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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第10章 海の家編
139/202

メタモルフォーゼ

「そうと決まれば話は早い!やり方は霊体モードで俺の体に入るだけだ…実のところ、詳しい原理は分からんが、怨霊さんとの時はこれで上手くいった!暴走したけどな。」


「暴走上等っ!どっちにしろ、暴走する勢いじゃないとあの『おかめ』を倒せないでしょ!…霊体で君の体に入ればいいんだよね。よし、時間がないし早速やるよ!」


スゥゥ________ズズズズ・・

幽霊は霊体モードとなり、俺の体に溶け込んでくる。怨霊さんとやった時と同じように、特にこれといった衝撃や違和感は感じられないが_____今は身を委ねるしかない。


「おほっ!?なにやっとん!?なにやっとん!?黙って見過ごすわけないよね!?ねぇ!?首貰いますぅーーー!!」


おかめ男も黙っているはずもなく、動きが止まっている主人公(in幽霊)に向かって、その大きな斧で斬りかかろうとする


「おいコラァ!!無視______すんなぁ!!!ガルルルルッッ!!!」


ガキィィィンッッ!!!!

ヌイの爪とおかめ男の斧が激しくぶつかり合い火花を散らす。力負けし吹っ飛ばされるヌイだが、さすがのおかめ男もヌイの不意打ちによろめく。


「…おっとっとぉ!!!獣娘ちゃんは死にたがりのようね!いいよぉ!先に首狩ってあげますぅ!!!______おぅっ!?脚が動かんねぇ!なんでぇ??」


ズズズ______

おかめ男の動きを止めたのは悪霊の金縛り。全身の動きを止めることは圧倒的な霊力差があり無理だが、こうして一部だけなら有効だ。


「ぐぬぬぬぅ…!!あと数秒しか持たないのです!ヌイさん、今なのですっ!!」


「でかしたぞ!その首、こっちが引き千切ってやる!化け犬の牙、とくと味わえっ!!」


ダダダダダダッ_______ガブッ!!!!!

目にもとまらぬ速さで駆け、おかめ男の首元に鋭い牙を立てるヌイ。


「おほぉーーーーっ!!!!痛い痛い痛いィ!!!!_______なーんて、効くかアホぉ!!!甘噛み鬱陶しいわァッ!!!」


「!?」

ガシッ_______ダァァァァンッ!!!


おかめ男はヌイの頭を鷲掴みにし、凄まじいパワーで廊下に叩きつける。


「ぐはッ_________ち、ちくしょう…化け物めー…」


「そ…そんな…!!ヌイさんの牙はもろにアイツの首に突き立ったのに…かすり傷ひとつないのです…!!」


綺麗に決まったヌイとの連携だったが、あまりのおかめ男の化け物っぷりを前に完全に戦意を喪失する悪霊。その場にへたり込んでしまう。


「さーて…獣娘ちゃんの首貰おかなぁー。生首コレクションが増えて嬉しいですわぁーー!!…ほな、さいなら。」


ヒュッ_______

死を覚悟するヌイ

おかめ男が振り落とす斧の刃とヌイの首との距離が数ミリに迫ったその瞬間、不意にヌイの視界からおかめ男の姿が消える。


「……あ…れ?一体何が___!?」


痛む体を無理やり起こし、すぐさま周囲を見渡すヌイ。すぐそばには、呆気にとられた表情である一点を呆然と見つめる悪霊の姿が。ゆっくりと彼女の視線の先を追うヌイ。


「へ??お前は____幽霊っ!?何その桁外れの霊力_____いやその前にこの感じ…生身の体!?それにお前の主人はどこ行ったんだ!?」


バチバチッ________

ヌイの視界に入ったのは、壁に頭からめり込んだおかめ男の間抜けな姿と、それを仁王立ちで見下ろす幽霊の姿。彼女の髪は真紅に染まっており、赤い火花を全身から放っている。だが驚くべきはそこではない…幽霊の体は、霊体モードでもなく実体モードでもない。明らかに、『生身』の生きた人間としてそこに存在していることだ。


「私がどれだけトイレに行きたかったか______ボッコボコにしてやんよ!!!」


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