風邪
7時30分、いつもならとっくに起きている時間。私は自室のベッドに寝っ転がっていた。
「うー」
だるい、吐き気がする。
まあ、普通に風邪だし、すぐに治るんだけど。
あれだ、めっちゃ暇。
小さい頃は、風邪だー学校休めるぜーウエーいだったんだけど、大きくなると、あ、風邪だ、学校休まなきゃ、
でも提出物の期限今日までだし、授業新しいところやるんだった・・・。ってなる。
その上、私の家は、両親共働きで深夜まで帰ってこないし、ゲームは風邪の時しちゃダメだからすることがない。
暇ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ってわけ。
そんな感じで、小声で暇暇言いながら過ごしていたら、12時になった。
「我が妹のためにお姉ちゃんがご飯を買ってきたよー」
そう言ってドアを開けたお姉ちゃんを私は見るなり
バン!
勢いよくドアを閉めた
「あれっギガ!?指、指挟んだから!?挟んだからあ・・。」
流石に可哀想だからドアを開けてあげた。
「で、何?」
「何じゃないよ!もう、ほんとに痛かったんだから。ご飯買ってきたの。」
「ごめん、でもわざと指が挟まるようにしたんじゃないんだよ?ご飯ちょうだい。」
「まあいいけどさ、でもそんなんだから彼氏できないんだよ。はい、ご飯。」
ちょおーっとイラッとしたけど、我慢して手渡されたご飯を見ると、
肉がごっそり麺たっぷり 地獄の焼きそばパン
「こんなに食えるかあーーーーーーーーー!!」
言い終える前に焼きそばパンを壁にぶん投げた。
「食えないよこんなの風邪で食欲がないときに!家のでなんか作るから。」
言いながらキッチンへ行き、すぐに作れて簡単なたまご粥を作った。
ちなみに焼きそばパンはお姉ちゃんが美味しくいただきました。
そんなこんなで午後5時。
「生きてるねーー」
「お邪魔しまーす」
ルカとことねが私の部屋へやってきた。
「なんでいるの?」
「光葉のお姉さんにここまで案内してもらったんだ。」
きっとお見舞いだろう。
素直にお見舞いに来てくれるのは嬉しいけど、昨日のこともあるし・・。
私がそう思っていると、ことねが優しい笑みで
「昨日のことなんだけどね、もう大丈夫だよ」
「?」
私が不思議に思っているとルカが
「昨日の沈黙は光葉が落ち込んでいたからそっとして置いただけだよ。別に嫌いになったりなんかしてないよ。」
「あ・・。」
確かにあの日怒られて、恥ずかしくなって結構落ち込んだ。
「光葉って結構感情が顔出やすいからねー。」
「落ち込んでるって誰でもわかるくらいでしたもん。」
「そっか・・。」
「そうだよ、じゃ、またねー。」
すぐに帰って行った2人を見送り、私は思わず声に出して
「よかったあ・・」
明日、学校に行けるといいんだけど。
早く2人と話したいなあ。
話したばっかりなのに、そんなことを思った。