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魔王最弱なリスは平穏に暮らしたい  作者: フィガレット
第一章 瓦解する日常
3/12

作戦会議です!

 1日目の調査は、新怠惰の森に侵入する前に現状把握と銘打って撤収しました。


 明日は、新怠惰の森の探索予定です。


 しかし、怠惰の森の拡大は現状は止まっている様でした。一安心です。

 更に魔力の流れを確認した所、新怠惰の森はしっかりと我が魔王城は周辺の森とリンクしておりました。魔力の増大を感じなかったのはどうやら『泥欲の腐敗』とやらを抑えるのに魔力を使っていたから、と言う推察となりました。怠惰の森は実は強大な魔力を内包しています。


 私の特性は、その魔力の浪費にあるのです。


 そして、それこそが怠惰の森を抑えられている能力なのです!

 この膨大な魔力を上手に活用出来ればいいんですけどねぇ・・・無理でした♪

 ただ、寿命を伸ばすだけで後は垂れ流しである。魔力がピーキー過ぎるのです!

 しかし、ここで問題が・・・。増えた新怠惰の森の魔力・・・食べ切れるかしら?


 調査が急務です!調査団きてええええ!あ、来てたんでした。

 追い返そうとしてましたね。すいません。いて下さい。


 しかし、来てくれた調査団の人達なのですが本当に優秀な方々でした。

 先の情報は彼らのおかげで分かった事も多いのです。


「魔道回路の循環の調査を・・・」

「この辺りのエリアで魔力の質が変化しているので新怠惰森ニューグラスト旧怠惰森グラストでは違った性質が・・・」


 怠惰の森はグラトニーフォレスト、略してグラストと呼ぶ様になった様です。

 好きにしていいですよ。むしろ森も気に入った様で喜んでましたし。

 そんなこんなで1日目の調査は終わった訳ですが・・・


・・・


「作戦会議です!!」


 深夜、サポちゃんと作戦会議を始めました。


「切羽詰まっておりますなぁ♪」


 ポンコツ妖精は今日もお気楽ですが、本当に切羽詰まっております。

 なんか色々と不味いです。


「サポちゃんは森が漏れてる事に気づいていたんです?」

「知りませんでしたよぉ?なんか別の意思を感じますねぇ」

「デスヨネェ・・・」


 怠惰の森が単独でそんな事をするとは思えません。しかもサポちゃんが把握していないとなれば、別の意思を持つ存在を疑います。サポちゃんは基本的には嘘をつきませんし信用していますし信頼しています。共生関係にありますし。


《実はサポちゃんは怠惰の森から生まれた化身なのです。》


 怠惰の森を抑えているのは私とサポちゃん、二人の力なのです。

 

「さて、問題の本質を整理しましょう!」


 現状、ニューグラストは安定しています。よそ様にも迷惑はかけていませんし、不毛な土地だった様なので無視して良さそう。あれ?問題ないのでは?


「放置してもいいのでは?」


 私は冷静に杞憂な可能性を見出します♪


「でもリンクはしちゃってますし、制御には間違いなくマスターの力がからんでますよぉ?あとギルド的にはマスターの功績としていますしマスターの領地ですから問題が起こればマスターの責任ですねぇ♪」


 責任・・・コワイ。


 やはり、調査が急務という事なのでしょう。

 そこで一人、言及しなければいけない者がいる!

 そう、この中に裏切り者がいるのです!!


「さて、この現状を知っていて報告しなかった者がいます!」


 そう。うちにはもう一人、住人がいます。


「ケルベロスちゃん♪返答次第ではご飯抜きですよ?」


 ケルベロスちゃんは日中はいつも周辺警備を行なっています。

 我が怠惰な魔王城の中で唯一の働き者。彼女が気づかない訳がないのです!

 つまり、意図的に黙っていた。報告義務を怠ったのは重罪なのです!!


「ワ・・・ワウゥ・・・」


 しょぼくれた顔で目を逸らすケルベロスちゃん。彼女の事も信用しているので事情がある事はわかってはいるのですけどね。長い付き合いですし。でも事が事です。流石に言及しない訳にはいきません。


「やっぱり、知っていて報告しなかったんですね」

「まぁ、うちの領土は狭いですからねぇ♪わらわら」


 一体、どんな事情があるのやら。


「ワゥゥ・・・」


 虐めるつもりはないのですよ?ただ事情を話して欲しかったのですが・・・

そこに閃光が放たれました。敵襲!?

 突然の発光に目が眩み視界が一瞬、奪われます。


「何事!?」


 慌てる私をよそに、サポちゃんは


「げ・・・この感覚は・・・」


 何かを察した様に、慌てていました。

 少しづつ戻ってきたボヤけた視界に映ったのは・・・


サポちゃんとよく似た妖精の姿でした。


 誰ぇ?


「ケル様を責めないで下さい!ケル様は私達の為に黙っていて下さったのです!」


 その妖精はサポちゃんより少し小さく、色違いの羽をしていました。

 髪型も違いますねぇ。でもよく似ています。


「どなたです??」


 全くもって覚えがないです。


「やっと会えましたね♪パパ!」


 全くもって身に覚えがないですぅ・・・。

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