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覇王セリスの後日談  作者: ダンヴィル
最終章、大きな決断と私達の一生
119/119

※ネタバレ注意。メリルの進化とセリスの人格


ここではストーリーで触れられたり触れられなかったりした設定を書いています。

まだ本編を読んでいない人は特にセリスの人格に関しては本編の全てに関わる重大なネタバレを含んでいますので読まない事をオススメします。




その前にドリーミーについてですが、サキュバスです。

正確には冥界の住人であったサキュバスがメリルの世界に来て他種族と交わったり食物連鎖に生き残る為等、時代の流れで進化したのがドリーミーです。

あやかし桜を懐かしいと言っていたのは先祖帰りと言えるレベルで発達した魔力感知能力によって遺伝子レベルで冥界の存在そのものを知っていて懐かしいと評価していました。

メリル最終形態の能力はサキュバスがドリーミーに変化するに当たって最も魔力感知能力に秀でていた時期の中で上の下と言ったものであり、保有魔力量は種としてメリルを越える者はいませんでした。

それでもセリスの魔力量には足元にも及ばないんですけどね。




メリル


・初期メリル

基本的に全ての話の流れを彼女の視点から書いています。

初期メリルは正直言って間違えてもヒロインと呼べるほどの美貌は持ってません。モブです。

平均的な女子と比べてソバカスの濃さも相まってけっこう下という感じの容貌の持ち主で、旅や格上との商談によるプレッシャー等々によるストレスに悩み、その結果生理痛が起きて、その痛みで更にストレスを加速させて痛みを悪化させてる系女子です。

ド田舎生まれであり、商談による駆け引きは楽しいとは思っているものの、要するにプレゼンみたいなのを性別を隠しながらずっとしているんですよ?

ストレスを感じない方がおかしい。




・死にかけ後メリル

化粧等を行い、メリルの世界の化粧の技術と比べてしまえばオーバーテクノロジーレベルのものを施されてパッと見並よりずっと綺麗な見た目をしています。

しかし良く見るとソバカスによって美人とは言い難いような感じがこの時のメリル。

ついでにこの化粧品は絶対に市場を混乱させるから墓まで持ってくか、その時が来るまで黙っていようと微妙だけれど確実にストレスの種を増やしていたりする。




・初ダンジョン後メリル

既にかなりの美少女。

セリスが小さいもの好きという風に思っている為無自覚にセリスに好かれようと身長が下がっている。

この時点でもセリスに惚れているが、あくまでも男性のセリスに対してで女性のセリスは親友として見ている。

けれど時々男性のセリスと重ねてしまって意識しているのもまた事実。

同性愛に関してはそう言うものもあるという程度で、別に他人の価値観にどうこう言うつもりは無い。

セリスの事をレズと言われてキレたのは、普段なら別にセリスをレズと言われようと怒りはしません。

メリル自身気づいてないが、心の奥ではセリスはその毛があるんじゃないかと感じていて、実際自分の身に危機感を感じているけれど、あまりにもうっすらとした気付きで頭ではそれに気付いていないという感じです。

では何故キレたかと言われると、単純に罵倒の言葉としてレズ等と差別的言葉で親友を馬鹿にされた事にキレただけです。

コレがもしターニャに、「前から思ってたがアイツ……もしかしてそっちの毛あんのか?」と聞かれたら、「実は私も内心思ってましたが……どうなんでしょう………?」という感じに流してました。




・ミューズと出会った頃のメリル

ソバカスはあるが身長の大きさも相まってもはや人形としか思えないほど綺麗な見た目をしている。

未来視という既存の魔法では存在しない現象を起こしてしまうほどの化け物じみた魔力感知能力を持っている。

他にも一人の人物を集中して調べるとその者の自然と訪れる寿命を言い当ててしまう程。

この世界の全ては元々魔力でできています。

人も、大地も、海も、宇宙空間すらもです。

魔力を読み取って全てを見通す存在、それがドリーミーであり、人類最高の魔力操作能力を用いているのですが、そこまでできるドリーミーは覚醒後メリルです。

進化の過程でドリーミーとサキュバスの中間くらいなら他にも居ましたけど。


この頃のメリルはもう完全にセリスに慣れ、大人らしさでなく自分らしさを所々で強く出すようになっています。

その為言葉遣いが所々崩れたりして、それでも崩れないのは物語終盤に語った通り、セリスが言葉を崩さないからです。

覚醒後もそんな感じですが、覚醒後はその微妙な感じのまま慣れてしまい、メリル自身もほんの少し落ち着いています。




・覚醒後メリル

ソバカスが無ければ美の結晶と言われても仕方がない程に神秘的な容貌をしている。

むしろソバカスがあるからこそ逆に親しみやすさを感じる容貌である。

身長が延びたのはミューズより身長が低いのはお姉ちゃんとして示しが付かないと心の奥で思っていたからです。

ただでさえ自分より大きな妹がいるのにこれ以上小さくなったらセリスに愛でてもらえるかもしれないけど姉としての威厳が完全消滅すると焦っていました。

メリル自身には自覚ありませんでしたけど。


過去を見たりと未来を見たりととんでもない化け物に見えるかもしれませんが、普通の人類でどうにかなってしまう程度の実力ですし、実戦不足も相まって尚更弱いです。

質を数の暴力でどうにかできてしまうのがメリルの実力。

いくら数があろうと絶対に敵わないのがセリスの実力。

これがティナが言っていた普通の化け物と本物の化け物の絶対的な差です。






セリス


・セリス

主人格であり普段メリルと過ごす時はこのセリス。

比較的まともな思考回路であり他のセリス全ての思考を足して割ったような感じ。

メリルの世界へやって来た時は自分が多重人格だという自覚が無い。

雑魚を殺す時は心の奥に幽閉される形となり覇王セリスが戦う。

だが、閉じ込めておくにも力と気力を消費されるので強者と戦う時はセリスが出てくる。

戦っているのは覇王ですけど。

セリスは覇王というプロゲーマーの格ゲーにおける超神プレーを同じ目線で見せられ操作している気になっていましたが操作していた訳ではありません。




・覇王(大人の)セリス

独裁者で無慈悲な暴君。

力に強い執着があり、自分の強さで他のありとあらゆる強さを捻り潰す事が何よりの喜びであり自身の存在理由だと考えている。

自分の存在理由を遂行できている時は強い喜びに包まれ狂気染みた笑顔で笑いながら殺戮を繰り返す。

メリルが見た天使の殺戮は爆発の瞬間から覇王セリスに変化している。

セリス的には自爆した次の瞬間にはなんか別の場所に移動していたけどいつもの事か程度にしか認識できていない。


メリルの事は弱く脆いが強い存在として認めており、セリスに負けない程メリルが大好きである。

徹底的に壊して、メリルが他の誰の手にも渡らないようにしたい。そう思う程大好きだから壊さない。

壊してしまえば自分の大好きなメリルは2度と見れないから。




・魔法使いセリス

セリスの中で一番メリルに執着してないセリス。

ドリーミーの魔力感覚にのみ関心を持っていたが、メリルは成長と共に弱者ゆえの視点で様々な魔法の可能性を生み出す。

そんなメリルに強い尊敬と敬意を持つようになり、種族魔法使いでなかろうが十分すぎる程認められる存在だと認識している。

この人格のセリスは魔法以外には強い関心を殆ど持っておらず、魔法使いが契約を重んじる存在ゆえにギブアンドテイク、自分が魔法の事をメリルに望むのだからメリルも私に望むなら答えるという考えであり性的好意だろうが望みを叶える手段として応じるのも厭わない。




・幼いセリス

わりと序盤から表に出ていたラスボス。

主人格が滅ぼした生まれ故郷の過去と共に置き去りにした子供としてのセリスであり、鏡の世界からの侵略を企て殺された人格。

前の世界からメリルの世界へ移動した時に復活した。


鏡の世界は魔力とは違う力を使っており、威力や質、見た目すらも同じであっても魔法とは別物。

前の世界と違いメリルの世界の住人は弱い為に鏡の世界の住人はまともに人の姿を保てない。

鏡の世界での魔法は現実の魔法より扱いが難しくそれが原因でメリルの世界の鏡の世界ではハッキリと人の形をした存在が少なく、その中でも最強の存在が現実世界で精霊として現れたりしている。

つまり幼いセリスは性質的に精霊と同質の存在である。


幼いセリスが侵略の為に現実世界に来たのと同じ方法で精霊は現れ、現実世界の神のような存在になっている。

そしてセリスの前に交渉で現れたその日の内に精霊は幼いセリスによって命を握られ逆らえないようにされている。

全ては親友であるメリルの為に。


幼いセリスがセリスの世界を滅茶苦茶にしようとしたのはお父さんの敵討ちが目的。

認めはしないだろうがセリスは人並み外れたファザコンである。

命を掛けたダルクよりも彼等と呼んでいる父親達の方がセリスにとって大切な存在です。

セリスは親や周囲の環境に恵まれなかった。

唯一の味方はお婆ちゃんだけだった。

身内の優しさを知っていたからこそ親、家族という存在に強い憧れを持っていたがあまりの環境にそんな事にすら気付く事すらできなかった。

後にセリスが父親と認める彼等と出会い、髪が白いから、目が赤いからなんて理由で自分を迫害する事もなくお婆ちゃんがしてくれたように暖かく受け入れてくれた。


そんな恩があるのにセリスはお父さん達のお墓すら作らない。

お父さん達の敵討ちをする。その目的を拡大解釈した結果、恩を感じているくせに埋葬する事すらしなかったセリスを子供のセリスが感情的に敵と認識するのに十分だった。


子供と言ってもやはりセリスであり、理知的に行動でき下手な大人よりずっと賢く合理的な部分がある。

その為に最終確認としてセリスと接触してお父さん達をどう思っているのか、埋葬はできなくてもお墓くらい作れるだろうと言ってみたがセリスの耳には届かず殺し合いになり、幼いセリスはセリスに敗れ、死んだお父さんに助けを求めるかのように呟きながら消滅した。


復活してからは真っ先に復活の理由を理解し大人しく機会を待つ。セリスを殺す為の機会を……

しかし誤算が生まれた。

当然メリルの存在です。

例えるならば、幼いセリスとセリスはボロアパートの薄い壁程度しか心や感情が離れておらず、殆どリンクしている状態なんです。

メリルの存在は幼いセリスの心を強く刺激し、セリスがよく泣いてしまうのは幼いセリスと限りなくシンクロしてしまっていた為です。


やがてメリルはセリスにとって彼等より大切な存在になり、幼いセリスとセリスは『私は今度こそ無くさない』という強い意思を持つ。

幼いセリスにとってその目的の前では敵討ちも何もかも二の次。

お父さん達には悪いとも思うけれど、適当に扱っている訳ではないし、むしろ幼いセリスはメリルにのめり込んでもお父さん達へのお供えや祈りを欠かさない。

結局の所敵討ちも『今を生きる為の手段』であり、幼いセリスにとって敵討ちをしなければ前へ進めなかったから行っていただけ。

けれどメリルのお陰で幼いセリスはセリスと同時に前へ進めた。

だが、敵討ちは必要無くなったが次の問題が生じた。


こんな奴(セリス)なんかにメリルを任せられない。

コイツは、いつか絶対メリルを殺す。ミィやダルクの時のように……』


精霊やティナを無理矢理配下へと組み入れたのはその為の準備。

ミィの魔王契約をどうにかできたのは、ミィがセリスの中で魔力の使い方を学んだのと同じようにセリスも魔王の力の本質を理解したからです。

セリスができる事は幼いセリスもできます。

人格が違えど同一人物なのですから。


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