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第1話 単純で、当たり前で、最低の結末
結局のところ、僕は信じていたんだ。
物事の結末には必ずハッピーエンドが用意されていて、どんなに悲劇的なことが起こっても、そのたびに奇跡が起こって、最後にはみんなが幸せになる。
そんな世界の優しさを、僕は最後までずっと信じていた。
どうしてだろう。
どうして僕は、彼女が戦い、傷ついてきた世界を、優しい世界だなんて思っていたんだろう。
まったく呆れた勘違いだった。
だから僕は彼女を失った。
それはあまりにも単純で、あまりにも当たり前で、あまりにも最低な結末だった。