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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第1章 出会い編
4/202

質問

「おっすー、元気にしてたかー?」


さも当たり前のことのようにテレビからわが家へ侵入してくる少女・幽霊ちゃん。


「・・・テレビ捨てようかな」


「や、やめろぉ!それだけはやめろぉ!」


こいつがうちに現れるのは今日で4回目。早くも俺は究極の対策法を思いついていた。そう、テレビをずっと点けないorテレビを捨てる、だ。テレビが唯一の侵入手段であるこいつにとって、もはやどうすることもできないだろう。


しかし・・・つい最近買い換えたテレビを捨てるのも、もったいない気がする。それにまた買い替えたところで、こいつが現れなくなるという保証はない。いったい何が原因でこのような現象が起きているのか。


「いいじゃんかよー、ちょっと遊ぶだけだからさー、・・・ダメ?」


上目遣いでこちらを見つめる幽霊。ちくしょう、一瞬かわいいと思ってしまった。女への耐性が皆無な俺には、この程度の攻撃にもクリティカルヒットしてしまうことが何とも情けない。


「_____ちょ、ちょっと可愛い声出したって無駄だぞ。俺は昨日の地獄のようなババ抜きを忘れていない。」


「だってー、キミ強いんだもん」


「てめーが壊滅的に弱すぎるんだよ・・・そんなことより、今日はお前にいくつか質問がある。」


「ふふーん。土下座してくれたら答えてあげないでもない!」


「さて、近くのリサイクルショップは今日開いてるかな?」


「すみませんでした。調子乗りました。なんでも答えます。」


最近の若い霊はみんなこんなに生意気なのか。まぁ、いい。今日は何とかいろいろと聞き出して、この現象の原因を突き止めねば。こうも易々と毎回我が家への侵入を許していては、プライベートなんか無いに等しい。


「まず、何歳よ。見たところ中高生っぽいが。」


「わかんない。」


「白装束きてるけど、死んでんの?」


「んー、たぶん死んでる。」


「どうやって画面の向こうから出て来てる?」


「んーとね、こう・・・ブワッと・・・?」


「やっぱりテレビは諦めるしかないのか・・・さてと、リサイクルショップの電話番号は何番だっけ。」


「わーーーっ!ほんとだよ!マジ!まじのまじでわかんないんです!仕組みなんて、考えたこともなかったし!」


・・・とてもこいつが嘘をついているように見えない。どうしよう。原因の『げ』の字も掴めない。

今分かっていることは、テレビが点いている間だけ俺の部屋に出入りできるということ。さらに、侵入出来るには一日一回の5分間だということ。


「ん?待てよ。あっちの井戸の中ではどうやって過ごしてんだ?」


「早く君んちのテレビが点くことを願いながら過ごしてる!」


「えっなにそれ怖いんですけど。ストーカーかよ。」


「だってー、暇すぎて死にそうなんだもん。」


「生きてるか死んでるかどっちなんだよ。」


その後、いくつか質問を繰り返してみたが謎は深まるばかりで、解決の糸口は見つかりそうもなかった。

この世に未練がある地縛霊とかを想像していたが、そんなありきたりな存在ではないらしい。アホの子のくせに。


「あっ、おかーさんが呼んでるっぽいから今日は帰るね。また明日なー」


「おーう。もう来るなよー。」


テレビの中の井戸へと消えていく少女の姿を見送る。


画面が民放に切り替わってから、彼女の発言の中のある違和感に気づく


「おかーさんってなんだよ!?親いんの!?テレビの中に!?」


彼女の謎は解けそうにない・・・


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