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テーマ詩集:鉱山

アルミのエース

作者: 歌川 詩季

「18」ではなく。

 まるくて ちっちゃいせなかに刻まれた「1」

 こいつはエースナンバーなんだって信じて

 おいらはここまでやってきた


 うすっぺらくて たよりないせなかに刻まれた「1」

 どんな弱小チームでも こいつを背負うのなら

 誇り高きエースなんだって信じて

 おいらはここまでやってきたんだ


 いやいや「10」こそ キャプテンナンバーだよって

 (さび)の浮きはじめた 貫禄のあるやつが

 おれよりひろくて 茶色い背中を見せてきたり


「100」や「500」なんて 三桁の番号のくせに

 でかい態度のやつらが

 ぎんぎらで 頼もしい背中を見せつけてきたりもした


 まんなかに穴なんかあけやがって

 ちいさな文字で「5」とか「50」って刻んでる

 あいつらのことは まあさておき


 だけども おいらの

 まるくて ちっちゃくて

 うすっぺらくて たよりない背中に刻まれた

 誇り高きエースナンバー

 こいつがあるかぎり おいらは

 金でも 銀でも ましてやダイヤモンドでもない

 このアルミの輝きを

 これこそおいらの(はな)つ光だと

 なんら恥じることなく その背中を張れることだろう


 惜しむらくは

 おなじチームともいえる この小銭入れのなかに

 おいらとおなじ エースナンバーを背負った

 アルミの円盤どもが このおいら以外にも

 おおぜい ひしめいていることくらいか

 どちらかといえば「20」です。

 エースなら20勝しろという意味らしい。

 野手なら、「23」もいいなぁ。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  四人いたら安心なのですけど。  いっつもひとり足りないのですよね、不思議と。
[一言]  たとえば、300円と298円。ここにエースナンバーのありがたみを感じます。
[良い点] 寛永通宝はどういう立ち位置ですか?(๑•̀ㅂ•́)/
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