***救援登場!***
村に向かったコウ達はゴブリン、オークの集団をけちらした
一方街の一団には強敵が含まれていて冒険者達は苦戦を強いられている様子…
「あれ?あいつ…
たしかピザ○ラだっけ?」
「コウ様、キザーナです
キザーナ=ワルドレイン
宅配ピザでわありません」
「あ~、そうそう
キザなワル奴隷ね?
ってか、前で戦ってるの…
奴隷?」
「奴隷ども!前に出ろ
騎士達は私を守るのだ!
死ぬ気で倒せ!」
何なんだ…あいつは!
人の命を何だと思ってる!
ふざけるな!!!
「てめーーーっ!
てめえが前に出ないくせに他人にやらせてんじゃねぇーーっ!」
ドゴーン!
僕はキザーナの横っ面をおもいっきりぶん殴った!
「おい!
そこのなんちゃって騎士ども!
このバカ貴族連れてとっとと逃げてろ、邪魔だ!」
怒髪天を衝くとはこういうのを言うのか?
髪の毛逆立ってないよな?
「奴隷達は下がれ!
ロゼ、ミャー、この敵のタゲ(ターゲット)を取ってくれ!
ティアは僕とこの辺りの雑魚を殲滅
ネリーとリム、スレイヤスさんは奴隷達の護衛と回復を!」
一気に指示を出して付近の雑魚…と言ってもC・Bランククラスのワイルドボア×5、グレートバッファロー×7、クレセントベア×5、ポイズンバイパー×2さらにキラーファルコン×4までいるがそいつらを片っ端から倒していく
ミャーなら鶏肉、牛肉、猪肉とヨダレものだろうが飛ぶのは厄介だ…
更に…今ロゼ達が抑えてる敵…おそらくコイツが今回のスタンピードの元凶であろうAランク上位のヒュドラがいる…
「ティア!
ファルコンを頼む
あとは僕が引き受ける!」
今日はレベルアップチャイムが鳴りっぱなしで今の状態はもうほぼ無敵なんじゃないかと思うが過信は禁物…ここはゲームじゃないんだから死んだら終わりだ
環境破壊はあとで植樹する!
全力でいくぞ!
「【アースニードル】!【ウインドカッター】!【ロックバレット】!【アイスアロー】!」
出し惜しみ無しだ!
あとはファルコン…だがティアが既に3羽倒して最後…
倒した!
「【収納】!
ティア!あとはAランクのヒュドラだ!」
「はいですわ
援護はお任せを♪」
ヒュドラ…こいつは9本の首を同時に切り落とさないと倒せない、その上1本づつだとすぐに首が回復する上魔法が効かない…
魔導師が戦力にならない上実質3人の攻撃では戦力不足だ…
僕が4本、ロゼが2本、ミャーが1本、ティアが1本倒せたとしてもあと1本残って復活してしまう…
もう1人ないしは2人…
くそっ!なんとかならないのか!
その時!
ガサガサッ!
ガウウーーッ!
バサッバサッ!
キィーーッ!
大きな真っ白い狼とこれまた大きく真っ赤な鳥が突如現れヒュドラに攻撃を始めた
みんながビックリして固まっている中でリムが叫ぶ
「コウ様!
聖獣フェンリルとフェニックスです!
援軍ですよ!」
「なんじゃと⁉
聖獣の援軍じゃと?」
周りの誰よりも驚いていたのはスレイヤスだった
ともあれ援軍ならこれで一気に首を落とすチャンスだ!
「フェンリルとフェニックスに併せて首を落とすぞ!
ロゼ、2つ頼む
ミャーとティアで1つ
ネリーとスレイヤスさんは拘束か麻痺系の魔法で援護を、ヒュドラは毒も持ってるからリムは何時でも回復できるようにしててくれ!
いくぞ!」
攻撃メンバーは一気に跳び自身の狙いを定めた
ガウウーーッ!
ブチン!
キィーーッ!
バサバサッ!
シュパーン!
「いまだ!」
シュキーン!
シュパッ!
とんっ!
シュカッ!
スパッ!
「ハーーッ!」
ズバッ!
ザシュッ!
「ティア!いくにゃ!」
「了解ですわ!」
シュピーン!
ガシュッ!
ドスッ!ドンッ!ゴロッ!ドサッ!ズン!ドスン!ドコン!ズドン!ゴロゴロッ!
ズズーーン!!!
・・・・・・
シーン・・・
「やったの…かにゃ?」
「やった…ようですわね?」
「やったか?」
「やったよな?」
「「「「やったーーっ!!!!」」」」
“コウ様、首を全部落としたあとヒュドラが二度と復活しないよう止めをお願いしたいのですが…”
“リム?なんだ?全部の首を落としたら終わりじゃないのか?もう動かないぞ?”
“はい、倒しはしたのですがヒュドラは魔獣でなく幻獣ですので体内に魔石とは別に魔核というものがあるのです
それをそのままにしておくと体内から消え別の幻獣を生みだしてしまうのです”
“魔核?
それを早く取り出さないといけないのか?”
“はい
取り出してコウ様が持っていれば新たな幻獣が生まれてもコウ様がテイムする事も出来ますし、ゴーレムを造る核とする事も出来ます”
“ゴーレムだって?
それはすぐに取り出さないと!”
“心臓部に魔石と並んでいると思います!
普通の冒険者は知らずに放置して新たな幻獣を生んでしまうのでお急ぎ下さい!”
“わかった!”
ダダダッ
ザシュッ!ザシュッ!
僕はみんに教える時間ももどかしかったので急いで胸の辺りを【燕返し】で切り裂いた
リム以外のメンバーが何事かと見つめていたが、僕が魔核を探している間にリムが説明してくれた
「あった!」
みんなの見守る中真っ赤な魔石と共に金色に輝く魔核を取り出す事に成功した!
気がつくと周りから魔獣や魔物は消え森の中は冒険者の歓声が響いていた
「終わったな…」
僕はしみじみ呟いた
「いや?まだじゃ
大事な事が残っとるぞい」
スレイヤスは奴隷達の方を見て呟いた
この国で奴隷は違法だ!
それを堂々と連れてきた事
街の騎士を私兵として冒険者ギルドの討伐に何十人も連れてきて、その大半を死なせた事
これは大罪だ!
キザーナのみならずワルドレイン子爵家全体、ひいてはその奴隷を売った商人はおろか買ったその他の貴族も含めて処罰される事になる
スレイヤスは奴隷達にどの商人に売られたかを聞き出した上で使い魔のリポートピジョンを飛ばし国王とギルマスに連絡を送り即座に関係者の捕縛と証拠の押収をさせた
証拠書類の中には貴族とのやりとりの手紙や売買リストまであり、これにより多くの貴族が捕らえられ取り潰しになり闇商人やそれに関わり儲けた商人の大半も捕縛の上財産没収されるのは確実であった
こうしてギルマスとスレイヤスの悪人一網打尽計画及びスタンピード鎮圧計画はコウ達のパーティーの多大な貢献により成功を収めたのだった