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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第6章 解呪編
78/202

慢心

「厄介なもの・・・・とは?」


険しい表情で青葉が話を続ける


「えーっとですね・・・ちょっと・・・その・・・具体的な被害の内容は説明しにくいのですが、女将曰く、非常に厄介な霊に『居座られている』そうなのです。うちの女将は霊感はあるので、そういった類のものを視ることは出来るのですが、専門は『解呪』なので、除霊みたいなことは出来ないのです。私たち仲居や従業員も霊感があるものはいませんし・・・」


「___霊、ですか。」


やったぜ!と、心の中でガッツポーズをする。解呪が出来ない原因が、俺たちじゃあどうしようもない事だったら万策尽きてたが、まさか霊が原因とは。幽霊と悪霊にアイコンタクトを送ると、どうやら彼女たちも同じことを考えているらしい。自信満々の表情で頷いている。


「あの・・・ですのでお客様。今回の解呪はお断りさせていただくことに___」


「青葉さん。今、女将たちは隣の部屋で、その憑りつかれた霊のことについて会議しているんですよね?」


「えっ、そうですけど。ちょ、ちょっとお客様!?」


ガチャ


青葉の制止を振り切り、会議室のドアを開ける。中には、先ほどの女将と数名の従業員と仲居の姿があった。皆驚いた表情でこちらを見ている。


「おやぁー?お主はさっきの若造じゃないか。どうしたのじゃ?うちの青葉は嫁にやらんぞ?w」


女将がニヤニヤしながら尋ねてくる


「ちっ、違いますよ!!えっと、青葉さんから話は聞きました。この旅館の騒動、俺がなんとかしてみます!!憑りついた霊を除霊して見せましょう!!」


「「「!?」」」


「女将、この方は誰ですか?どなたか存じ上げませんが、関係ない方を巻き込むわけにはいきません。それに、一体なにが目的でそんなことを____?」


怪しげな目をしながら、初老の割烹着を着た男性が訪ねてくる。ここの旅館の料理長、といった雰囲気だ。


「女将とはさっき、旅館の表で会いました。その時話したのですが、俺は今呪われていて、あと2日ほどの命なんです!だから、女将の『解呪』がどうしても必要なんです!なので、憑りついた霊のせいでここに泊まれないなら、俺がなんとかしてみます!」


「なるほどのぅ。たしかに、お主は珍しく、霊を従えることが出来る人間のようじゃ。その2人の娘の霊がその証拠・・・。よし!若造よ、やってみるがよい!!特別に宿代はタダにしてやろう!もちろん解呪の依頼も受けるとしよう。」


「よっしゃぁ!!」


最近の戦いで、うちの幽霊と悪霊も随分とパワーアップ(?)した。その辺の野良霊の一体や二体、何とかなるだろう。


「料理長!!わしにしか視えておらぬから言っておくが、この若造は連れに霊がおるのじゃ。料理は3人前で頼むぞ。それと若造よ、ここに寝泊まりする間の身の回りの世話は、すまんが自分でやってくれ。夕飯だけはわしが運びに行ってやる。うちの仲居や従業員を危険な目に合わせたくはないからな。」


徹底して、霊が居座っているエリアには人を立ち寄らせたくはないらしい。それほど危険な霊なのか?一抹の不安がよぎるが、もう後戻りはできない。


「やったーーー!!旅館のご馳走!!」


「はやく部屋に行ってみましょう!ご主人さま!!」


はしゃぐ幽霊と悪霊

まぁ、なんとかなるだろ。せっかくだし、俺も高級旅館を楽しむとするか。サクッと除霊してさっさと解呪してもらう。


_______俺たちはまだ気づいていない。この旅館に憑りついた霊のヤバさを。

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