バイト仲間
「な、なんで研究会の幹部がこんな所に…幽霊!悪霊!逃げるぞっ!」
「はいなのです!ご主人さま!」「また研究会…もう嫌になっちゃう!」
急いで師匠とヌイから逃げなければ。この前キサキは『もう手を出さない』と言っていたが、やはりアレは嘘だったのか…?
「まぁー、待てよ。別に取って喰おうってわけじゃねぇ。安心しな。今日、俺とヌイは完全なプライベートの用事でここに来てるんだ。なぁ、ヌイ?。」
「そうです!ししょー!久しぶりに稼ぎの良い仕事です!お前らなんかに構ってる暇はねーんだよ!いやー、それにしてもここのカレーはおいしいですね!」
師匠からの問いかけに、満面の笑みでカレーをほおばりながら答えるヌイ。特に襲ってくるような気配は、今の2人からは感じられない。信じていいのだろうか?
「ヌイお前、さっきからカレー食いすぎ。…ま、お前らを捕縛したい気持ちが無いって訳じゃないが、うちのボスから『手を出すな』って言われてんだよ。聞いたぜ?この間、お前らを襲った幹部3人を返り討ちにしたんだって?」
「ま、まぁな。俺だけの力じゃないが…お前ら研究会にはホント迷惑してるぜ…。」
「ボスの言いつけを守らずに、お前を襲った幹部3人は、相当キツイ『お仕置き』をされたらしーぜ?wざまーみろだwにしても、『霊獄』からかっぱらってきた『殺人霊』使いのジェイソンもいたのに、お前って奴はホント、チートだよなぁ。」
霊獄?殺人霊?ジェイソン?聞いたことがない単語が師匠の口から次々と出て来るが、俺が記憶にあるのは、人形使いの女だけだ。他にもそんな危険な幹部がいたとは知らなかった。
「で、で?あんたたちはなんで海に来てるのよ!」
幽霊が俺の後ろに隠れながら2人に問いかける
「この美味しいカレーを食べに________じゃなかった。バイトだよバイト!いま研究会は夏休みだからな。ししょーと2人で来たのだ!」
「バイト…?ま、まさかご主人さま。」
悪霊が何かを察したらしく、俺の来ているアロハシャツの袖を引っ張てくる。
「あぁ…悪霊。俺も同じこと考えてる…。なぁ、師匠とヌイ。2人につかぬ事を聞くが、そのバイトって『日給2万・3食食事つき』のやつか…?」
「お?なんで知ってんだ?そうだよ、そのバイトだ。この『盆』の季節、それに『海』ときたら、俺たち霊使いにとってはお馴染みのバイトだよな。ここの海水浴場は、毎年常駐のベテラン霊使いが担当してたらしいが、引退したらしくてな。絶好の稼ぎ時って訳だぜ!」
「ここの海の家のカレーはおいしいですし、一石二鳥ですしね!」
予感は的中。俺たちと、師匠たちは同じバイトに応募していたようだ。しかし、どうやら2人はこの怪しいバイトの『内容』を知っている様子。
「奇遇だな…俺らも、同じバイトに応募したんだが。ぶっちゃけ、内容を全く知らずに来ちまったんだ。その…やっぱ、『危険』なバイトなのか?」
「おー!じゃあ、バイト仲間ってワケか。仲良くしよーぜぇ。ま、俺は特に何もしないけどな。俺の持ち霊の『かよっち』は非戦闘向きだ。今回はヌイの修行も兼ねてのバイト______ヌイ、お前の注文した奴が来たぞ。」
師匠に続き、デザートのかき氷を食べながらヌイが説明を続ける。
「ありがとうございますっ!…うぅ…頭がキーンとするぅ…_________てめーら、何も知らないのに来たのか?バカだなぁー!ヌイ様が教えてやるよ。このバイトはな、海のゴミ掃除、『藻屑霊』狩りだっ!」
「もくず…れい?」




