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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第10章 海の家編
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肝試しⅡ

途中のコンビニで購入したペンライトを片手に、暗い森の中の獣道を黙々と突き進む一同。周囲の草むらからは得体のしれない無数の虫のなき声がひっきりになしに聞こえてくる。


「えーっと…そろそろ立ち入り禁止の金網とやらが見えてくるはずなんだが…くそ、この地図分かりずらいなぁ。もっと丁寧に描いてくれよ。」


「うぅー…暗いよぉ~虫も怖いよぉ~…まだ着かないのー??」


「あの男、絵心というのが1mmもないのです!その辺の小学生の方がまだマシな地図を描くのです。」


師匠から手渡された地図を頼りに廃屋を目指しているのだが、あまりにも雑な内容の為、先ほどから迷子気味になっている気がする。


「おいコラー!師匠の悪口は言うな!____仕方ない、ここはヌイ様が助けてやろう。お前たち、出番だ!周囲を捜索し、建物を見つけてこいっ!」


ズズズ______

ヌイがそう叫ぶと、彼女の周りに鎖でつながれた無数の『犬霊』が出現する。そしてヌイの一声で一斉に散らばる。


「わたしの犬たちは有能だからな。すぐに見つけてくるだろう。」


「おー、便利だなぁー。名前とかはちゃんと一匹ずつ付けてたりするのか?」


「当たり前だ!…お前と怨霊に消された『ジョン』『ホッピー』『ブチ』『モグ』の4匹の恨みは忘れてないかな。いずれあの借りは絶対に返すっ!」


ヌイは愛犬を俺と怨霊さんに消されたことを未だに根に持っているらしい。もし今回ボスであるキサキから止められていなければ、こいつと全面戦争になっていたかと思うとゾッとする。憑依戦闘を習得している今のヌイには、例え怨霊さんがこの場にいたとしても勝てないだろう。


「ワン!ワンッ!!」


そうこうしているうちに、すぐさま一匹の犬霊が戻って来る。どうやら発見したようだ、尻尾を振りながらヌイに何かを伝えている。当たり前だが、犬語はさっぱり分からない。どうやってヌイは犬と会話できるようになったのか知りたいものだ。


「ふむふむ。よし、どうやらすぐ近くだそうだ。ついてこい!」


ヌイを先頭に草むらをかき分けながら進む。するとすぐに開けた場所に出た。金網で囲われており、そこには【関係者以外立入禁止・事故多数発生、この先危険!(海の家)】との看板が。ここに遊びに来るバカな若者にとっては、この看板は逆効果だろう。入るなと言われれば入りたくなるのが世の常だ。

金網を乗り越えると、そこには俺たちを見下ろす大きな建造物の影。


「な…なかなか雰囲気のある廃屋じゃん。」


「…思ってたより、大きいのです。1、2…3階建てなのです。ここに、入らなきゃダメなのですかご主人さま…?」


「さ、さすがに、ここに棲みつく野良霊を5分で殲滅は難しいかもしれないな…相当中は広そうだぞ、これ。」


巨大な洋風の館を前に、さっそく怖気づく幽霊と悪霊。かく言う俺も、廃屋というもんだからもっと平屋の小屋のようなものを想像していたのだが、まさかここまで本格的な洋館だったとは。これは一筋縄にはいかないかもしれない。


「なんだー?お前ら、ビビってんのか?w情けないなぁー!よし、ただ4人で固まって進むのも面白くない、ここは肝試しといこうじゃないか!」


戸惑う俺たちの顔をみて調子に乗るヌイ


「な、なにいってんのよ!ここに入るだけでも十分肝試しなんですけどっ!」


「そうなのです!これ以上、どうしろと!?」


半泣きになりながら反論する幽霊と悪霊だったが、怖いもの知らずのヌイは嬉々としてその内容を話し出す。


「今から一人ずつ中に入って、ここから見える3階のあのベランダからこちらにペンライトで合図を送るっていうのはどーだ?10分以内に合図を送れなかったら、BBQは無しってことで!」


「おいおい、ちょっと待てヌイ。ここには野良霊が住み着いてるんだろ?一人で入ってもし襲われたらどうすんだよ。」


「このヌイ様が、そこらの野良霊に負けるとでも?よし、私が先ず最初に入って、中を綺麗に掃除しておいてやろう。これでいいだろー?よし、決まりだな!では行ってくるっ!」


止める間もなく洋館にダッシュで突入するヌイ。残された俺たちは、どうすることも出来ずその場に立ち尽くす。


「あーあ…どうすんだ、アレ。」


「す、凄まじいフラグを建てたね、あの子。」


「ホラー映画じゃ、最初に犠牲になるお調子者って感じなのです…。」


_______________________

そんな俺たちの予感は見事的中し、30分経っても3階のベランダからヌイの合図は無かった。それどころか、ヌイが突入してから中から物音一つしない。聞こえるのは虫の鳴き声だけだ。


「あいつの事だから、あからさまなフラグも一周周って大丈夫かと思ったが____そろそろ、笑えなくなってきたな…。」


「あーもうこれ、私たちが助けに行かなきゃいけない奴なの!?ヤダよもぉー…。勘弁してよぉー、どうせ、ロクなことしか待ってないんだからさぁ…。」


「よ、よし。悪霊はここで入り口を守っておくので、中はご主人さまと幽霊に任せるのです!______痛っ!チョップしないでください!じょ、冗談なのですっ!」


ふざけたことを抜かす悪霊の頭頂部を軽く連打する


「はぁー…。ま、どっちにしろ、仕事しないとBBQはお預けなんだ。んじゃ、3人で固まっていくぞ。さっさと野良霊片付けて、ヌイの馬鹿連れて帰るぞ。肉が俺たちを待っている…!!」


「ら、ラジャー…!!」「なのですぅ…。」


ギィイイイイィ_________

雰囲気ありまくりな音を出す重い扉を開き、いよいよ洋館へと侵入する。


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