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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第1章 出会い編
9/202

唐揚げ

「はあ・・・疲れた。」


今日は朝から夜までバイト漬けの一日だった。くっそ、あのクソ後輩JK、シフトを急に休みやがって。おかげで俺が被害を受ける結果になった。


「今日は飯食って風呂入って即寝よ。間違ってもテレビは点けないようにせねば。あいつらに付き合う気力はもう残っていない・・・。」


昨日、幽霊に加えて悪霊という新たな霊に憑りつかれたせいで、いよいよテレビを点けるのを控えないといけなくなってしまった。


時刻はすでに11時を回っており、空腹と眠気は限界に近づいている。


ガチャ


無言でドアを開ける。ん?明かりがついている?消し忘れか?


「あっ、お帰りなさいなのです!ご主人さま!遅かったですね!」


「ただいm・・・は?」


「お腹すきました!夕飯はなんですか?」


「悪霊・・・なんでテレビ点いてないのに部屋にいるんだ・・・?」


「えっ普通に出入りできますよ?テレビ自体に憑りついているので、点いているかどうかは関係ないようです。」


「・・・(絶句)」


「今まであのDVDから動けなかったのですが、この部屋に来てから、あらゆる物に自在に憑りついたり、自分の体を具現化できるようになりました!」


「なにそのチート設定。」


「まあいいじゃないですか。それより早くご飯にしましょう。体を具現化出来るようになってから、空腹を感じるようになったので困ってます。」


「普通は料理作って俺の帰りを待つのがテンプレじゃないんですかねぇ。」


「今日一日で、電子レンジはマスターしましたよ。」


まずい。非常にまずい。どうやらこの悪霊ちゃん、あの幽霊ちゃんよりレベル(?)が上っぽい。

俺の部屋に制限なしで出現できるとか、もはや同居人じゃん。ルームシェアじゃん。悪霊の名は伊達じゃない。


「ところであの幽霊さんは何処にいるのですか?一日部屋にいたのですが、一回も現れませんでしたよ?」


「あぁ、あいつはテレビが点いてないと出てこれないんだよ。」


「そうなのですか!そういえば今日は電子レンジに夢中でテレビは点けてなかったです!」


「どんだけ電子レンジ好きなんだよ。」


「じゃあ早速幽霊さんを呼びましょう。」


「待t」


止める間もなくテレビの電源を入れる悪霊ちゃん。一瞬民放が流れたが、すぐさま画面から出てくる幽霊ちゃん。


「うええええええん、やっとテレビが点いたよおおおお・・・って悪霊!?なんであんたがいるのよ!・・・まさか・・・あなたたち、そういう関係だったの・・・?私というものがありながら!」


うるさい黙れ近所迷惑だ・・・などと言いたいことはたくさんあるが、怒る気力が残っていない。


「こんばんわ、幽霊さんっ!これから晩御飯なので一緒に食べましょう!」


「えっごはん!食べる!」


切り替え早すぎだろこいつ。


「晩御飯なに買ってきたのー?あっ、唐揚げだ!」


「私お茶用意しますね!ご主人さまは、早く手を洗ってきてください。」


「唐揚げ一個もーらいっ!」


「あ!幽霊さんずるいです!」


俺のから揚げが一個ずつ減っていく・・・。


だめだこいつら。早くなんとかしないと。



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