表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第6章 解呪編
82/202

幽霊VS悪霊

「まずはこっちのターン!なのです!!」


宣言と同時に、近くに積まれた風呂桶に手をかざす悪霊。すると桶はカタカタと音を立てながらゆっくりと浮き、悪霊の周りをくるくると高速で浮遊し始めた。


「必殺!ポルターガイストッ!!喰らいやがれなのです!!」


浮遊する複数の桶が、一斉に幽霊目がけて襲い掛かる


「くっ_____だがこの程度の攻撃、この幽霊ちゃんがよけ切れないとでも!?」


ズガガガガガガ!!!!!


アクロバティックな動きで、飛んでくる桶を次々とかわす幽霊。桶は勢いよく壁や地面にぶつかりバラバラに割れる


「はぁはぁ・・・悪霊、なかなかやるじゃない・・・!!次はわたしのターン!おりゃああああああああ!!!」


桶の弾丸が尽きるのを見計らい、一直線に悪霊目がけて距離を詰め、拳を振りかざす幽霊


ズンッ___________!!


幽霊から放たれたパンチをギリギリで躱す悪霊。幽霊の拳は露天風呂の石の床を破壊するほどの威力で、めり込んだ拳の周囲にピキピキと深いヒビが入る。


「あ、危なかったのです・・・!幽霊さんこそ、『まぁまぁ』やりますね。次は悪霊のターンなのですっ」


激しく繰り返される幽霊と悪霊の攻撃の応酬______っていうか、なんなのこの状況。急にバトル物のアニメ並みのアクション始めちゃってるんですけど。そもそもこいつら、こんな戦闘慣れした動き出来たのかよ。いや、ありえねぇ。幽霊なんか、この前の廃病院での戦いのとき以上の動きしてるぞ?目で追いきれない。それに悪霊に至っては、さも当たり前かのように『ポルターガイスト』を使いこなしている。これも、俺の『能力』のせいなのか______?違う気がする・・・・。


「超ひっさつ!!!天空湯落としっ!!!」


「!?」


ドッバーーーーーーーンッッ!!!!


不意に頭上から大量の湯が降りかかり、あまりの水圧に吹っ飛ばされる

どうやら悪霊のポルターガイストの能力によって、温泉の湯を全て空高く浮かせ、一気に地上目がけて落としたようだ。当の幽霊は無傷のようだが、範囲攻撃の為、俺への被害は甚大だ。思いっきり口に湯が入りむせる。


「ゴホっ、ゴㇹッ、おいお前ら、いい加減にしろ・・・!この露天風呂ごとぶっ壊すつもりか!!」


「なっ・・・!!湯が全部・・・。これじゃあ一緒に温泉入れなくなるじゃん!!何やってるのよ悪霊!!もう許さないんだからね!!」


だめだ、全くもって俺の言葉が届く様子はなさそうだ。このままじゃ露天風呂どころかこの旅館ごと破壊しかねない。呪い以前に2人の戦闘に巻き込まれて死んでしまいそうだ。

明らかにこれは異常事態。旅館の人を呼びに行こうにも、そもそも仲居や従業員は客の区域に立ち入らせないように女将がしている。仮に誰かを呼べてもこの状況じゃケガをさせてしまうかもしれない。


「_____困った時は、あいつらに聞くしかない、か。」


飛び交う2人の攻撃をなんとか掻い潜り、脱衣所にたどり着く。急いで携帯を開き『彼女たち』の元へ電話を掛ける


「ガチャ・・・・・・・・・こんな時間に迷惑なの。死んでほしいの。ハルカはもう寝てるの。」


開口一番、悪態をつくその相手は、隣人ハルカの持ち霊ふーちゃん。こんな時、霊のことで頼りになるのはこの子しかいない。ハルカの方はアレだから頼りにならないが。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ