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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第13章 クリスマス編
197/202

聖夜大宴会Ⅱ

ジュー…


ダイニングテーブルの上に置かれているのは、聖夜には不釣り合いなタコ焼き器。その窪んだ鉄板の上に、ヌイの手によって手際よくたこ焼きの生地が流されていく。


「よしっ!お前ら、具材を順番に入れていけっ!!先ずは幽霊の持つタコからだ!」


「ふふふ…この幽霊ちゃんにかかれば、秒速3個のスピードでタコを入れることも可能っ…!!!__________って!何でクリスマスにタコ焼き!?」


タコの入ったボウルを持ちながら、我に返る幽霊。同じくキャベツ係の悪霊も、指揮を執っていたヌイに噛みつく。


「そうなのですっ!それに、なぜ敵である研究会のヌイが我が家にいるのですか!?それに、ヌイだけではなく、見知らぬ輩も…!!さっきは混乱して我を忘れてましたが、ちゃんと説明してください、ご主人さま!」


「そーだそーだ!見て!ナナシだって、怯えてるぞ!」


ナナシを指す幽霊。しかしナナシは目をキラキラさせながらタコ焼きに興味津々で、ヌイたちには特に意に介していない様子。


「_______落ち着け2人とも。先に言っとくが、俺がこいつらを招いたわけじゃ無いからな。無理矢理押し掛けてきたんだ。」


家にまで着いてきたのは、もちろんヌイだけではない。


「はー、結構ええとこに住んどるんやなぁー。さすが駅前の一等地の15階の夜景やわぁー。ウサ太郎もこっちきて見てみー。」


「ちょっとネコ美さん、あなたも料理を運ぶの手伝ってくださいよー。」


先ほどからテンション高めなネコ美と、てきぱきと夕食の準備を進めるウサ太郎。ついさっきまで、俺を拉致しに来ていた連中とは思えない。彼女たちの『喰面』は対霊課に引き渡しているので、少なくとも暴れられる心配は無いが、一体何を考えてうちまで着いてきたのか。


「ふん、この程度の部屋ではしゃげるなんて幸せものですわね。私の屋敷はこの10倍は広いですわ。」


コタツの中で丸まっているのは、ヌイと一緒についてきた研究会の人形使いことゴスロリ。お気に入りの日本人形お菊も一緒だ。


「…なんやと?せやったら、うちらの京都本部は100倍広いわ。」


「大きいだけで中身は空っぽなのでしょう?貴女の頭のようにね。」


「…口だけは達者やなぁー。ほんま、運だけはええなぁ。うちらが今、喰面付けてたら息の根止めてるとこやで?」


ゴスロリの煽りに対しネコ美がすぐさま言い返し、小学生並みの悪口の応酬はあっという間にヒートアップしていく。しかし今夜の我が家に、我が家にはこの二人よりも圧倒的に『ヤバい』霊がいる・・・怨霊さんだ。


__________ズズズ…


「うぉいコラァっ!!!なぁーにいっちょ前に喧嘩してんだぁー??んなことしてる暇あったら酒呑め!酒ぇ!!」


凄まじい霊力を垂れ流しながら、ストロング(ロング缶)片手にゴスロリとネコ美に絡む怨霊さん。既に酒が回って『出来上がって』いる。


「…わ、分かったから、そ、その頭のおかしい霊力しまってくださる?」


「…噂には聞いとったけど…『対霊課』の新戦力があんたやったとはなぁ…規格外のバケモンやで…」


怨霊さんの霊力にあてられ、完全に委縮するゴスロリとネコ美。


「口答えすんなぁ!!ホントなら、あんた達みたいな暴霊団の『クズ』は問答無用で霊獄送りなところを、今夜は特別に内緒で見逃してやってんだからね!つべこべ言わずに出された酒を飲めばいいのよぉ!!」


腐っても『対霊課』の端くれである彼女だが、独断で犯罪者を見逃していいのだろうか。・・・何か怨霊さんに考えがあるのか…?いや、十中八九、あの場のノリと勢いで決めたのだろう。酒さえ飲めればなんでもいいのだ、この霊は。


「ところでさー…」


不意にちょんちょんと幽霊が俺の背中を小突いてくる。


「ん?なんだよ幽霊?」


「さっきから気になってたんだけど、そこで呆然としているJKの子、大丈夫なの?」


「…あ。」


そうだ、一人完全に存在を忘れていた。部屋に入ってから呆然と立ち尽くしてしまっている藤宮だ。


「…おーい、藤宮ぁー。大丈夫かー…??」


顔の前で手のひらをヒラヒラさせると、完全にフリーズしていた藤宮がハッと我に返る。


「…はっ、そ、そーですよ先輩!なんですかこのマンション!学生が住めるレベルの部屋じゃないでしょ!それに、明らかに未成年の女の子と暮らしてるなんて…!それも3人も!!!どーゆーことですかっ!?」


「…そうか、藤宮は普通に『視える』んだったな…。えーと、その、何だ。こいつらは遠い親戚の子みたいなもんだ。んで、この部屋はその親戚が借りてる部屋で、そのおかげで住めてるんだ。」


と、取ってつけたような設定で何とか胡麻化そうとしたとき、更なる訪問者がやってくる。


ピンポーン


「やぁやぁ、我がライバルよ!この穢れし聖夜、お隣さんであるこのハルカとふーちゃんが来てやったぞ!!」


「________こんばんわ。ついでに、上の階の余計な変態もついてきたの。不覚なの。」


玄関を開けると、隣に住むハルカとふーちゃんの姿が。更にその後ろには、上の階に住む変態こと、青葉の姿も。


「いやー、どーもですお客さん!同じマンションに住む者同士のよしみです。クリスマスパーティー、青葉も混ぜてくださいよー!」


曲者ぞろいの聖夜の大宴会…荒れないわけがない。

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