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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第6章 解呪編
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解呪Ⅱ

女将に案内され、旅館の離れにある小部屋に入る。部屋の壁にはお札がびっしりと貼られており、異様な雰囲気を放っていた。棚には、なんだかよくわからないが、呪いを解くために必要と思われる小道具も並んでいる。


「うわー・・・なんだかそれっぽいですね。急に雰囲気出てきた・・・。」


「あ、言っておくが、ここにあるものは全て飾りじゃぞ?ただのガラクタじゃわい。」


「えっ」


にやりと笑みを浮かべる女将


「こういうのは雰囲気だけでも大事なんじゃ。そうでもせんと、ちゃんと解呪出来たのか疑う客も中にはおるからのぅ。・・・そんな疑う目で見るな、ワシの腕は本物じゃ。」


「ここまできて実は詐欺でした、とかはやめてくださいよ?ほんと。」


たしか解呪するためには、その条件としてこの旅館の露天風呂に入り、料理を食べ一泊すること、と言ってたっけ。その仕上げにまだ何か必要らしい。


「この旅館は、ある種のパワースポットのようなところでの。露天風呂に入るといった一連の行動は、この地の力を借りる為の前条件なんじゃ。それがないと、ワシのみの力では解呪出来ぬ・・・まぁ、難しい話はよかろう。さっそく始めるぞい。」


そう話すと女将は、俺の肩に手を置いた


ズッ______ズズズズズズズ・・・・・


「げ、な、何だこれ・・・!!」


女将が手を置いた俺の肩から、今度は何か禍々しい黒い液体のようなものが溢れ出す。服が濡れるような感触は無いが、かなり『それ』は気持ち悪い。おそらくこれが双子が俺にかけた『呪い』だろう


「ほぅ、お主にはこれが視えるのか・・・それにしても、これはまた随分と禍々しい呪いをかけられたのぅ・・・術者も相当な手練れのようじゃ。お主、一体何をやらかした?」


「いやー・・・はははは・・・。」


脳裏に浮かぶ、双子へのセクハラ行為・・・。いやあれは事故だって。どんだけ恨んでんのあの双子・・・

数十秒後、溢れ出る黒い液体は消え、あっさりと俺にかけられた死の呪いは解除された


「ふぅー・・・これで終わったぞい。あ、たぶんじゃが、解呪されたことはこの呪いをかけた本人にもバレとるぞ。しばらくは用心するのじゃ。」


「あ、ありがとうございます!!マジで助かりました!」


自分たちがかけた呪いが解呪されたと分かれば、あの双子がまた来るかもしれない。今度は呪いではなく実際に殺しに・・・いや、とにかく今は無事呪いが解けたことを喜ぶとしよう。


_____________


旅館の母屋に戻ると、心配そうな表情を浮かべる幽霊と悪霊が出迎えてくれた


「だ、大丈夫だった?・・・ちゃんと呪い解けた?」


「ご主人さま、もう死ななくていいんですよね?呪いとやらは解けたんですよね?」


こいつらなりに、俺のことを結構心配してくれてたらしい。くそ、ちょっと嬉しいじゃねーかこの野郎。


「おう、もう大丈夫だそうだ。ありがとな二人とも、心配かけちまって。」


くしゃくしゃと二人の頭を撫でる


「ちょ、何勝手に頭触ってんの・・・や、やめてって・・・」


「うぅー・・・くすぐったいのです。。」


女将曰く、今回の騒動の犯人である青葉は今日中にでもこの旅館から追い出すらしい。あんな霊力を使う人間を不特定多数の男女が集まる旅館に置いておくのは危険だ。今後、青葉が反省して心を改める・・・なんてことは考えらえれない。アレは生粋の変態だ。


「そんじゃ、我が家へ帰りますか!幽霊ー、悪霊ー。行くぞー。」


「「おー!!」」


________こうして俺たちは無事呪いも解除し、旅館を後にするのだった



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