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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第10章 海の家編
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VSおかめ

「よし、もうそろそろここから動こうと思うだが、大丈夫か?ヌイw」


「____一生の不覚…っ!!頼む、忘れてくれ…いや、忘れろぉ…っ!!くそぉ…死にたい。」


ポカポカと俺の胸を力なく叩くヌイ

発見した直後はまるで幼い少女のように泣きじゃくっていたのだが、やっといつもの悪態をつくほどに落ち着いてきたようだ。


「ったく、迷惑かけやがって。まぁ、無事でよかったよ。それで?さすがのお前も、空間支配系の霊が相手じゃ分が悪かったのか?」


「____ここはブキミだ。全く霊が姿を見せないし、出口も分からなくなってしまったから、憑依戦闘で暴れてみたけど、いくら壁とかを壊しても意味がなかった。体感では半日ほどは彷徨っていた…。」


「半日っ!?俺らは多く見積もっても2時間ってとこだぞ?時間の流れがめちゃくちゃなのか?」


「_____これだけの規模の空間支配、ただの野良霊じゃないかもしない。」


この暗闇の中、ヌイはたった一人で半日も彷徨っていたのか。いくら普段大口を叩いている彼女でも、あれだけ精神的に追い込まれたもの納得がいく。そう思うと、思わずヌイの頭をぽんぽんと撫でてしまう。


「怖かったよな。今までよく頑張ったな。」


「ちょ、やめろーっ!気安くヌイの頭を撫でるなーっ!」


ヌイで遊ぶのも大概にして、次は別れた幽霊と悪霊と合流すべく寝室を後にする。ヌイの話でここの時間の流れは異常ということが分かった。早くここから脱出しないと、最悪夜が明けてしまう。


「さて、後はどうやってここから出るかだ。何か策はあるか?」


「無い・・・多分だけど、師匠は私たちに嘘をついてるかもしれない。恐らく、この屋敷に棲みついているのは野良霊じゃなく、霊使いだ。それもかなり手練れの。」


「確かに、野良霊がここまで手の込んだことを出来るとは思えないしな。そう考えるのが自然か…それよりお前の師匠、嘘つくのかよ。」


「たまにうちの師匠は嘘をつくんだ…簡単な仕事だと言いながら実は死ぬほどキツかったりとかな…」


遠い目をしながらヌイは呟く。いや、そのこと知ってるんだったら、なんで後先考えずに自分から突入したんだよ、と思わず心の中でツッコみを入れる。


ダダダダダダダっ_______!!!!!


「ん?」


「なんだー?この音。」


廊下の先の暗闇から、激しい複数の足音が聞こえてくる。ペンライトを照らしながら目を凝らして確認すると、見覚えのある顔が2人。


「お、幽霊と悪霊か!?良かったぜ合流出来て!こっちは丁度いま、ヌイを見つけたところだぞー!」


「おい、なんかアレ…ついてきてないか…??それにあいつらの様子もおかしいぞ?」


ヌイが幽霊と悪霊の異常にすぐさま気付く


「にーーーーーげーーーーーろぉぉぉーーーーーっ!!!」


「ご主人さまぁぁぁぁ!!!ヤバい奴に遭っちゃったのですっ!!!」


ダッシュでこちらに駆けて来る2人の背後に、奇声を上げながら追従する『何か』がいる


「あばばばばばっ!!!ついでにお仲間も発見してもーた!!!どうしよ!?どうしよ!?殺す!?うん!殺そ!おほぉぉーーーーーっ!!!!」


ようやくペンライトの照らす範囲に入り、俺たちの視界に入ったのは、有名な『おかめ』の仮面を付けた甚平姿の男。見たことないような巨大な『斧』を軽々と担ぎ猛スピードで接近してくる。


「ちょ、なんだソイツ!?変なもん拾って来るなよ!?」


「だ、だってぇぇーーー!!トイレ行きたかったんだもんっ!」


ブォンッッ!!!!


「______ッ!?あぶねっ!!!」


斧の射程に入ると、おかめ男は問答無用で振り切ってくる。なんとか避けるも、斧の風圧だけで吹っ飛ばされてしまう。


「やっと見つけたっ!てめぇーが元凶か!引き裂いてやる!!」


ズズズ______ざわざわざわ…!!!

ヌイが瞬時に憑依戦闘を発動しケモミミモードに変身する。


「喰らえっ!!!」


ザンッ!!!!!____ガキィィンッ!!!

ヌイの爪から激しい斬撃が飛ばされるも、おかめ男はいとも簡単に斧で防ぐ。


「あよいっ!!んんーんっ!効かぬっ、効かぬぞぉーーー!!!あ、ホレ。隙ありィ!!」


ブンッ!!!


呆気にとられるヌイの隙をつき、巨大な斧をあり得ない角度と動きでヌイに振りかざす。寸のところで躱すヌイだが、すでに彼女は肩で息をしている。


「ハァ…ハァ…何コイツ。強すぎ…!!何者だ!?」


「んんーー!!誰だろねぇ!誰やろねぇ!!さ、そろそろ首貰いますでぇー!!」


斧をくるくると回しながらピョンピョンと小刻みにリズムを取るおかめ男。

奴の体から強い霊の気配を感じる。憑依戦闘だ。奴もヌイと同様、体に強力な霊を憑依させて戦っているのだろう。だが、ヌイとの実力差はほぼ素人の俺から見ても歴然。ヌイを圧倒している。


「悪霊、ちょっとだけでいいから、お前のポルターガイストで、あのおかめの動きを止められるか?」


「たぶん、数秒だけなら・・・ご主人さま、一体何を?」


「このままじゃ、ヌイがやられて俺たちも全滅だ。そうならない為にも…幽霊、お前はもう何をやるか分かってるんじゃないのか?」


俺からの問いかけに、にやりと笑みを浮かべる幽霊。


「やるんでしょ?憑依戦闘…!!暴れてやろーぜ。今の私なら、なんでも出来ちゃう気がする!」


自信満々に答えている幽霊だが、この謎の解放感の理由は逃げている途中で我慢できずに漏らしてしまったから_____というのは口が裂けても言えない、と内心ヒヤヒヤの彼女だった。



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