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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第10章 海の家編
129/202

そうだ、海に行こう。

ザザーン…

「青い空…白い雲…そして、白く輝くビーチ…ついに、来ちゃったのです…!!!」


「海だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!よっしゃー!早速泳ぐぞぉぉぉ!!」


「暑い…それにしても、予想以上に海水浴客が多いなぁー。さすが、県下人気No1海水浴場だけはある。」


抜けるほどの青空とジリジリと照り付ける太陽の下、砂浜にはテレビに映っていた以上に多くの海水浴客が海を楽しんでいる。ここは自宅から電車を数本乗り継いだ先にある、人気の海水浴場だ。海の家は複数あり、シャワー室や更衣室も完備。さらにはバナナボートやビーチバレー場など、遊びのバリエーションも豊富なのも人気の高い理由の一つだ。


「でー?どーよ、わたしと悪霊の水着姿っ!ふふーんっ、遠慮なく感想をいいなさいっ!」


「あ、あまりジロジロとみられると恥ずかしいのです、ご主人さま…///」


明るい花柄のビキニの幽霊に、胸元にフリルのついたシンプルな黒色の水着の悪霊。霊は基本的に自由自在に服装を変化させることが可能で、今日の水着は自宅を出発する前にネットで見つけたものだった。デザインさえイメージできれば、後は念じるだけで良いらしい。


「お、おー、似合ってる似合ってる。まぁ、ちょっと胸の辺りが寂しいかなぁ‥‥w」


「そ、そんなに巨乳がいいのかっー!!終いにゃ泣くぞ!?」


「見損なったのですご主人さまぁーーー!!」


ポカポカと叩いてくる幽霊と悪霊。実は、2人の水着姿に一瞬ドキッとしてしまったとは口が裂けても言えない。初めて見る2人の水着姿は想像以上に新鮮なものだった。


「お前ら、遊ぶ気満々のようだが、わざわざここまで来た本来の目的を忘れた訳じゃないだろうな?」


「え、海に来たら泳ぐのが当たり前じゃない?」


「そうですよご主人さま!あ、海の家の焼きそば食べたいのです!あのチープな味が堪らないのです!」


どこから持ってきたのか、巨大なシャチの浮き輪を膨らませる幽霊。悪霊に至っては、『海の家』という単語が出たのにも関わらず、本来の目的を忘れている様子。


「バイトだよ、バ・イ・ト!!俺たちは泊まり込みで、『海の家』にバイトしに来たんだよ!」


俺たちがわざわざ海にまで来た理由。それは、悪霊がネットであるページを発見した時にまで遡る。


_______________________________

「見てください!ご主人さま!今の私たちにピッタリなバイトを見つけたのです!!」


「なになに…『海の家』?」


悪霊が見つけて来たバイトを紹介するサイトには、【海の家・短期バイト募集!】という見出しと共に、このような内容が書かれていた。

〇日給・・・2万円(3食食事つき・クーラー付き部屋提供)

〇期間・・・お盆の時期(約1週間)

〇業務内容・・・海の家での雑用及び、海水浴場の監視。

〇条件・・・霊使いの方限定。(業務に伴うケガ等について、こちらは一切の責任を負いません。)


「すごーいっ!この暑い部屋から1週間離れられる上に、日給2万だよ!2万!やるしかないっしょ!!」


「いやいやいや…突っ込みどころ多すぎだろ!危ない匂いしかしねーわ!『日給2万』『霊使い限定』『一切責任を負いません』この3つのワードヤバすぎだろ…。」


「だいじょーぶです!ご主人さまならどんな危険でも乗り越えられるのです!行きましょー!海!」


既に行く気まんまんの幽霊と悪霊。こいつら、身の危険より目先の楽しみを優先し過ぎだろ。だが、かく言う俺も、このあまりにも好条件の内容に心が揺れていた。


「…修理が来るまで、このクソ暑い部屋で耐えるか、それとも多少の危険は覚悟で、クーラー付きの部屋と日給2万を手に入れるか‥‥」


「海いくぞおおおおおお!!!!」「うぇえええええい!!なのです!!」


「_______よし!行くか!」


この時の俺は、暑さで冷静な判断力を失っていたのかもしれない。幽霊と悪霊の勢いに押され、『申し込みはこちら』のボタンをクリックしてしまったのだった。

_______________________________

そんなこんなで、その日のうちに急いで準備をし、こうしてはるばる海にまで来たというわけだ。決して遊びに来たのではない。


「バイト…ハッ!そーだった。すっかり忘れてたのです!」


「わたしと悪霊は泳いでるから、後は頼んだ!それじゃ!」


「逃がさねーぞ2人とも。お前らだけ海を楽しむとか許さん。引きずってでも連れて行くぞー。」


えぇー、と嫌がる2人を引きずり、なんとか雇い主の海の家の前にたどり着く。数件ある中でも一番大きい海の家だ。どうやら、この海水浴場の管理所も兼ねている建物らしい。


「さてと…バイトの受付はどこに行けばいいんだっけ_______あれ?あの2人どっかで…」


「ん?どしたの?」「誰かいるのですかご主人さま?」


海の家のオープンテラスで食事を楽しんでいる客の中で、見覚えのある2人の男女の後ろ姿を発見する。こちらの視線に気づいたのか、ゆっくりとこちらに顔を向ける。


「ん?______おー、誰かと思えばお前らか!奇遇じゃねぇかこんな所で!」


「なっ、なんでおめーらがこんな所に!?このカレーはあげないぞ!私のだ!」


アロハシャツに、いつもは眼鏡だが今日はグラサンを掛けた金髪の男、そしてカレーを口いっぱいに頬張るロリッ子。超常現象研究会の幹部、『師匠』と『ヌイ』だ。


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