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説明と街人発見

前話にて「加速(F)」となっていましたが都合上「加速(G)」に変更しました。(修正済み)

重ねて恐らくこんな感じの改稿が多くなると思うので多めに見ていただけるとありがたいです。


 あらすじ:三十六計逃げるに如かず


 ・・・・・・・・


 飛び掛かってて来た時の隙をみて即逃げだしたロトであったが、如何せん林の中であるため地の利はウルフの方にあった。


「やばいやばいやばい、これはやばいって!」


 ただでさえ高い敏捷値がある上、スキルと木々をものともしない走りで逃げ回るロトとの距離を徐々に詰めていくウルフ。

 数秒後、攻撃の射程圏内にロトを捉えたのかウルフが飛び掛かってきた。


「ちょっ……!」


 絶体絶命かと思われたその瞬間、どこからともなく飛来した矢に音もなく首元を射抜かれウルフの一体が狩りから脱落する。

 残った一体は一瞬減速したが警戒したのか方向を変え、逃げ出していった。


「はあ、はあ……っ助かったぁ〜」


 命がけの全力疾走の疲れと安堵のためその場に座り込んでしまうロト。


 その時再び複数の足音が近くから聞こえてくる。


 すわ、ここまでか、と思い身を固くしたロトだが先程の矢のことを思い出し足音の方向を見やると二人の男女が立っていた。


「坊主、大丈夫だったか?」


 坊主と言われる程幼くないんだがな、とか言葉は通じるんだな、などと頭に来るような嬉しいような微妙な感情になりつつ、話しかけてきた男の姿を見るとなるほどこれは確かに坊主と呼ばれた事に少し納得してしまう。


 四十歳ほどであろうか、180センチを超える長身に肩幅はプロレスラーを彷彿とさせるほど広く、全身がかなり日に焼け、顔は結構な強面だ。

 また、腰には狭い森での取り回しを重視したのか腕の長さ位の剣を下げている。


「え、えぇ……お陰様で助かりました……」


「ハハハ、礼ならこいつにいってやんな」


 男がそう言った途端、女が男の頭を平手で叩きこっちに近づいてくる。


 うわあ……結構痛そうな音がしたぞ……


「ったくこいつとは何だい全く……アタシの名前はフィエルさ、ところでアンタどうしてこんな魔獣が出るとこに居るんだい?」


 さっきのウルフは魔獣っていうのか……

 というかマズい、確かに今の俺は怪しすぎる……言い訳を考えておくべきだったか、と若干後悔しつつ物語ではよくある理由を口にする。


「えっと、遠くの国から旅してきまして……」


「……ふうん、こんな装備でかい? ま、訳ありらしいし追及はしないけどね」


 流石に怪しすぎる言い訳だったかな、と少し反省しつつ、フィエルと名乗った女性を観察する。

 身長は170センチ辺りで俺より少し低い程度だ、装備は背中に弓を掛け矢筒を背負っている。

 見た目は三十歳程でいかにも姉御あねごと呼ばれていそうな雰囲気を出している。


 ここで我に返り、二人のステータスを意識してみる。



 名前:ゼクサス

 種族:ヒューマン

 年齢:34

 職業:剣士

 状態:良好

 レベル:35


 体力:428

 魔力:87

 敏捷:323

 器用:227

 精神:381

 幸運:110


 スキル:剣術(C) 飛斬(D) 身体強化(E) ステータス利用(G)




 名前:フィエル

 種族:ヒューマン

 年齢:32

 職業:狩人

 状態:良好

 レベル:31


 体力:324

 魔力:127

 敏捷:385

 器用:372

 精神:328

 幸運:107


 スキル:弓術(D) 気配探知(E) 身体強化(E) ステータス利用(G) 



 おっさんはゼクサスさんっていうのか、って三十四歳って嘘だろ!?

 どんだけ老け顔なんだよ……

 ていうか二人ともステータス利用(G)を持ってる……これ俺の存在意義薄くなってないか?


 ロトが一人で考え込んでいるとゼクサスから声がかかる。


「俺はゼクサスってんだ。坊主の名前は何だ?」


「ああ、れ……ロトです」


 危うく蓮と名乗りそうになったがこの世界ではステータスを見る限り自分の名前はロトになっているようなのでそう名乗る。

 一瞬の逡巡はバレなかったようだ。


「ロトね、あんまり聞かない名前だな?」


「ええ、ちょっと遠くから来たもので」


 嘘は言っていない。


「そしたらロト?これからどうするさね?」


「え、どうするって……」


「その恰好じゃまともに街にすら辿り着けねえだろ、逆に今までよくそれで生きてたな、ハハハ」


「う、運が良かったんですかね、ア、アハハハハ……」


 笑えねえええ!そんなに危険なとこなのかここは……!

 一歩間違えれば死んでたぞ俺……生きてることに感謝……


「はあ、仕方ないね。今日はここまでにしてロト連れて早めに街へ帰るさね」


「ほ、本当ですか!ありがとうございます」


「ああ、別に礼はいらん。今日は割と大猟だったんでな。早く帰って一杯やろうかと思ってたんだよ」


 そんなことを言いながらゼクサスさんは先程仕留めたウルフを背中に背負っていたリュックサックに入れていく。

 だが明らかにサイズ感がおかしい。

 ウルフを入れればいっぱいになりそうなリュックだが全く膨らむ様子がないのだ。


 不思議に思い、そのリュックに注目してみる。


『マジックバッグ:中の空間が一立方メートルまで広がったリュック型マジックバッグ。価値C』


 なるほど、物語では定番の代物だな


「ほらっ、ぼさっとしてないでさっさと行くぞ」


「あ、はい、今行きます」



 ・・・・・・・・



「ホントにお前は常識を知らねえんだな」


「アハハ、かなり遠くから来たもので常識が通じないようでして……あまり教えてもらわなかったのもありますが」


 街へ向かう途中この世界の事について二人に話を聞いていた。


 いくつか分かったことがある。

 まずこの世界の名前はアルカス、現在俺がいる国はランブルク王国で三大国のうちの一つらしい、他の二つはアルミュンデ王国とフェルツェン帝国というらしい。

 昔は少しいざこざがあったらしいが、今は割と平和で国交もそれなりにあるらしい。


 あとは金銭について単位はフォン、価値的にはほぼ円と等価らしい。

 また貨幣は石貨<大石貨<銅貨<大銅貨<銀貨<大銀貨<金貨<大金貨<聖金貨となり、右に行くにつれ価値が十倍になっていくらしい。

 さらに貨幣は古代に神が与えたもうた物とされ、素材のわりに何故か軽くできており壊せず偽造も不可能、なので信用度が落ちるはずも無く有史を見る限りほとんど価値が不動らしい。

 以上の理由で世界中で同じ貨幣が使用できるのだとか。


 そんな感じで神がいるとされるこのアルカスでは意外なことに宗教はあまり活発ではなく、祭りのときに祝詞を捧げたりする程度だとか。

 神が微妙に身近なので元の世界でいう芸能人のスターみたいな感覚のようだ。それこそスターのファンクラブみたいな感覚で誰推しかを日々論じているのだろう。(適当)


 また最も気になるスキルの事だがヒューマン(本当は獣人等含む人種全体らしい)の固有スキルとして「ステータス利用(G)」が存在しているらしい。よく聞いてみると「ステータス利用(G)」では自分のステータスのみ脳裏に浮かび、閲覧が可能で他には何もできないとのこと。


 しかし稀に固有スキルのランクが高い場合があるらしく、その場合大変重用されるらしい。というか大体が若い時に発覚するので強制的に王都に連れていかれ厳しい教育がなされるらしい。

 というのも固有スキルのランクが高いものは歴史的に見て大事を成し遂げる者になりやすいのだとか。


 この話を聞いた瞬間俺に浮かんだのは「勘弁してくれ」の一言だった。

 もし俺がランクSSSの種族固有スキルを持っているとバレれば一生国に縛られる可能性だってある。

 俺はこの世界で自由に自分のやりたいことをやって生きていきたいのだ。(まだまだそれほどの実力はないが……)


 こうして俺は自分のスキル、能力をむやみに開示しないようにしようと心に誓った。

ロトくんの方針が固まってまいりました。

説明読み辛かったらすみません。


次回街に入っていろいろします。

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