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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第2章 大学編
18/202

大学へ行こう!Ⅰ

「お前らに、重大な知らせがある。」


「え、何いきなり?」


「今晩のごはんは外食ですか!?ご主人様!!」


「ちょっと悪霊、それじゃ私行けないじゃない!!」


昼下がり。ワンルームの狭い部屋には、俺と2体の霊。ここ数日は怨霊さんの件もあり、色々とどたばたしていて、ある大事な事をすっかり忘れていたことに気が付いた。


「なんなのよー、早く言いなさいよ。あっ、怨霊さんとの飲み会の日程決まったの?」


「それは限界まで伸ばして、うやむやにする作戦を実行中だ。・・・あの人、毎日コンビニに来てるから、ごまかすのは無理っぽいが・・・。そうじゃなくて!!」


「?」


「俺の春休みが・・・明後日で・・・終わる・・・!!」


「春休み??ご主人様、一体何なのですかそれは?」


「悪霊ぅ~、あなたほんとに何も知らないのね。春休みって言うのは、『春』に『休む』ことよ。」


「なるほど!!・・・それに終わりが来るとはどういうことなのです??」


「幽霊、お前はちょっと黙ってろ。いいか、俺は今大学生だ。大学生には春休みという長期休暇があってだな。俺は本来、大学に行って毎日授業を受けて単位を取らないといけない立場なんだよ。その毎日大学へ行く日々が、明後日からまた始まるってことだ。」


「ほーぅ。なるほど・・・ということは、私とご主人様が離れ離れになるってことですか!?そんなの嫌なのですっ!!私も大学とやらに憑いていきます。」


「来るな。俺が言いたいのは、大学へ行っている間、部屋で好き勝手するなってことだよ。」


「えぇー、それじゃあ、悪霊と毎日二人っきりってこと?やだぁー。」


「私はご主人様に憑いて、大学とやらを見に行きます!!」


ダメだこいつら。全く人の話を聞こうとしない・・・。特に悪霊は、むりやりにでも憑かれてしまったら、引きはがす手段は俺にはないから、なんとかして説得しないと。


「決めました。私はもうご主人様に憑いて離れませんっ!」


ほらみろ。こうなっちゃうだろ。


「今までは、そこのコンビニまでとかなら許していたが、さすがに大学は無理だな。いくら他人には見えないからって、フワフワ俺の周りで飛ばれていたら、授業に集中出来ない。」


「うぅー・・・」


この後、くずる悪霊を小一時間説得していたが、なかなか納得させることはできず、結局晩ご飯を食べた後も散々うだうだ言っていたが、最後には満腹で眠ってしまった。ちなみにこいつら霊は、眠ると体の具現化は解け、姿は見えなくなってしまう。束の間の静寂だ。


「はぁー。やっと静かになった。」


「そだねー、まあ、悪霊は好奇心強いからね。仕方ないよ。」


「何お前、急にお姉さんキャラになってんだよ。」


幽霊は、ベッドの上で寝っ転がって漫画を読んでいる。そういえば、幽霊は悪霊と違って俺に憑いてこの部屋から出ることはできない。ちょっとかわいそうな気もする。


「ねー。」


「んー?」


「大学って楽しいの?」


「べつに。ただ授業受けて終わり。」


「ふーん・・・どーせ彼女とかいないんでしょ?さみしー。」


「どーせって言うな。いないんじゃなくて作らないんだよ。」


「うわぁ・・・。」


「人のことを憐れんだ目で見るなよ・・・。」

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