初めての街へと冒険者ギルド
PVが少しずつですが伸びているようでありがたや……
関係ないですが自分は読むときスマホ派なのでPCの方の閲覧が3倍ほど多くて驚いております。
あらすじ:初異世界人に色々教えてもらった。
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「よし着いたぞ、ここが俺たちの拠点ライミットだ」
「ふう、やっと着いた……」
目の前には二十メートルほどだろうか、高い壁がそびえ立ちその一角にある門の辺りは小さな露店が開かれ多少の賑わいをみせている。
壁内での商いには商業ギルドから許可を受けたうえ多くは無いが売り上げの一部を税金として納めなければならないそうだ。
個人の作成物などを売買するバザーに近い感覚だろうか。
ところで何で俺が一息ついているかというとゼクサスさん達の移動速度が速いのなんの。
ステータスは噓をつかないようだ。
「じゃあロト、ここで一旦お別れさね。中で待ってるよ。」
「ありがとうございます。ではちょっと行って参ります。」
街へ初めて入る場合手続きが必要なんだそうで男性が座っている受付のようなとこへ行く。
「あのー、すみませーん」
「はい。初めてライミットへ来られた方ですね?」
「ええ、そうです。」
「では、そちらにある判定珠にお手をかざしてステータスを開示してください。」
ここで言う開示とは本来、自分の脳内でしか確認できないステータスを公開するようなイメージをするとこの判定珠とやらが必要最低限の情報のみ抜き取り、設定した条件を満たしているか判定して表示するという事らしい。
「――はい。完了致しました。あちらの出入り口からお入りください。」
軽く礼をして出入り口を通る先程の手続きをしていないと、店にある万引き対策のアレよろしく警報音が鳴り響くらしい。
このシステムにより「ステータス利用(G)」を持っていない人種以外の種族が街に出入り出来ないようになっているようだ。
また判定珠やシステムは例によって神によってもたらされた物なのだとか。
神便利すぎやろ……
門を通り抜けて周りを見回すと人、人、人、非常に活気に溢れている。
少し進むとゼクサスさん達が待ってくれているのが見える。
「すみません。お待たせしちゃって。」
「いいってことよ。坊主は危なっかしいところが多いから少しくらい世話見てやろうと思ってな。」
「はあ。この男の世話焼き好きは困ったもんだね。」
「別に悪いことじゃあるめえしいいじゃねえか。そうしとくといつか自分に返って来るってもんよ」
「アンタの場合そう言って後輩に酒を奢らせてるだけじゃないか、全く……」
なんて痴話喧嘩じみたやりとりを眺めつつ通りを歩いていくと他の建物より一回りか二回りほど大きい三階建ての建物の前で立ち止まる。
「ここが俺たち冒険者が所属する冒険者ギルドだ、平民なら割と誰でも登録してる。登録費がタダなんでな。」
「何でそんなに登録するんです?」
「どこにでも判定珠があるってわけじゃないだろう?そんなときの簡単な身分証明に使えるのさ。」
「と、いうわけで取り合えず登録しに行くぞ」
入り口はドアが開けっ放しになっており、中に入ると鎧を付けた大柄な男性や関節と胸くらいしか防具を身に着けていないように見える小弓と短剣をさげた女性などがおり賑わっていた。
「先程から若干視線を感じるんですが……」
「あー、そいつは俺たちのせいかもしれねえな」
「意外とアタシ達はこの街じゃ名が売れた冒険者なのさ」
なるほど、どうりで少し値踏みするような目なわけだ。
大方期待の新人とでも思われてるんだろうが……残念だったな!生憎俺はウルフにやられる凡人だぞ!
……悲しくなったからやめよう。
二十歳くらいの綺麗なスレンダー系の女性が座っている登録専用のカウンターへ向かう。
「すみません、登録をしたいのですが……」
「はい、ではそちらの判定珠へお手を……はい、ありがとうございます。ではこちらが仮のギルドカードとなります。」
「えっと、仮のですか?」
「はい、あちらにある依頼または入り口横にある掲示板に貼られた常時依頼を三件達成していただくことで本登録となります。」
「なるほど、ありがとうございます」
ここでも軽く礼を言ってからカウンターを離れ、入り口近くの掲示板の方へ足を向ける。
薬草の採取や薬の材料となる木の実の採取、鉱石の採取等のいつでも需要がある採取系の依頼が多いようだ。
他には強くないが多く発生しやすいウルフやゴブリンなどの討伐系の依頼も存在する。
このような魔獣や魔物の排除に積極的に取り組むように国から予算が出ているのだとか……
あとスライムは分解者の役割を果たすため異常発生のとき以外は倒す必要がないらしい。文字通りうまみも少ないし。
まあ、そんなことはどうでもよくて……やっぱり存在するんだ、ゴブリン。
ここで他のところで知り合いらしき人と話し込んでいたゼクサスさん達がこちらへ来る。
「普通の奴ならそこら辺の店で薬草を買ってきて本登録を完了させるんだが、無一文じゃ取りに行くほかあるめえな」
「ええ!そんなのってありなんですか!?」
「冒険者は本登録ができる、ギルドと店は差分で儲かる、全く問題ないさね」
「ま、暗黙の了解ってやつだな」
なるほど……ってまた俺はあの森に行って採取をしてこなきゃいけないのか……
「そんな顔すんなって、宿代もないんじゃ今晩野宿だぞ?」
「あ、すっかり忘れてた……よし、それじゃ行って来ますね」
「おう、気をつけていけよ」
ゼクサスさんの予備の、といっても前に使っていたものらしいが、防具と軽めの剣を借り、ギルドに貼り出してあった簡易地図に書いてあった方へ踏み出すのであった。
「……そういえば薬草依頼三回じゃ宿にも泊まれなく無いかい?」
「あ、そういやあそうだな。まあ、大丈夫だろ、ハッハッハ!」
「全く適当だね……まあ、いいか、ほら一杯やるんだろう?早く行くよ」
「お、付き合ってくれんのか?よし、じゃあ今日は――」
話数が増えてきたので矛盾しないような記述をするのが大変……
ミスしたときのために先に謝っておきますね、ごめんなさい。