表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/202

GパニックⅥ

「開けるぞ・・・?せーのっ!!!」


ガチャ!!!


ザザザザザザザザザザザザ



封鎖していた扉を開けた瞬間、廊下から大量のG軍団が襲い掛かってくる


「ちょっ、ふーちゃん!?何アレ何あれ!?!?戦うの、霊じゃないの!?何なのあの数のゴキ______」


「ハルカ、黙って。うるさいの。さっさと蹴散らすの。」


パニックになるハルカをスルーして、ふーちゃんが青い炎と共に例の日本刀を出現させ、瞬時にハルカの肉体へと自らの霊体を憑依する。


「奥義_______『青龍牙(アオキバ)』っ!!!!」


日本刀が纏う青い炎の量が、みるみるうちに『青い龍』の形へと変形する。そしてその鋭い牙を立てながらG軍団へと体を唸らせながら突進していく


グォォォォォォォ!!!!


低い唸り声とともにG軍団と衝突する青い龍。そのまま通過して、一見効果は無いように思えたが、辺りに漂っていた白い霧は一気に晴れた。すると、統率の取れた動きで群をなしていたGたちが一斉に散らばり、部屋の外へと散らばっていった。


「やった!やっぱり、あいつら霊力で操られてたんだ!」


「すごいのです!あの青い龍!かっこいいのですっ」


喜ぶ幽霊とはしゃぐ悪霊


「______霊力での攻撃が効くなら、こっちのもの。私の炎で、奴らを焼き尽くしてやる。」


さっきまでの怯え切った様子とはうって変わって、殺る気満々になったハルカ(inふーちゃん)。初めから霊力攻撃が効くと分かってたら、あそこまで怯えることは無かっただろう。その鬱憤を晴らすがごとく、次々にGを薙ぎ払っていく


「よし、その調子だ!!・・・おかげで脱出経路も開けてきた。幽霊、悪霊、俺たちは上の階に行くぞっ」


ハルカ(inふーちゃん)が廊下を塞いでいたG軍団を薙ぎ払って作った道を突っ切り、急いで上の階の部屋を目指す。俺たちの予想が当たっていれば、十中八九今回の騒動の原因は、『あの女』だ。


ガチャ!!


ドアノブに手を掛けると、鍵はかかっていない様子。問答無用で、勢いよく扉を開ける


「______あっ、お客さーん!!お久しぶりですーーっ!!挨拶しにいこうと思ってたんですよ。」


「やっぱりあんたか・・・青葉(あおば)さん・・・!!っていうか、その『お客さん』って呼ぶの止めろ。なんか嫌だわ。」


段ボールが積ま、まだ引っ越しの片づけが終わっていない部屋の中にいた上の階の住人は先日の旅館・天獄荘の元仲居、青葉だった。


「・・・幽霊、悪霊。こいつをひっ捕らえろ。」


「了解っ!!」「なのです!!」


こうやって青葉を拘束するの、すごいデジャブを感じる・・・


_______________________


「・・・それで?この女が今回の騒動なの?今すぐ始末するの。」


再び日本刀を出現させ、青葉に斬りかかろうとするふーちゃん

青葉を拘束した後、さっきまであんなにいたGの姿は見えなくなった。どうやら、青葉の『白い霧』の能力が切れたらしい


「まぁ、待て、ふーちゃん。青葉、なんであんたがこのマンションにいるんだよ。んで、何でゴキ○リ操ってんだ?お前の趣味は、白い霧で他人を発情させることだろ、いつから蟲使いになったんだ?」


「いやー、それがですね・・・。」


事情を語る青葉。彼女曰く、今回の騒動の全貌はこうだ。


天獄荘での事件の後、女将は青葉を旅館から追放しようとした。しかし、こんな危険な人物を簡単に世に放つのも、世間に迷惑が掛かる。そこで女将は、宿泊者名簿に書いてあった、俺の住むマンションに青葉を追放することを考えたのだ。・・・なんて迷惑な話だ。


「これが、女将からお客さん宛の手紙です。」


「どれどれ・・・『お主の近くなら、青葉も悪さをせんじゃろう。よろしく頼む。』・・・あのクソババぁ、面倒だからって俺に押し付けやがったな・・・!?」


そして、悪さをしないだろうという女将の楽観的な予想をまんまと裏切り、引っ越し早々再び白い霧を使って下の階に住む俺たちを発情させようとしたところ、誤って霧がゴキ○リにかかってしまった。霧の効果で発情したGたちは繁殖を繰り返し、その数を生物学的にありえないスピードで増やしていき、今回の騒ぎになってしまった、ということらしい。


「ほんと、制御出来なくて困っちゃいましたよ。めっちゃG増えるし、制御できないし。さすがの私も、虫が発情してるのを見るのはちょっと守備範囲外ですねー!wいやぁ、でも助かりました。今度はちゃんと、お客さんに仕掛けますね!あ、そちらのお隣さんもご一緒にどうですか?わたし、そのクールな子が発情してるの、めっちゃ見たい・・・!」


青葉の相変わらずの変態ぶりに、困惑した様子で俺の方を見るふーちゃん

こうして、とんでもない変態が俺たちのマンションの住人の一員となってしまったのだった

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ