露天風呂Ⅱ
_____えぇっと・・・そう、状況整理。まずは状況整理だ。ここは間違いなく男風呂で、さっきまで俺だけしか入浴しておらず、貸し切り状態だったはず。だが現状、背後には全裸で抱き付いてくる悪霊と、湯船にはほろ酔い状態の幽霊の姿が。100歩譲って、こいつら二人は霊だ。女湯から一瞬のうちに男湯にワープしてきても、まぁおかしくはない。明らかにおかしいのは______
「ご主人さまぁ・・・悪霊とじゃ、嫌ですか?温泉一緒に入りたいのです・・・。」
がっちりと後ろから抱き付いてきて、離そうとしない悪霊。実体化モードなので、その感触は生身の人間と何ら変わらない。いくら年下とはいえ、女の子から裸で抱き付かれると、『やわらかい』『温かい』『なんかいい匂いする』この3つに頭の中が支配される。
「タイムッ!まじで離せって!お前自分で何してるか分かってんの!?ふ、服着ろとりあえず!!幽霊も見てないでこいつ剥がすの手伝って_____」
「はぁーやぁーくぅー!!こっちにきて早く湯に浸かってよっ!んで、この幽霊さまにお酌しなさいよぅー。」
バシャバシャと湯を叩きながら叫ぶ幽霊
「幽霊ぃ!!お前まで何やってんだよ!?ここ男湯だぞ?んで、その酒どっから持って来やがった!お前明らかに未成年だろ!」
「みせいねんー?ふははっー。幽霊ちゃんはこう見えて君よりも年上なんだぞー?死んだときから見た目は変わらない・・・ってそんなことはどうでもいいのっ、早くこっちきてお酌してよっ!!」
だめだ。完全に酔っぱらって、例の『怨霊さん』みたくなってやがる。これだから酔っ払いは・・・・
「と、とにかく。2人ともはやく脱衣所に______うわっ」
抱き付いて離れなかった悪霊が、今度は不意にそのまま押し倒すように俺を引っ張り、その場に倒れてしまう。上に悪霊、下に俺というやばい構図。っていうかこいつ、こんなに力強かったっけ?
「はぁ・・・はぁ・・・よいしょ、っと。ご主人さまぁ・・・悪霊もう我慢できないのです。」
俺の両腕を押さえつけ、顔を近づけてくる悪霊。 ロリっ子に無理やり貞操奪われる状況とか、どこのエロ同人だよ。悪霊の目もなんかヤバいし、それに力が強すぎて全く抵抗できない。悪霊の顔がどんどん近づいてきて、その距離10センチほど。吐息がもろ感じられる距離。
「ちょ______待っ・・」
やばい。なんだか俺の方も頭がクラクラしてきた。このまま勢いに任せて、なるようになれば______
「待ったぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」
「!?」
激しい水音とともに、湯船から勢いよく飛び出してきた幽霊
その叫び声に、失いかけていた正気を取り戻す。見ると、彼女の周りには先日の廃病院で見た時と同じ、赤いオーラが湯気のように出ている。明らかに戦闘態勢だ。しかし、たしか俺に触れながらじゃないと発動しないはずだが・・・?
「むぅー・・・・おい悪霊ぅ!さっきから黙って見てれば随分と勝手なことしちゃってるじゃん。この幽霊ちゃんがお仕置きしてあげるのだ・・・!!!」
ポキポキと拳を鳴らす幽霊
「いいでしょう幽霊さん!いい機会です、決着をつけるのです!!」
応戦する悪霊_______
何か知らんけど、幽霊と悪霊のバトルが勃発した模様。とりあえず2人とも服着てくれ、目のやり場に困る・・・




