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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第13章 クリスマス編
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聖夜大宴会Ⅲ

お隣のハルカとふーちゃん、そして上の階に住む変態女こと青葉が半ば強引に家に上がり込む。


「あの、誰もまだ上がっていいって一言も言ってないのだが?いつから俺んちは公共の居酒屋になったんだ・・・?」


そんな俺の苦言に耳を貸す様子もなく、マンション住民組がリビングへ入る。


「まーまーいいじゃないか、我がライバルよ!…ん?何か予想してたより人数多くない_______か?」


次の瞬間、笑顔だったハルカの表情が一気に険しくなり、持ち霊のふーちゃんとともに臨戦態勢に入った。


「おいおい、どうしたんだ2人とも!」


「…怨霊さんはいいといて、明らかに堅気じゃない人間がここにいるのは何でかな…?」


「こいつら…危険なの。」


これにすぐさま反論したのは、超常現象研究会のヌイと人形姫。既に怨霊さんに無理矢理酒を飲まされ、半分出来上がっている。


「てめー!どこの馬の骨かは知らねぇが、ここのにーちゃんを守ってやったのはうちらなんだぞ!」


「うっ…そ、そうなのですわぁ~…わたくしたち研究会がぁ、守ってあげたのですわぁ…あれぇ、何だか頭がフワフワしてうまく喋れませんわ…」


人形姫に至っては、度数3%のほ〇酔いでこの調子だ。


「…研究会か。百歩、いや一万歩譲ってこいつらは見逃すとして、そっちの連中は誰なんだ!?」


依然として警戒態勢を解かないハルカ。今度は仮面教の2人に問い詰める。確かに、ハルカの言う通り研究会の2人はまぁいいとして、仮面教のこいつ等がここにいる真意が分からないのが正直なところ。


「ふふふ…そんなにうちらが気になるのか。ええやろ、教えてあげる。泣く子も黙る『仮面教』本部特戦部隊!猫面使いのネコ美!」


「同じく、特戦部隊、ウサ太郎とお呼びください。・・・といっても、私たち二人とも『元』仮面教になるのですがね…。」


苦笑いをするウサ太郎。


「それを言うなやー!兎のあほーっ!!」


「はぁ、言うなも何も、事実ですから。我々仮面教の鉄の掟『敗北者は仮面の糧に』。本来ならば、仮面に取り込まれる筈だった我々ですが、取り込まれる直前に剥がされてましたからね。おまけに、対霊課の手に渡ったとなれば・・・ね。」


急に言葉に詰まるウサ太郎。ネコ美もばつが悪そうにうつ向いている。

何か嫌な予感がして、俺からもネコ美に問い詰めてみる。


「え、どーなるんだよ?クビで終わりじゃないのか?」


何か吹っ切れたように、手に持っていたグラスのシャンパンを一気飲みするウサ美。


「あーもう!『粛清部隊』が来るねん!」


「…なんだそれ?」


聞きなれない単語に対し、ウサ太郎が解説する


「_____『粛清部隊』。その名の通り仮面教京都本部から、組織に背いたものを粛清しに来る部隊の事です。日本中どこへ逃げても、48時間以内に見つけ出し粛清、すなわち消されるってことですね。」


つかの間の静寂。ウサ太郎の説明を理解するのに数秒かかる。

________本部から…48時間以内に…来る…?


「なるほどなー…_______出ていけぇ!!!!!!今すぐ俺の家から出ていけぇ!!ちょっと怨霊さん!さっさとこいつら連行してって下さいよ!そんな名前からしてヤバそうな『粛清部隊』がうちに来られたんじゃたまったもんじゃないですよ!!」


怨霊さんに懇願するも、時すでに遅し。


「しゅくせいぶたいぃ~?それ何てお酒ー??あー、シャンパン美味しいー!!!」


「このゴミクズアル中女がぁあああああああ!!!!!!!________こうなったら、ハルカふーちゃん、こいつらを追い出すのを手伝ってくれ…って、あれ?ハルカ?どうした?」


先ほどまでキリっとした表情で臨戦態勢だったハルカだが、なぜか目を輝かせている。いや、その理由は分かってしまうのだが・・。


「______粛清部隊…だと…?ふふふ、ぜひともお手合わせしたみたいぜ…!!」


「この戦闘狂女めぇ…!!ふーちゃんからも何とか言ってくれよ…お前の主人を説得してくれ…。」


「…無理なの。というか、お腹すいたの。」


______もうだめだ、お終いだぁ…。


絶望している主人公を少し離れたダイニングから眺めるのは、幽霊たち3人娘と、未だ状況を飲み込めていない後輩の藤宮。


「あーあー、うちのご主人さまに胃に穴が開いちゃうよ。あ、ちょっと悪霊!そのチキン私が食べたかったのにぃ!独り占めし過ぎ!」


「~もぐもぐ…幽霊はさっき悪霊が育ててたタコ焼きを横取りしたのです、その仕返しなのです!」


相変わらずの食い意地を見せる幽霊と悪霊に対し、一番の年少者であろうナナシが冷静に対処する。


「幽霊さん、悪霊さん、お二人とも喧嘩しないでください。チキンならまだお兄ちゃんが持って帰ってきてくれたものがありますから。あ、藤宮さん…でしたっけ?グラスが空いてます、何か飲まれますか?」


「あ、え、えっと…オレンジジュース貰おうかな_______っていうか!そうじゃなくて!あ、あなたたちはその…先輩とはどういう関係なの!?ご主人さまとか、お兄ちゃんって呼んでるけど!」


焦る藤宮に対し、何かを察した幽霊が悪い顔で質問に答える。


「私たちと、あいつの関係、ねぇ…そりゃまぁ、愛人?的な?ちなみに、この幽霊ちゃんは第一夫人なんですけどねーw」


「ぶっーっ!!ゲホゲホっ、あっ…愛人!?第一夫人っ!?」


オレンジジュースを吹き出す藤宮。

さらに、幽霊の悪巧みに悪霊も乗っかる。


「一つ屋根の下に一緒に住んでますからねー…毎晩ご主人様に求められて私たちも大変なのです…。」


「_____も、求められっ…!?あんたたち、私と同い年かちょっと下くらいでしょ!?ちょ、ちょっと待って…それじゃあ、この?小学生くらいの子も…?」


恐る恐るナナシに問いかけえる藤宮。ナナシは屈託のない笑顔で応える。


「毎晩お兄ちゃんとは一緒のお布団で寝てますよ?(添い寝)」


「ひっ…!!は、犯罪…!!ナナシちゃん、一緒に警察いこ?」


「…ちょっと藤宮さん?何でそんな蔑んだ目で俺を見るのかな…?おいこら、幽霊悪霊ぅ!何藤宮に吹き込みやがった!?」


何か嫌な予感を感じてダイニングに来てみれば、藤宮が完全に犯罪者を見る目で俺を見ている。


「えへへ・・・いやーちょっとね。あ、ほらタコ焼きあげるよ!」


「あ、悪霊もチキンあげるのです!!」


「どっちも食いかけじゃねーか!お前らちょっとそこ座れぇ!!」


主人公がアホ霊二人を説教している傍で、そっとナナシが藤宮に耳打ちをする。


「何か勘違いさせてしまったらごめんなさい。こんな感じですけど、お兄ちゃんは私たちに嫌がることは絶対しません。それに、ここにいる人たち…半分私も知らない人もいますが、お兄ちゃんの事が好きで集まっているんです。あなたもでしょう?藤宮さん。」


「ばっ、バカ!私はただ先輩の家が気になっただけで来たの!…先輩が悪い人じゃないのは、言われなくても私も知ってるし…!!」


_____先輩が、普段バイトでは見せない顔してる。同棲、か。ちょっと羨ましいかな…

はっと我に返り、我ながら恥ずかしい妄想をしたと後悔する藤宮だった。


その後も、聖夜の大宴会は盛り上がり続ける。いや、大騒ぎといったほうが正しいかもしれない。

消された犬霊の仇だと怨霊さんに一騎打ちを申し込むヌイ。酔っ払ってストリップを始める変態青葉。

ここに居候させてくれと土下座をしだすネコ美とウサ太郎。ほ〇酔いで潰れる人形姫。粛清部隊を今かと待ち構えるハルカとふーちゃん_______


全員が寝静まったのは、うっすらと東の空が明るくなる頃だった。


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