呪い 解き方 簡単
「えーっと・・・『呪い 解き方 簡単』っと。」
カタタタ・・・ッターン!
早速自宅に戻り、パソコンを開いてグー〇ル先生の検索エンジンを駆使する幽霊。後ろから俺と悪霊が画面を覗く
「あまりにも検索ワードが安直すぎやしないか・・・?」
「こういうのはあんまり複雑なのはかえって良くないの!まぁ、この幽霊さまの検索テクを信じなさいっ。ほら、言ってるそばから検索結果がこんなに!どれどれ・・・・」
【呪われました。助けてください!】
【あなたにもできる!呪いのかけ方解き方】
_____etc
「う、うーむ・・・見た感じ、『これ』って感じのものはないですねご主人さま。」
悪霊が困った表情を浮かべながら呟く
「ほとんどが、質問サイトでの質問だなー。あとは、まとめサイトとか・・・あぁ、呪いで検索したらゲーム攻略サイトにも引っかかるのか___この、フリマサイトの【呪い 状態・・・良】ってなんだよ。呪いまで売ってんのか・・・ってか状態良って、状態が良くない呪いって何だよ。」
「むぅー・・・とりあえず、このまとめサイトに載ってる解除方法を片っ端から試そうよ。ほら、数撃てば当たるっていうし!」
「片っ端からって・・・ぜったい時間の無駄な気がするんですけど・・・。まぁ、他に方法もないし、しゃーない!お前ら手伝ってくれ!」
「「おーっ!!!」」
____________
3時間後。部屋には、蠟燭やら塩やら藁人形など、サイトに載っていた様々な呪い解除グッズが散乱していた。結果は予想通り失敗。やはりネットの情報など当てになるものではなかった。ちなみに、どうやって成功したか否かを確認したかというと、一つの方法を試すたびに、sk〇peのビデオ通話でふーちゃんに確認してもらった。直接会わなくとも、画面越しでも呪いにかかっているのは分かるらしい。どんなふうに見えているのか聞いてみたところ、『あなたの首をガッチリ絞めている女の手が見えてるの。』とのこと。聞くんじゃなかった・・・
「詰み、かな。」
「おい幽霊ぃ!!簡単に『詰み、かな。』とか言わないでくれよ!もうあと60時間ちょっとだぞ!?あぁ・・・なんか自分で言ってて泣けてきた・・・。」
俺の命もあと2日と半日か。長かったようで短い・・・いや短いな。なんとも儚い人生だった。会うのは嫌だが、最後にあのクソ家族に連絡でも取ってみるか______
「あっ!ご主人さま!!これどうですか!?当たりっぽくないですか!?」
ずっとネット検索を続けていた悪霊が、歓喜の声を上げる
「どーせまたインチキサイトだろ・・・また藁人形持ちながら部屋の中で不思議な踊りするの嫌だぞ・・・。」
「違いますよっ、旅館です!りょ・か・ん!」
「旅館____?」
旅館とは。一見、呪いとは全く関連性がないワードに首を傾げながら、幽霊と共に悪霊が開いているホームページを覗く
【旅館 天獄荘】
サイトにはこじんまりとしながらも、かなり高級そうな旅館の画像が映っていた。サイト自体は、旅行会社やこの旅館の経営者が作ったものではなく、個人のブロガーが作ったもののようだ
「名前からしてヤバそうな旅館だな・・・」
「重要なのはここです!、『この旅館の老女将に、元カノにかけられた呪いを解いてもらった。マジで本物。』」
どうやら、この旅館に行ったブロガーは元カノに呪いを掛けられていたらしい。それを女将に解除してもらったとか。記事の下のコメント欄には、同じように呪いに困っていた人たちがこの旅館に泊まって、解除してもらったというコメントが多数あった
【本当に助かった!!女将まじでやべー】
【女将、神。】
【ご飯もおいしかった。温泉も良かった。料金高いけど。】
「ここ!!ねぇ、ここにしよ!絶対っ、ここ!」
「幽霊、お前ぜったい『温泉』『ご飯』このワードに釣られたろ・・・まぁ、コメント見る限り、まとめサイトよりかは信用できそうだな。・・・よし、行くかっ!!」
「「おーっ!!」」




