激おこ
「はぁ・・・はぁ・・・あ!いた!やっと見つけた!!」
激しいチェーンソーの機械音と、悪霊とアリサの叫び声が聞こえる。部屋に急いで戻ったものの、2人の姿が見当たらず散々探し回ったが、どうやら違うフロアまで逃げ回っていたようだ。だが、絶体絶命。廊下の先には、壁際まで追い詰められている2人の姿が。
「うぅ・・・追い詰められたのです・・・」
「そんな物騒なもんおろして、楽しくおしゃべりしよや!!あっ、歌でもどうや?ここカラオケやし!」
2人の苦し紛れの命乞いには全く反応する気配は見せず、双子はためらいなく武器を振り下ろそうとしている
迷っている時間はない。咄嗟に頭に浮かんだことを試すしかない。
「おい双子ぉ!!こっち向けぇぇ!!!」
履いていた靴を思いっきり投げつける。
「むっ。後ろから、」「何か飛んで・・・」
一瞬の隙を作れれば十分。この絶体絶命の状況、前回の廃病院のとき幽霊が覚醒した状況と同じだ。『膨大な霊力を無尽蔵に供給できる』という俺の能力。幽霊には、『体に触れる』が発動条件だったが、自宅で悪霊に試したときは発動しなかった。でも、もしかしたら絶体絶命の状況じゃないと発動しないのかもしれない。
双子が突然背後から飛んできた靴にうろたえている隙に、双子と悪霊たちの間に割り込み、何とか悪霊かアリサに触れて、霊力の覚醒に期待するしかない。
「ご主人さま!!」
「にーちゃんやっと来てくれたんか!!」
「うおおおおおおおおおっ!!!・・・・っわ・・・ちょっ、」
ドンッ
絶体絶命のピンチにかっこよく登場・・・・と思ったのもつかの間。脚がもつれて、思いっきり双子にぶつかってしまう。
「いててて・・・・ん?何か柔らかいものが・・・ハッ!!!」
双子に後ろからぶつかり、そのまま華奢な体を押し倒してしまった____問題は、俺の手。思いっきり2人の胸を掴む感じになってしまっている。それも両手で片方ずつ。もはやハーレムラノベでも、今日日見ないような状況だ。見かけによらず結構大き____いや、事故。あくまでも事故だ。
「あっ、す、すみません!!こんな事するつもりじゃなかったん・・・です。ほ、ほら、お前らからも何か言ってくれよ!」
悪霊とアリサに助けを求めるが、二人ともゴミを見るような目で見てくる
「ご主人さま。しつぼうしました・・・助けに来てくれたと思ったのに・・・。」
「悪霊ちゃん、やから言うたやろ?この男はアカンって・・・。」
「いやいや!まじでこれは事故____ハッ!?」
ゴゴゴゴゴゴゴ・・・・
「いつまで、」「乗ってるの?」
「はい!すぐ退きます!!」
まずい。言い訳するのに頭がいっぱいで、まず双子の上から離れるのが先だった。アホか俺は。
双子は無表情だが、明らかに目がキレてる。当たり前だが、完全に怒らせてしまったようだ
「ちょっと!ご主人さまのせいですよ!めっちゃ怒ってるじゃないですか!」
「はよ、土下座でもして許してもらわんと、兄ちゃん殺されるで?」
「いや、あのチェーンソーはな、たぶん対霊専用武器っぽいぞ?さっき俺切られたけど何ともなかっ___」
「_____妹。」「分かってるわ。姉さま。」
突如、俺の言葉を遮るように双子の姉の方が妹に指示をする。妹は頷くと、チェーンソーの刃にゆっくりと手をかざす
ガチャンッ
ブォォォンッ!!!ブォォォンッ!!!
「モード切替。呪殺電刃モード。」
冷たい目をしながら妹がつぶやく
「あ、あれ?なんかヤバい気配が・・・。」
妹の持つチェーンソーは先ほどとは違い、禍々しいオーラを放っていた




