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SF
になる予定です。
「ただいま〜!」
アイオラの家はこじんまりとした木製の一軒家だった。
迎えてくれたのは多分アイオラの父親と祖父だろう。
「おかえり。お客さんかい?」
「うん!コクヨウって言うの!あ、これ、今日のお薬ね〜」
「ありがとう」
「お使いありがとうな。そちらは、コクヨウ君だったか?珍しい服装と髪色だな?」
アイオラがずっと持っていた肩掛けのカバンから袋をひとつ取り出して祖父と思われる人の前に置いた。
突然来た客人である俺に不振そうな目を向けるのは、推定アイオラの父親。
「あ!ちょっとママ!コクヨウが怖がるでしょ!!そんな目で見ないで!」
ん?
「あ?そう言うが、お前は自分の容姿を自覚しろよ。父親に似てお前は綺麗なんだから」
「も〜コクヨウは大丈夫だよ!道端で泣いててね。その涙がとっても綺麗だったんだ!だから大丈夫!」
「ちょっ…ちょっとアイオラ…」
急に大号泣してたのをバラされるのはさすがに恥ずかしい。それにき…綺麗とか……てか、大丈夫の基準おかしくないか?!
照れながらもアイオラを止めるが、最後の言葉に引っかかる。
「あん?……爺さんどう思うよ?」
「ホッホッホッ。ワシには優しいオーラしか感じんのぉ」
顎に手を当てて値踏みするかのように見てくるアイオラの父親と、あごひげを撫で付けてながら、逆の手でアイオラの頭を撫でる祖父。
「ん〜…爺さんがそう言うなら…まぁ、大丈夫か…?」
んん??
いや、大丈夫の基準……。
この家の人たち危機感大丈夫かな…。
「ね!僕の言った通りでしょ!…そういえば、パパは?まだ帰ってないの?」
「あぁ、今日は遅くなるって言ってたぞ」
「そっか〜」
あれ?
「とりあえず、入口の前で突っ立ってないでこっちに来たらどうだ?」
そう言われて未だに入口を開けっ放しで立っていたことを思い出した。
「あ、お邪魔します…」
ぺこりと頭を下げて入室し、進められた椅子に座る。
アイオラはいつの間にかどこかに行ってしまった。頼むから早く戻ってきて…。
「初めまして、黒曜と申します。その…急にお邪魔してしまってすみません」
「そう恐縮せんでも良いよ。こいつはいつもこんな態度なんじゃ」
「悪いな。俺は元憲兵でよ。爺さんもアイオラも大丈夫だってんだから、きっとお前は良い奴なんだろう」
「お前さんはいつまで経ってもオーラを読むのが下手じゃの〜」
「こればっかりはしゃあねぇだろうが」
ほらよ。と差し出された湯呑みからはゆらゆらと白い湯気が立っている。
さっきから引っかかる。
色々と引っかかる。
が、とりあえず
「ありがとうございます、いただきます」
お礼は大事だ。
出されたお茶を飲んで一息つく。
冷えたからだに染み渡る優しい温かさだ。
「ママ〜!コクヨウ、寒いみたいだから暖かい飲み物……って、もう出してくれてたんだ!ありがとう!」
いつの間にか戻ってきたアイオラが階段上から顔を出した。どうやら荷物を置きに行っていたみたいだ。
「あ、やっぱり寒かったのか?唇の色が薄かったからそうかと思ってよ」
「ママはそういう所はよく見てるよね〜。
オーラはからっきしだけどさ」
「お前まで…」
やれやれと首を振って、向かいの椅子に腰を落とした、アイオラにママと呼ばれている男を見る。
今、ママっていわれてなかった????
ここにも性癖をねじ込んでいく!!