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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第5章 双子編
73/202

決着と呪い

「来るってなにが_____」


ガシャーン!!!!!!!!


アリサの叫び声の直後、近くの窓が派手に割れる音が廊下に響く。同時に何か複数の足音が。


「おらあああああーーーー!!!また会ったな!!あの時の復讐だーッ!!!」


振り向くと、どこから湧いて出て来たのか、無数の犬、犬、犬。その中にもひと際、ありえないサイズに乗っている見たことある人影に、聞いた覚えのあるこのロリ声。


「あれは・・・ヌイ!?それに師匠も!やっぱり研究会の差し金だったか・・・!!」


「あれもにーちゃんの知り合い?ほんま、次から次へと変な知り合い連れて来るなぁ・・・。」


アリサが呆れ顔でつぶやく。やめてくれ、俺も好きで絡まれてるわけじゃないんだ・・・


「よう!お前ら、また会ったなぁ!今日はあの時のリベンジ・・・といきたいところだが残念ながら時間がねぇ!また今度だ。おい、双子!いつまでへばってやがる!作戦は中止だ、迎えに来てやったぞ!!」


「さあお前たち、行けぇえええ!!!」


ヌイの掛け声と共に、何十匹ものの犬霊が一気に雪崩れ込んでくる。姉を取り押さえていたカラオケ店の霊たちも、思わず拘束を解かざるを得ない


「くっ、せめてこの体は返さないのです!!___うっ・・・」


チェーンソーを振りかざし、襲い来る犬霊たちを追い払おうとする妹(in悪霊)であったが、急にひざから崩れ落ち、その場に倒れてしまう


「おい、悪霊!!大丈夫か!?」


【私の体から・・・出て行って_____!!!】


妹は、その一瞬の隙を見逃さなかった。瞬時に体の主導権を奪い返すと、あっという間に悪霊を体から追い出すことに成功した。


「よし!急いで離脱だ!化犬に乗れ!!」


どうやら師匠たちは、この場から早く離れたい様子だ。もしかしたら、前みたいに俺の能力の影響によって予想外の事態に陥るのを恐れているのかもしれない


「その、___」「前に。」


「えっ?」


一番近くにいた倒れている悪霊目がけて一気にチェーンソーを振り下ろす双子。とっさに足が動き、ダッシュで悪霊の前に向かう。この前の幽霊との廃病院の時といい、まじで何やってんだ、俺。


「かかったな、」「あなた、が目的。」


ザンッ!!!!!


双子の策略にあっさりかかったらしい。悪霊を攻撃しようとしたのはブラフで、目的は刃が届く範囲に確実に俺をおびき寄せ、呪殺電刃(ジグソウ)モードで俺を斬ること。


「あーあ、斬られてやんの!!うちらが倒すまでに死ぬんじゃねーぞ!まぁ、無理だろうけどな!じゃーなー!!」


ヌイが爆笑しているのが聞こえる。

化犬に乗り、双子を連れ走り去っていく師匠とヌイたち。その救出劇はあっという間のでき事だった


「ご主人さまぁあぁぁぁぁ!!大丈夫ですか!?この悪霊、一生の不覚なのです!!妹の体を奪われるどころか、ご主人さまに助けられるなんて・・・!!」


悪霊が泣きながら抱き着いてくる


「悪霊、お前はケガないか?つーか、ほいほいと双子の誘いに乗った俺の自業自得だよ。まぁ、ケガないなら良かったよ。」


ちょっと格好つけたセリフを言って強がってみたものの、内心冷や汗でびっしょりだ


「・・・・アリサ、一応聞くけど・・・俺、斬られたよな?」


「・・・せやな。バッサリと。しかも、呪い殺すやつでな。」


【【「呪殺電刃(ジグソウ)モード。妹の刃はね、」「斬った人を呪い殺す。ただそれだけ。」


「この刃に斬られたら、」「3日以内に死ぬ。」】】


双子のセリフが脳裏にはっきりと蘇ってくる_____俺、3日以内に死ぬっぽい。




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