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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第11章 オークション編
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VS蛇崩Ⅱ

「ほらー、帰っておいでー。君の出番は終わりでーす。」


呪蛇ジュジャの一匹』と呼んでいた化け蛇の巨体が、蛇の刺青で埋め尽くされた蛇崩の腕へ消えていく。すると、唯一彼の腕の素肌が見えていた空白に、新たな蛇の紋様が浮かび上がった。


「あ、コレ、気になりますぅ?ボクの身体には、大小色んな種類の呪蛇ジュジャの紋様が刻まれてるんですけどぉー、今何個くらいですかねー。1000以上は____________」


「はぁッ_______!!!!」


ズガァァンッ!!!!!!

聞いていない事をペラペラと勝手に話し出す蛇崩を無視し、紅炎を纏わせた幽霊の蹴りが凄まじい破裂音と共に炸裂する。


「…おぉっとぉー。何ですか急にー、びっくりするじゃないですかぁー。」


「くそっ…!!けど、使ったね…腕!!」


(「当たれば効くぞっ!!」)


相変わらずの無表情で俺たちの攻撃を受ける蛇崩。だが、先ほどとは違って今回は腕で蹴りを受け止めた。いくら化け物じみている蛇崩でも、より霊力を高めた俺たちの攻撃をまともに喰らえば、少なくともダメージがあるということが見て取れる。


「いやいやーw使うでしょ、流石にwそれ顔に当たったら流石に痛いですってぇー。あ、でもボクも反撃しますからねー。」


ズズズズ__________


「うわっ、わわわ…!!きもっ!!なにこれ!?」


(「幽霊、離れるぞっ!これ絶対触れたらヤバい系だっ!」)


攻撃を受け止めた蛇崩の腕から無数の蛇の影が出現し、咄嗟に距離を取る。某ジブリ映画、も〇のけ姫に出て来るあの『うねうね』そっくりだ。


「その通りでーす、コレに捕まったら二度と身動き取れませんよぉー。」


蛇崩の腕からこぼれ落ちた蛇の影は、床、壁、天井を這いずり回りながらこちらに迫って来る。必死で躱すも、およそ100を超える蛇の影は容赦なく手足に絡みつく。


シュルシュルシュル_______!!!


「うねうねうねうねと…______う、鬱陶しいっ…!!!うっ‥あっ…こ‥これ、何か変だよ…!!」


幽霊の手足に絡みつく蛇の影。ただ動きを封じられているだけではない、締め付けられている部分から禍々しい霊力が徐々に浸食してくる。


(「このままじゃマズい…!!残り時間は20秒ちょっとか_________幽霊っ!限界時間が縮まるが、ここで一気に霊力を解放して決めに行くぞ!?」)


「りょ…りょーかい…!!あの『必殺技』の出番…だね…!!」


ボゥォォオッ___________!!!!!

幽霊の纏う紅炎の出力が一層激しく燃え上がり、手足に絡みついていた蛇を焼き尽くす。2か月間の修行中に幽霊と2人で編み出した、限界ギリギリの霊力で繰り出す『必殺技』。この一撃に全てを賭けるしかない。


「おぉー!!すごいですねぇー!ボクの蛇から脱出できる霊使いは滅多にいませんよぉー?」


「________その余裕顔、これを喰らってもしてられるかな…!!」


焼き尽くされた蛇を振り払いながら、右手の拳を握りしめ一気に蛇崩との距離を詰める。幽霊の纏う紅炎に

赫い電撃が音を立てて走る。


バチバチッ!!!!!ゴォォォッ__________!!!!!!!!


「必殺っ!!!!!!『赫霆撃レッドスパーク』っ!!!!」


バリバリバリッ__________!!!!!!ズガァァアンッ!!!!!

凄まじい雷鳴と共に炸裂し、周囲が火花と炎に包まれる。蛇崩に対し、確実にクリーンヒットした感触があった。


ズズズ…

直後、活動限界を迎え幽霊との憑依戦闘が解除される。現れた幽霊は憔悴しきっており、半透明な霊体の状態だ。


「はぁっ…はぁっ……も、もうダメっ_____指先一本動かせないよ…」


「…お疲れさん、幽霊。さて・・・火傷くらいはしてくれてると嬉しいんだが___________」


廊下に充満する爆炎が徐々に晴れ状況が明らかになる。幽霊の必殺技をまともに喰らった蛇崩は、10メートルほど先の床に倒れていた。その体にはまだ幽霊の紅炎が燻っている。


「…これで起き上がってきたら…もう私笑うしかないよ……?」


「おいやめろ幽霊…それフラグって奴だぞ?・・・ほら見ろ、言わんこっちゃない…。」


幽霊の完璧なフラグ建築のおかげで、倒れていた蛇崩は何事もなかったかのようにムクリと起き上がった。

来ていたコートは焼け落ち、上半身裸になっている。蛇崩の上半身には腕と同じくびっしりと蛇の紋様が刻まれているのだが、その紋様が蛇崩の体の上を這いまわるように蠢いている。


「あぁー、いたたたー…いやぁー、すごいパンチでしたねー!先ほどから大出力の霊力を伴う技の連続…あなた、普通の霊使いじゃないでしょー。殺すのは勿体ないですねぇー……でも________」


次の瞬間、立ち上がった蛇崩の眼が大きく見開かれる。黒い部分の瞳孔は縦に細長く伸びており、まるで蛇の眼だ。変異したのはそれだけでは無い、体の部分の蛇の紋様が顔にまで広がり、蛇の鱗のような外見へと姿を変えた。


「_____ふぅ…ボクも新人で初めて任された仕事なのでぇー、ヘマをするわけにはいかないんですよぉー。」


蛇崩の纏う霊力の禍々しさが、先ほどとは比べ物にならないほど増す。そんな蛇崩の姿を見た俺と幽霊は、ほぼ同時に悟った。『こいつには、どうあがいても勝てない』と。


「…ど、どーするの?あのヘビ人間…今の私たちじゃ逆立ちしたって勝てないよ…?」


「そんなこと、嫌でも見りゃ分かるよ…。やっぱり、ハルカが言った通りだった。アレは次元が違いすぎる。」


ゆっくりとこちらに歩みを進めるヘビ人間とかした蛇崩が、俺たちの思考を読み取ったかのように口を開く。


「あっ、もうボクを倒すのは諦めて逃げるとか考えてますー?あっ、その顔は図星でしょー。逃がす訳ないじゃないですかぁー。絶対にここで殺しまーす。」


蛇崩の言う通り、俺の中では既に【逃げる】のコマンドが選択済みだった。もちろん、そう簡単に逃がしてくれない事は百も承知だ。


「…おいヘビ人間、確かにお前は強いが…俺たちだってまだ『秘密兵器』ってのがあるんだよ…!!悪いが、こっからは全力でお前を撒かせて貰う…!!__________悪霊っ!!憑依戦闘だ!来いっ!」


「はいなのですっ!ご主人さまっ!!やっと最終兵器である悪霊の出番なのですっ!!」


ズズズ____________!!!

先ほどの観葉植物の物陰にずっと隠れて気配を消していた悪霊が勢いよく飛び出し、俺の体の中に溶け込む。そして、憑依戦闘によって悪霊の姿へと徐々に姿を変える。

黒髪だった悪霊の髪は銀色に輝き、眼は琥珀色へと変色している。


「_______さぁて!ここからは最終兵器である、この悪霊ちゃんの出番なのですっ!!」


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