青い炎
「こんなに多いのは久しぶり。大丈夫よね?ハルカ。」
「よゆーっ!久しぶりの戦闘だぜ!」
一瞬、笑みを浮かべると同時に、出現させた日本刀を掴むふーちゃん。すると、謎の青い炎と共にまるで日本刀に吸い込まれるように彼女の体が消えていく。そして、青い炎を纏った日本刀をハルカが掴む。
「3人とも、動かないで。」
「お、おう。」
青く光る眼で俺たちに指示するハルカは、もはや俺たちが知る彼女ではなく、まるでハルカの体をふーちゃんが操作しているかのようだ。
「ギャハハハハハ!!!!!」
何かを感じ取ったのか、霊たちが一斉に襲い掛かる。
「あぶな____」
ザンッ!!!!!!
何が起こったのか分からなかった。目に前には、青い炎に包まれ苦しそうにもがく霊たちと、その背後に立つハルカ。刀身を抜く瞬間すら確認することはできない。
「___あと、8匹。」
それからは、あっという間だった。俺たちには何が起きているにかさっぱり分からないまま、狂暴化した霊たちが倒れていく。分かるのは、高速で移動しているであろう彼女の風圧の音と、次々と舞い上がる青い炎のみ。『40秒で終わらせる』というのはどうやら本当だったようだ。あっという間に10数体の暴れる霊たちは一掃された。
「・・・ふう。」
ハルカがゆっくりと刀身を鞘に納めると、日本刀は青い炎と共に消え、かわりにふーちゃんが現れた。ハルカも、いつもの様子に戻る。
「ちょっと数が多かったけど、無事倒せて良かった。」
「どうよ!これが霊との戦い方よ!すごいでしょ!私たち!」
「すげええええええ!!!」「すごいのです!やばいのです!!」
キラキラした顔で答える幽霊と悪霊。2人の戦闘を見てすっかり興奮した様子だ。正直、俺もかなり驚いている。まさか霊との戦い方にああいうスタイルもあるとは。
「ふ、ふん!ちょっとは見直したようね。それじゃあ、さっそく決闘を___」
顔を赤くするハルカ。喋るのを遮るかのように、幽霊と悪霊の問いかけは続く。
「あっ、ああいうのは私たちとご主人さまは出来ないのですか!?悪霊やってみたいのです!」
「ちょ、やるなら私が先よ!」
「残念ながら、今のあなたたちじゃ無理ね。落ち着いて。それより____」
ふーちゃんが、いつもよりも更に険しい表情で俺を見つめる。
「な、なんだよ。」
「今回の騒動、たぶん、原因はあなたね。」
「今回の騒動、つまり野良霊が突然狂暴化した原因が・・・俺?」