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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第1章 出会い編
2/202

今日は早朝から昼過ぎまでバイトがあった。


人と関わらない無意味な生活を送っていても、生きていく上で最低限の金は必要になる。


働かずに金を手に入れることが出来れば、おそらく俺は一歩も家から出ないだろう。しかし、実家に嫌気がさして飛び出したのは俺自身の責任だ。自分の面倒は自分で見なければならない。


「ふぃ~今日も疲れた。今は、2時過ぎか。ちょいと遅いが昼飯にするか。」


カップ麺に湯を注ぐ。こういう時インスタント食品は便利だ。最低限の準備で腹を満たせる


テレビを点ける。今日は土曜日なので、いつも見ている昼の報道番組は流れていない。バラエティ番組の再放送が流れている。


「あ、そういう言えば。昨日あの訳わからんのが出てきたのもこの時間帯だったな。」


あまりに意味不明過ぎてすっかり忘れていた。本当にあの現象はなんだったのだろう。


そもそもあの女の子は幽霊?だったのか?考えれば考えるほど、テレビに目が行ってしまう。


「うおっ!?」


その時、俺の心を読んだかのように画面に例のシーンが映し出される。そう、薄気味悪い井戸の映像だ。


「おいおい、またかよ。まじで勘弁してくれよ…。」


毎日昼過ぎになると、あの訳のわからん少女に不法侵入されてはたまったもんじゃない。

ひっ捕らえて、警察に不法侵入で突き出すか?そんなことをすれば、逆に俺が未成年者誘拐で捕まりそうだ。全く、嫌なご時世になったもんだ。


さて、どうしたものか。考えている間にもどんどん奴は迫ってくる。さすがに2度目とあって、恐怖心はすっかり俺の中から消えていた。


「あ、そうだ。前にネットで見たことあるあれ試してみるか。」


早速、テレビの向きを壁の方向へ変える。そう、テレビから出てきた時、目の前が壁であれば、かの有名なテレビから出てくる霊、貞子さんは出てこれないんじゃないか、というアレだ。


後ろ向きになったテレビを眺めながら、どうなるのか見守る俺。他人から見れば、なかなかシュールな光景である。何してんだろ、俺。


そうこうしているうちに、テレビから声が聞こえてくる。


「ふっっふっふ。テレビが高いとこに置いてあるのはもう知ってるもんね!今度はゆっくり降りるから落ちないもんね!・・・・あれっ?ちょ、な、ナンデスカコレ。ちょ、ちょおおおおおおおおっ!!!!出れないっ!出れないぃぃぃぃぃぃ!!!」


呆気なく引っかかってくれたわ。なんとまぁ味気ない結果である。


「おいっコノヤローっ!ずるい!ずるいぞぉぉぉっ!!!これやっちゃいけないやつだよ!(ドンドン)」


必死にテレビから出ようとする謎の女の子であったが、脱出できそうな気配はない


「うるせぇ。あと壁叩くな。隣の人に迷惑だろうが。」


「くっそぉぉぉ…。お、おぼえてろっ!次は絶対怖がらせてやるからなっ!グス…」


泣くなよ。泣きたいのは俺の方だ。というか、もう来るな。


捨て台詞を吐くと、幽霊ちゃんの声は聞こえなくなった。テレビからは、バラエティ番組の再放送の音声が聞こえてくる。


「よいしょっと…」


無気力にテレビの向きを元に戻す。ホントに何やってんだ、俺。ええっと、何してたんだっけ。そうだ、確か遅めの昼飯を食べようと______


「あっ!、忘れてた!!!…ちくしょう・・・。」


キッチンへ行くと、伸びきったラーメンが俺を出迎えてくれた。


はぁ…。また無意味な時間を過ごしてしまった。


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