表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/12

***転生しちゃうの?***

僕は田畑(タバタ) (コウ)

48歳の自由人

都会で学生時代を過ごし社会人となったが、30歳で両親が他界したのを機に元々人付き合いの苦手だった僕は祖父母の面倒を看るためという理由で脱サラして田舎の山奥に引っ越し田を耕し、山菜を採り、猟をし、祖父や祖母に工芸や鍛冶、料理やDIYを教わり一人で生活をする術を学んでいった


やがて祖父祖母が亡くなり一人になった時…

僕は一人の寂しさを実感したのだ…とは言え今さら都会に出ての人付き合いが出来るとは思えず、次第に鬱々とした日々を送るようになり食事もとれず体調を崩していって田舎暮らしで培った体力も衰えていった


そんなある日、夢枕に祖父母と純白のレースを纏った見知らぬ女性が現れ僕に語りかけてきた


「耕…お前はこのまま死んでいいのか?」


祖父は僕に問いかけた


「じいちゃん…悔しいけど…1人の寂しさは予想以上でこれ以上僕に生きる希望はないよ?…」


祖父は黙った


「やり直せばいいんじゃないかい?」


祖母が言う


「やり直すって言っても...今の僕にやり直す事なんて…心も身体も、もう無理だよ…」


悔しい気持ちはある…

けど…


「諦めてしまうの?」


突然一緒にいた美しい女性が口を開いた


あなたは?…

と言う疑問より先に


「諦めたくないです!」


その言葉が出た


三人は微笑んだ


「じゃあ、もう一度やり直しなさい?あなたはチャンスをもらえるのだから」


祖母は優しい笑顔で言う


「お前はわし達が教えた事、都会の生活で覚えた事を自由に発揮するといい」


祖父は毅然とした態度で言う


「後は私が伝えましょう…」


美しい女性が一歩前に出て話し始めた


「あなたは本来の優しさをずっとしまいこんで自分を鍛練する事だけを求めてきました

もしその能力を皆の為に使えたら…

そう…その力を活かしてほしい世界があるのです…」


「僕の力?…」


「はい、地球とは違う異世界をあなたに救ってほしいのです」


異世界?僕が救う?

そんな事出来るわけ無い...

これは夢なんだよな?


「いいえ?

夢ではありませんよ?」


えっ?声出してないのに考えてる事がわかったのか?

そんなバカな…この人っていったい…


「それはいずれわかる事です

でもあなたはもうじき死ぬ運命…

ですからここで決めてもらうしかないのです

異世界を救うか、このまま死ぬかを…

信じられる友も恋愛も女性経験も無しに48年の人生を終わらせてもよいのですか?」


くっ!そんな事まで…

恥ずかしいけど事実だ…


「でも、異世界がどんな所かもわからないしこのまま行っても何も出来ないんじゃ…」


僕は素直な不安をぶつけてみた


「あなたの行く世界は剣と魔法の魔物までいる世界です

ただ技術は何百年も送れている世界なのであなたの能力は貴重なので色々な知識を伝えてほしいのです」


剣と魔法に魔物だと⁉

そんなとこ行ったらあっという間に死ぬだろ?

それに知識を伝えるったってこの年齢じゃたいした事できないし…それに俺のコミュ力じゃ会話すらおぼつかない…


「もちろんその為の若さと能力は持たせてあげるわよ?

あなたの周りに皆が集まってくる魅力も…

これは私からのお願いでもあるから…

さあ、どうしますか?」


綺麗な女性に迫られ慣れてないから返事すら出来ないでいる僕を祖父母のガッツポーズが後押しする


「耕!頑張ってこい!」


「耕ちゃん、あなたなら出来るわよ?」


子供の頃からコミュ障な僕にずっと優しくしてくれた祖父母の言葉に、僕は元気と勇気をもらい続けてきた…


恩返しをするならこれが最後のチャンスだ!


僕はそう思って言葉を絞り出した


「い…行きます‼

何がどこまで出来るかわからないけど

やってみたい…やらせて下さい!」


始めてだ…こんなにやる気になるのは…

じいちゃんとばあちゃんが力をくれてるのかな…


「あなたのやる気は元々持っていたモノですよ?

ただずっと心の奥にしまいこんで鍵をかけてしまってたモノ…

今やっと鍵が外れたようですね」


そう言って女性は微笑んだ


「あなたの気持ちも決まったようですのでそろそろ準備をして異世界へ転生していただきますね?」


「準備?」


「はい、肉体を作り替え異世界に適した身体にさせていただきます

それと最低限の持ち物はご用意しておきますのでご利用ください」


自分の身体が光に包まれていく


「耕…行ってこい…」


じいちゃんの力強い言葉


「耕ちゃん?無理しないでね?…」


優しいばあちゃんの笑顔


「耕さん、お願いしますね?

私の名前はセレナ…またいずれ…」


美しい女性がそう言うと、僕の身体を包んでいた光がおもいっきりパアーン!と弾けた


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ