パーティールームの住人
「ちゃーらッ!へっちゃらーっ!胸がぱーちぱーちぃするーほどー騒ぐ元気玉ぁー!!スパーキング!!!」
7つの玉を集める某アニメのOPを熱唱する悪霊。音程?そんなもん知るか。
「どうですかご主人さま!!私の熱唱は!?もう、かめ〇め波撃てる勢いだったでしょ!」
「おー、良かったぞー。そろそろ音程も気にして欲しいけどな。」
カラオケ開始から約2時間経過。先ほどから果てしなく続いている悪霊のアニソンメドレーにも飽きてきたところだが、未だにこの部屋で異変は感じられない。このまま何も起こらなければ、俺たちはただ朝までカラオケを楽しんで終わってしまう。まぁそれはそれで別にいいのだが、悪霊は相当カラオケにハマったらしく、このまま音程の外れた歌を永遠と聞かされるのもさすがにきつい。
「おし、それじゃあそろそろ帰るか。もう十分歌ったろ。」
「えぇー!!ダメですよご主人さま!朝まで歌う約束じゃないですか。あっ、そうだ。次ご主人さまが歌ってください!まだ一曲も入れてないですよね?」
「いや、いまさら気を使ってもらわなくてもいいぞ。っておい、俺は歌わねーぞ。」
悪霊が無理やりマイクを握らせて来る
「よし!じゃあ何かデュエット歌いましょー!えっとー・・・何がいいかなー」
『『あぁー、まーたはじまったわ。うっざいバカップルのイチャイチャ。ホンマかなわんわー。ええ加減にして欲しいわっ』』
突如、室内に響く女の声。そして何故か関西弁。
「えっとー・・・どちらさまでしょうか。」
「うぅ、ご主人さま・・・怖いのです。」
悪霊が俺の背後に隠れるようにしがみつく。同時に、こんどははっきりと背後から聞こえる。
「あぁーーー!!もうそれ!そういう、いちいち密着するのがイラつくねん!」
振り向くと、ソファに足を組んで偉そうに座っている女の姿が。さっきまで俺たちが座っていたすぐ近くだ。もしかして、この2時間近くずっとそこにいたのか。
「お、なんやあんた、ウチのことが視えるんか?めずらしいなぁ。まあ、それは置いといて。兄ちゃんの彼女ずいぶん若ない?中学生くらいやろ?もしかして、ロリコンなん?きっしょいわー。」
さすが関西弁、よく喋る。改めて女を見てみる。上下スウェット姿で、まだ若い。よく深夜のカラオケ店で見るような不良少女だ。だが急に出現したところをみると、この関西弁の不良少女が噂のパーティールームに出る霊で間違いないだろう。
「うるせぇー。俺はロリコンじゃないしこいつは彼女じゃねーよ。」
「そうです!私とご主人さまはもっと深い絆で結ばれてるのです!!」
「悪霊ちゃん、そういう意味深な言い回しするのやめてくれないかな。」
アッハハハハ、と不良少女が手を叩きながら笑う
「なんや君らおもろいなぁー。こんな風に生きてる人とちゃんと話せるのも久しぶりやわ。ウチの名前は『アリサ』っていうねん。なぁなぁ、もっとお話ししていかへん?」




