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エピローグ
「後悔するぞ...!いずれ、後悔するぞ!」
スーツ姿の男が、1人の男に向かって酷く叱責の言葉を投げかける。
必死な顔で、必死な言葉で。
「お前なら、お前なら俺らの夢を叶えられる!あの時の俺らの夢、忘れたわけじゃないだろう!?」
その言葉を背中で受け切る男。薄汚れた黒色のコートに身を包んだ1人の青年。彼はずっと黙ったまま、微動だにしない。
「聞こえているのか!?おいロック!」
名前を呼ばれた青年は、その言葉に怒りをあらわにする。
「お前が俺の名前を呼ぶな...!」
スーツ姿の男は顔を歪める。
「もうこの組織には、何もない。ただの、利権組織だ」
首にかけられた職員証、胸につけられていたバッジを投げ捨てる。
青年は扉を乱雑に開け、1人部屋から出ていった。
ピシャリと扉を閉めたロックは廊下を1人歩いていく。
「俺は、新しい未来のために」
腰にかけられた刀が揺れていた。