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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第13章 クリスマス編
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クリスマスツリーとハサミⅡ

この時期のデパートのクリスマス商戦は凄まじく、店内は右も左もクリスマス一色。すれ違う多くの買い物客も、どこか浮かれた顔をしながら買い物をしている。


「うわー、こりゃ凄い人だな。お前ら迷子になるなよ?・・・おーい、聞いてるかー?…駄目だこりゃ。」


霊体モードで俺の背後で宙に浮いている幽霊、悪霊、ナナシ。俺の言葉は届いておらず、3人とも目を輝かせながら店内を見回している。地下食品売り場では、豪華なクリスマス料理やきらびやかなスイーツがズラリ。上の階では、クリスマスプレゼント向け商品が所狭しと並んでいる。


「…ふむ。クリスマスツリー売り場は5Fですか。ならば、1Fごとに欲しいものを買って昇っていくのはどうだろう?________っ痛いのです!ご主人様、なんで悪霊を殴るのですか?いい考えだと思うのですが!?」


「何を言い出すかと思えば…どこのなろう系主人公に、そんなアホみたいなセリフ吐く奴がいるんだ。破産するわ。」


間髪入れず、今度は幽霊が暴れだす。


「あ、あれは…超有名店の高級ケーキ…!?予約受付残りわずか…!?行くっきゃないでしょっ______きゃっ!ちょ、ちょっと!乙女の髪の毛を引っ張るなんて!はーなーせーっ!!!!」


「お前ら、あれほど熱弁してたクリスマスツリーへの熱はどこ行ったんだよ!目移りしまくりじゃねーか!あ、ナナシ、だいじょーぶか?こんな人ごみ久しぶりだろ?疲れたらすぐ言えよ?」


「…大丈夫です。クリスマスというのは、こんなに楽しい物なのですね…!!」


目を輝かせながら答えるナナシ。この子がこんな明るい表情を見せるのは珍しい…いや、うちにきてから初めてかもしれない。


「ばーか。ナナシ、今日はまだ準備段階だぞ?クリスマス本番はもっと凄い。今からそんな調子じゃ、本番まで持たねーぞ?」


「______はいっ、楽しみにしてます。」


目的のツリーが売ってある階まで、エレベーターは鬼のように混んでいたので、仕方なく一同はエスカレーターで移動することとなった。


「エスカレーターも混んでんなぁー。えぇっとー、5Fは東急ハ〇ズか。そういやバイト先の藤宮がプレゼントよこせとか言ってたっけ。ついでに何か適当に買ってやるか。はぁー、めんどい。」


「…ご主人様、あえて今まで聞かなかったのですが心配になったので聞きます。我々へのクリスマスプレゼントは________ありますよね?」


「なーに言ってるの悪霊ぅー。だってクリスマスよ?私たちへのプレゼントが無いわけないじゃん!_________あ、あるよね?」


青ざめる幽霊と悪霊。


「…さー、どーだろーなー。君らがあんまりにも毎日ぐーたらしてるから、無いかもなぁー、プレゼント。今日もずっとワガママばっか言ってるしなぁー。」


「「!?」」


「クリスマスまで、いい子にしてたら考えてやらんでもないがなぁー。ま、君ら次第だなー。」


「わ、私ら超いい子だから!あれ買ってこれ買ってって言わないし!ね、悪霊!?」


「そ、そーなのです!帰ったら掃除洗濯もするのです!ナナシは休むのです!」


______まぁ、もちろん、幽霊・悪霊・ナナシそれぞれ3人にクリスマスプレゼントは用意している。プレゼント効果で最近さらに悪化している幽霊と悪霊の生活態度を改めさせるのが狙いだ。


「ナナシにはちゃんと俺が心を籠めて選んだプレゼントを用意してるからな。安心しろ。」


「こいつのことだから、どーせセンスゼロなプレゼントだよ、きっと。」


「幽霊、お前プレゼント無し決定な。」


「わーわー!!じょ、冗談!冗談だって!!___________って…あれ?ナナシは?」


幽霊がふと、さっきまで最後尾にいたはずのナナシがいないことに気付く。目的地の5Fに到着するも、人々が行き交うエスカレータ乗り場にナナシの姿が見えない。


「しまったな…ナナシを最後尾にするんじゃ無かった。悪霊、ナナシがどの階まで確実にいたか分かるか?」


ナナシの前でエスカレーターに乗っていた悪霊が記憶を辿る


「確か…3Fを通過した時点では居たのです。ご主人様がバイト先の人にプレゼントを買うとかの話をしていた時なのです。幽霊がナナシが居ないことに気付いたのは4F到着時点。つまり_______」


「3Fから4Fの間で居なくなった…?エスカレーターに乗ってる途中で居なくなるって…変じゃないか?____とにかく、3手に分かれてナナシを探そう!幽霊、悪霊、頼むぞ!」


「分かった!」


「りょーかいなのです!すぐに見つけてみせるのです!」


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