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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第13章 クリスマス編
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コンビニ前の聖夜戦Ⅳ

「いらっしゃいませー!!クリスマスチキンいかがですかー!!_______まずいな…全く売れねえ。時間は…20時…一番売れる時間帯はとっくに過ぎちまってる…。」


項垂れる俺に対し、サンタコス姿の藤宮が喝を入れる


「ちょっと、そこのトナカイ先輩!項垂れてる暇があったら客の呼び込みしてくださいよ!」


現在、1時間で売れたケーキとチキンの数は5食。残り食数は…数えたくもない。


「…先輩、何かさっきから様子が変じゃないですか?」


「そりゃそうだろう…この売れ残ってるケーキとチキンの山を見れば誰だって様子もおかしくなる。」


「いや、違いますって。先輩はいつもおかしいです。そうじゃなくて、ほら。通りを歩いている通行人の人たち、みんな上向いてますよ。何見てるんですかね?」


「上…?UFOでも飛んでんのか?」


藤宮に言われるまで全く気付かなかったが、確かに通りを歩く通行人は皆上を向いてしきりに指をさしている。中にはスマホ片手に撮影している人の姿も。俺も目線の先を追ってみるが、立ち並ぶ雑居ビルと、星のない夜空しか見えない。


「何にも見えねーけど?」


「・・・・そーですね。みんな何を見て_________あっ!あれじゃないですか!?ほら、あっちのビルの屋上のとこ!」


周囲の通行人も見つけたらしく、にわかにざわつき始める。藤宮が指さす方向へ目を凝らすと、俺にも『それら』が見えた。


「何ですかね、あれ。1、2、3…うわ、あれ全部人影ですか!?10や20じゃないですよ!?何かビルの屋上走り回ってるんですけど…何かのパフォーマンスですかね?ワイヤーアクション的な?」


ビルの屋上を走り回る無数の人影。時折、まるで送電線が切れた時のような発光もしている。

________まずい。非常にまずい。あの無数の人影の中から霊使いの霊力を複数感じる。しかも、そのうちの1つは、俺がよく知る奴の霊力……超常現象研究会幹部、ヌイの霊力…!!


「______藤宮ぁ…ちょっとここ頼むわ。15分、いや、10分で戻る。」


「ふぇ!?ちょ、せ、先輩!?どこ行くんですか!?」


「いや…ちょっと知り合いに『挨拶』しようと思ってさ__________すぐ戻る。」


____________________


同刻、雑居ビル屋上。


「くそっ!!!!!『猫娘裂傷ネコザキ』っ『猫娘裂傷ネコザキ』っ!!!あぁもう!鬱陶しいにゃん!!」


襲い来る人形軍団に向けて、斬撃を浴びせる猫面の少女。しかし人形は手足がもげても止まる気配はない。


「こんな木偶人形なんかにっ…!!にゃっ!?しまっt_______」


ガッシャァァァンッ!!!


バラバラになった人形の腕が猫の足を捉えた。空中でバランスを崩した猫は、そのまま窓を突き破りビルの一室に転がり込む。


「…_____っ痛~~~~!!!こいつら、腕だけになっても動きやがって…!!おいウサギぃ!!何してんねん!こっち手伝って欲しいにゃん!」


猫が隣のビルの屋上で戦闘中の兎に向かって助けを求める。


「…猫さんは相変わらず無茶言いますねぇー、こっちは今、『猛獣』を相手にするので精一杯なのですが…これ程の『動物霊使い』と戦うのは久しぶりですよ。初めまして…ですよね?研究会幹部、犬霊使いのヌイさん。」


グルルルル…!!!


数匹の犬霊が兎を取り囲むように臨戦態勢に入っている。その犬霊を従えているヌイは、嬉しそうな声を上げる。


「ほーう!このヌイ様の事を知っているのか!ふふーん!とうとう仮面教もヌイ様の事を脅威と認めたというわけだな!ふははは!帰って師匠に報告しなければ。」


「というわけなので、今夜は見逃してくれたりは…?」


「お前たちの首をうちのボスに持って帰れば、冬のボーナスが出るんだ。それは無理な話だな。…お前たち、そのふざけた兎、噛み殺していいぞ!」


ヌイの命令とともに、一斉に犬霊たちが兎に飛び掛かる。


「ははは。ですよねー。」


ダッ________

兎はその場から驚異的な脚力で空中へと飛び上がり、犬霊たちの攻撃を躱す。空中から『兎炎連弾ラピッドファイア』を犬霊たちに浴びせる。


ズガガガガガガガッ!!!


「うーん…やはりこの程度の火力ではかすり傷程度ですか。」


爆炎によって多少犬霊たちの動きが怯むも、致命傷となっている様子はない。


「ふん!当たり前だ!今夜連れてきたのはヌイ様の飼っている犬霊の中でもとびきり優秀な子たちだからな!そんな豆鉄砲効かんわ!」


凄まじいスピードで犬霊の攻撃を躱す兎だったが、まるで狩りをするオオカミのような統制の取れた動きにって、徐々に追い詰められていく。


【______猫さん。今夜は一旦引きましょう。まともに戦うには、相性が悪すぎます。】


仮面の霊力を通じて、猫へ念話を送る兎。


【はぁ!?うちらが退く!?こっちから仕掛けといて、そんなかっこ悪い話にゃいで!?うちは絶対退かへん!】


【まぁ、あなたならそう言うと思いましたよ。やれやれ…ちょっとだけですよ?無茶するのは。】


意見が一致した二人は、同時に唱える


「我が喰面クイメンよ」


「我が血肉を糧とせよ」


ズズ…_________________!!!!


「んなっ…!?まずい!退け、お前たち!!!」


猫と兎の急激な霊力上昇に気づいたヌイは瞬時に犬霊たちに撤退を命じる。


「『兎銃弾ラピッドバレット』」


ズドン、という重い重低音とともに兎の指先から放たれた攻撃は、一体の犬霊の体を捉え大きな風穴を開けた。攻撃を受けた犬霊はたちまち消滅する。


「…くっ、何かしたようね。お前たち、一気に畳みかけなさい!」


少し離れた場所から人形軍団を操っていた人形姫も異変に気付き、攻撃の手を強める。


「鬱陶しい木偶どもめ…!!!『猫駆武力ネコカブリ』」


ヒュォ____________


まるで瞬間移動のような速さで人形たちの前から姿を消す猫。次の瞬間、一斉に人形たちの身体が粉々に砕け散ると同時に、再び姿を現す。


「…これだけ細かく刻めば、もう動かせないかにゃ?」


第二ラウンド、仮面教による反撃が始まる。

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