか…そうだな、ここで生きてくしかないんだもんな…」
僕は覚悟を決めて動き出した
レザー装備を着込みベルトにポーチとショートソードを差して背負い袋の脇に弓と矢筒をくくりつけ草刈り鎌を手に歩きだした
ザクッ!
ザクッ!
キコン♪
“鎌術スキル、草刈りスキル、剪定スキルが発生しました
開拓スキルレベル1、採集スキルレベル1にレベルアップしました
職業 庭師が選択可能に、きこりが上級職またぎ転職可能になりました”
「ん?庭師?
森の雑草切っただけで?
それに鎌術スキルって…これもしかして剣で刈ったら剣術スキル上がるのか?
…やってみたいが1本しかない剣を草刈りに使って刃が潰れたら困るよな…刃こぼれしても砥石はあるけど…剣は大事に使いたいし、とりあえず鎌でいいか」
ザクッ
ザクッ
ザクッ…
キコン♪キコン♪
なんかどんどん上がるけどこれが俗に言うチートってモノなのかな?
スキルは上がる、採集も進む、歩く速度も森歩きスキルが取れて更にアップ
森のマップもサクサク出来て…
ガサッ
ガサガサッ!
ん?
ガサーッ!
「猪?かなりデカイな…」
“2メートル越えのワイルドボア、もう少し魔素が溜まったら魔獣化しているところです”
近いからショートソードで一気に!
ズバッ!
「へっ?…
一撃??
」
キコン♪
剣術スキルレベル2…って今上がったとこだよな?…
僕の能力値っていったい…
“コウ様の身体能力値は初期値でベテラン冒険者クラスに設定されております”
18歳で既にベテランクラスの身体能力って…これから慣れたら勇者クラスになるんじゃね?
とりあえず…【亜空間収納】!
シュオーーン
キコン♪
今度は亜空間収納がまたレベルアップした…
こうなったらサクサク歩いて夕方までに色々上げとこう♪
途中にまさかの2頭のワイルドボアと遭遇したがなんとか倒す事ができた
やれやれ…どこが安全なんだ…
そう考えながら進んでいくとわずかに川のせせらぎが聞こえてきた
川の近くには獣がいるかもしれないからゆっくり音をたてないように近寄る…
案の定、鹿と猪…だが、あまり狩り過ぎるのは自然淘汰に繋がる…
ここは探索の邪魔になりそうな猪だけ退治しておこう
僕は弓を構え矢をつがえるとワイルドボアの眉間に狙いを定め一閃放った
ピシューッ
グサッ!
狙い違わず眉間を貫く
キコン♪
どうやら弓術スキルかな?
もう驚かなくなってきたな(笑)
とりあえず河原で一休みついでに猪の解体もしておくか…
僕は背負い袋から解体ナイフを取り出し血抜きをしつつ内臓を取り出し始めた
キコン♪キコン♪
“解体スキルレベル1、調理スキルレベル2に上がりました、亜空間収納内での自動解体が可能になりました”
「自動解体?リム、もしかして亜空間収納にいれといた獣を血抜きもせずに自動で解体できるって事?」
“はい、例えばワイルドボア2頭のうち1頭だけというのも可能ですし解体した物は牙や皮、骨、肉と分けて収納される事になります”
「それって凄い便利だなぁ」
“はい、肉も必要な分を切り分けて残りはしまっておく事も可能です”
「一人分だから無駄にしなくてすむな~
リムも食べられれば食事も侘しくなくなるんだけど…」
“…”
「あ、ごめん…
リムの気持ちも考えずに...」
“いえ…そういった訳では…”
実態のないリムの気持ちを考えてない失言だったな…
僕は休息を終えて再び鎌を手に進みだした
ザクッ
ザクッ
ガサッ
ガサササ…
ん?獣?
いや…違う…人影?
“探知スキルを使用
3…いえ4人の人影を確認、1人は隠密スキルで真上の木に迫っています”
“隠密スキル?
盗賊か何かか?”
“いえ、警戒しているだけで殺意は感じられません”
“じゃあ上に迫ってる奴に小石でも投げるか?”
ピュッ!
木の枝を飛び渡って近寄る先の枝に小石を当てた
飛び移るつもりの枝に石を当てられ焦ったのか、枝を飛んでいた者は足元を滑らせ草むらに着地した
キコン♪
「何者だ!」
僕は先に声を上げた
キコン♪
ん?二度目のはなんだ?
“威嚇スキルを覚えたようです”
威嚇って…僕の迫力なんて皆無だと思うんだけど…
「僕はコウ、冒険者だ!」
「…」
反応は無かったが足音が向かってくるのでとりあえず剣を構えて待った
4人の姿が見えた