GパニックⅣ
「ん・・・ちょっと落ち着いたの。ありがとなの。」
少し落ち着きを取り戻した様子のふーちゃん
「良かった。それで、このハルカは気絶してるだけだよな?何が起こったんだ?」
「_____ハルカとお昼ご飯食べてたの。そしたら・・・黒い・・・影・・・壁一面に・・・・。」
その時の恐怖を思い出したのか、みるみるうちにふーちゃんの顔が真っ青になっていく
「壁・・・一面って・・・。マジ?」
「いやいや、幽霊さん。流石にそれはあり得ないのです!・・・ですよね?」
顔を見合わせる幽霊と悪霊。壁一面となると、その数は数匹レベルでは収まらない。最低でも数十匹、いや数百匹はいくだろう・・・その光景を想像しただけでもう帰りたくなる。だが、そんな数の『G』だ。遅かれ早かれ、うちにもやって来るに違いない。
「そんなにいるのか・・・だが、ぱっと見ここ玄関からは特に奴らの姿は見えないぞ?」
ふるふると顔を横に振るふーちゃん。震える指先で、廊下の奥の影を指す
「いるの・・・よく見て・・・影が蠢いているの・・・。」
「えっ、影って_____________」
ガサガサガサガサガサガサ
「ヒッ・・・・い、いるのですぅ・・・いるのですぅ、ご主人さまぁ・・・・!!!」
「も、もはやヤバすぎて悲鳴すら出ないんです・・・け・・・ど・・・・!!」
悪霊と幽霊も『奴ら』を見つけたようだ。この家に入った時からある違和感があった。そう、昼間なのに暗過ぎるんだ。その原因は、影となって廊下の壁を這い回るおびただしい数の『G』________
ガサガサガサガサ!!!!!!
「うわああああああああああああああ!!!めっちゃいる!!めっちゃいる!!一旦、外に避難するぞ!!これはやば________ぬわぁっ!!?」
部屋を脱出する間もなく、『G』軍団は俺たちの背後へと高速移動してきた
「ぬわああああ!!!後ろ!後ろにいっぱい!!」「もう帰りだいよぉぁ!!!」
「落ち着け!!こうなったらリビングへ行くぞ!気絶しているハルカは俺が抱える!行くぞ!!」
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「はぁ・・・!!はぁ・・・!はぁ・・・!!何とか、隔離できた・・・。」
リビングと廊下を繋ぐ扉の隙間をガムテープで封鎖し、なんとかリビングに安全地帯を作ることに成功した
「ね?分かったでしょ?・・・いっぱい、いるの。」
「『ね?』じゃないよ、ふーちゃん!!わたしたち、ここに閉じ込められちゃったも同然だよ!!」
半泣きになりながらふーちゃんに詰め寄る幽霊
「おーい・・・お前ら喧嘩すんなって。いいか幽霊、よく考えろ?あれだけの数の『G』だ。いつ俺らの部屋に来てもおかしくないんだ。ここで奴らを駆除しないといけねぇんだよ。あ、言っとくが霊体化すんの禁止だからな。」
「えぇっ!?・・・そんなのないよぉ・・・・。あれ?悪霊、どうしたの?さっきから黙っちゃって。」
真剣な表情で何かを考えこんでいる悪霊
「いえ・・・さっきはパニックで気付かなかったのですが・・・あの『G』軍団、微かですが『霊力』の干渉を感じるのです。信じがたいのですが・・・。」
「え、霊力?流石に昆虫の霊は存在しないだろ・・・ってことは、誰かが霊力で操っている?そんなこと出来るのか?どう思う?ふーちゃん。」
「分からないの・・・・でも、確かに霊力の反応が感じるの・・・もしも、奴らが霊力の干渉を受けているのなら_______こっちも霊力で対抗できるかもなの・・・!!」




