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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第11章 オークション編
162/202

空白の2か月

キサキからの助言の内容を全て話し終えるや否や、悪霊がやる気満々の表情で身を乗り出す。


「よし!行きましょうご主人さまっ、今すぐにでも!」


「ま、別に警備が厳しかろうが薄かろうが、まだ取り返せるチャンスがあるなら行くつもりだったけどね。ここ2か月、全然暴れてなかったから腕がなるぜっ…!!」


ニヤリと笑みを浮かべる幽霊。こいつも悪霊と同じく、やはりやる気満々のようだ。そんな2人の様子を見て、いつもクールなふーちゃんが厳しい口調で釘をさす。


「あなたたち…!!相手が誰だか分かっているの?たとえ警備が薄いからといっても、『霊攫い』の警備が1人も居ない訳じゃないの。奴らは強敵なの…それに、もし捕まりでもしたら、死んだほうがましな思いをすることになるの…!!あなた達の実力じゃ無理なのっ!」


「…ふーちゃんの言っていることはもっともだ。その『霊攫い』って連中には会ったことはないけど、危険な奴らだってことは重々承知している。それに、もちろん俺たちも捕まるつもりはないぞ?そうだろ、幽霊、悪霊。」


俺からの問いかけに、自信ありげにうなずく2人。これは決して根拠のない自信ではない。


「…ふーちゃん、『あなた達の実力じゃ無理』って言ったけど、果たしてそれはどうかな!?今の幽霊ちゃんが、2か月前の幽霊ちゃんと同じと思わないで欲しいのだっ!」


「ふふふ…『霊3日会わざれば刮目してみよ』なのですよ、ふーちゃん。この2か月間、わたしと幽霊がただゴロゴロしていただけと思っているようなのですが…それは大きな間違いなのですっ!」


強気な幽霊と悪霊の発言に、ふーちゃんも言い返す。


「あ、あなたたちが夏のバイトで憑依戦闘を習得したのは知っているの!でも、まだまだ未完成なの…あの程度の練度じゃ、『霊攫い』には敵わないの…!!」


「それは2か月前の話なのです。ご主人さま、ちょっと見せてやりましょう!『修行』の成果を!」


勢い良く立ち上がり、俺のそばに悪霊が来る。ふーちゃんを説得するために、この場で見せるつもりらしい。2か月間の修行の成果である、俺たちの『進化』した憑依戦闘を。


「よし、見せてやるか。ふーちゃん、よく見て判断してくれ。俺たちが通用するかしないかを。・・・来い、悪霊!」


「はいなのです!ご主人さまっ!!」


ズズズズズ____________

霊体となった悪霊が、ゆっくりと俺の体の中に溶け込む。次の瞬間、半信半疑の目で見ていたハルカとふーちゃんが、驚愕の表情に変わる。


________________________


「ふぅ…解除っと…。と、まぁこれが2か月間修行をした成果なんだが…憑依戦闘の使い手から見てどうかな?通用すると思うか?ちなみに、幽霊との憑依戦闘も今見せたのと、同等以上のレベルにはなっている。」


「お、驚きなの…!!たった2か月でここまで完成度…霊力の純度も桁違いになっているの…!!どう思う、ハルカ。」


「私のライバルなんだから、これくらいはやってもらわないとね…!!ま、まだまだ私とふーちゃん程のレベルには達してないけど!」


正直言って、この2か月間の修行にはかなりの手ごたえを感じていたのだが、ここまでやってもまだ2人のレベルには及ばないというのには、少々落ち込むところもある。だが同時に憑依戦闘の奥の深さにも感心させられる。俺たちはまだまだ強く慣れるということだ。


「______よし、ハルカとふーちゃんの許可も貰えたことだし、さっそくホテルに乗り込むとしますか!!」


「待って。誰も『許可』はしていないの。確かに、あなた達は強くなったの。それでもまだ、危険すぎるの。組織を相手に、霊使いが1人で挑むのには戦力が足りなさすぎるの。」


意気揚々な幽霊を遮り、ふーちゃんが再び冷静な表情になって呟く。


「で、でも!悪霊はアリサを助けたいのです!許してくださいなのです!」


「________はぁ、全く。最後まで話をちゃんと聞くの。私は、『一人で挑むには』と言ったの。・・・私が止めても手を貸すつもりなんでしょ、ハルカ?」


ふーちゃんが、やれやれと言った表情でハルカに視線を送る。


「ごめん…ふーちゃん。でも私、やっぱり一緒に戦いたい…!!今までは暴霊団の後ろ盾にビビってたけど、ライバルにここまでの覚悟を見せられたら、もう一緒に戦うしかないでしょ!どうせ乗り掛かった舟だし、最後まで責任をもって付き合う事にした!!」


いつもの自信に満ち溢れた表情に戻ったハルカ。ついさっきまで、オークションで落札できなかった自責の念に駆られ落ち込んでいたハルカは、もう居ない。


「ほ、本当にいいのか!?お前らにとっては無関係なことなのに、危険に身をさらすことになるんだぞ?」


「ハルカは一度言い出したら聞かないの。」


「私が助けるって言ったら絶対助けるの!それに…だ、大事なライバルが私の知らないとこでやられるとか、嫌だし。」


「お前ら…ありがとう!!助かる!」


2人の意志は固いようだ。彼女たちを巻き込むのは本望ではないが手を貸してくれるというのなら百人力。アリサを救出できる確率がぐっと上がるのは確実だ。

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