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学者と学生  作者: 四季
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転校生

「おっはよー!」

3日ぶりの学校、授業は嫌だけど2人に会えるから楽しみだった。

3日間、本当に疲れた・・。お姉ちゃんが買って来るのは豚骨ラーメンだったり、お姉ちゃんが作った緑色の栄養ドリンクだったり、(お姉ちゃんに飲ませたら1時間くらい起きなかった)他にもジョギングに付き合わされたり全然安静にできなかった・・・。

ていうか、みんなシーンとしてる、ヤッベ、大きな声出しすぎた・・・?

私がオロオロしていると

「グットモーニング!!」

その声とともに、視界の端に金色の髪が見えた。

「ルカ?」

助かった・・と思ったけど、なんか変だ。

どうして英語で喋ってるの?そう聞こうと振り返った時、その姿を見て言葉が詰まった。

金色に輝くストレートの髪、宝石のような大きな水色の瞳、190センチはいってそうな高身長、かなりの、いや、超絶美少女だった。

「ホワイ?ユーはウイルスでスクール休んでたキッズ?」

その一言で超絶残念なこの匂いがした。あなたは病気で学校を休んでいた子ですか?ってことかな?

「そ、そうだけど・・・」

若干引き気味に答えると、金髪少女は微笑んで

「ミーはアレイ、ガイコクジンとジャパンジンノハーフデス」

わざとらしくカタコトでそういった。

「わ、私は光葉、光るに葉っぱの葉で光葉、よろしく・・」

とりあえず自分も名乗っておいた

「コウハ、ビューデイホオーネーム」

光葉、美しい名前だねって言いたいのかな・・?英語もあやふやだし、発音もなんか違うから聞き取りづらい。

「あ、ありがと、じゃあ・・・」

そう言って足早にルカと琴音のいる席までやってきた。

「あはははは!光葉超困惑してたねえw」

うぜー、ジト目でルカを見つめた、彼女は気にすることもなくずっと笑っていた。

喧嘩になるかもしれないと思ったのか、琴音が話題を変えてきた。

「え、えとですね!アレイさんは昨日転校してきた人なんです!」

「へー、じゃあアレイさんが来てからクラスがなんとも言えない空気になってるのは?」

そう、さっきからクラス内は、賑やかではあるが、みんなどことなく顔を引き攣らせているのだ。

「それは昨日、アレイさんの自己紹介で・・・」

「ミーはアレイ!ガイコクジントジャパンジンのハーフ!みんなとフレンドにナリタイ!さんきゅベリーマッチ!って言ってきたんよー」

琴音が言いにくそうにしていると、ルカが声真似をしながら行ってきた。

ルカもハーフだからか、私たちより似てる・・・・気がした。

「最初はみんな仲良くしようとしたんですけど、ちょっと何言ってるかわかりにくいことがあって、日本語に慣れるまで様子見ようってことになって、アレイさんはとても親しげな人で、みんなに話しかけて、日本語を覚えようとしてくれて、それをみんなで見守っているんです。」

琴音が付け加えるように言った

優しい言葉だけど、つまり、最初は美少女が来て仲良くなろうとしたけど、ジャパン人とか、意味不明なこと言って、みんな話しかけなくなった。でも、アレイさんから話しかけてきて、言葉が通じないことがあるから、話しかけられないように距離をとった・・、ということか。

楽しそうに本を読む彼女の横顔を、私はどこか、寂しそうだと思った。






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