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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第9章 入院編
124/202

お見舞いⅡ

「…で?それはそうと、アレは何!?あの超絶カッコいい奴!!その銀髪も『覚醒』っぽくてヤバい!!」


ハルカが身を乗り出し、興奮した様子で尋ねてくる。どうやら、ハルカ達も俺の暴走した姿をテレビで見たらしい。中二病全開の彼女にとっては堪らないようだ。


「この髪は退院したらすぐ黒に染め直すぞ?…見よう見まねで、お前たちの憑依戦闘を怨霊さんっていう霊とやったんだよ。そしたらあのザマってわけ…。」


「えぇー!今度決闘するときに、その銀髪で戦って貰おうと思ってたのに!やっぱ、銀髪のライバルと戦うのは憧れるわぁ…」


恍惚とした表情のハルカ。


「…勘弁してくれよ。こっちは研究会の連中に襲われて、拉致されかけたんだぞ?にしても、俺と怨霊さんがやったアレ、やっぱり…まずかったよな?」


「当たり前なの。一歩間違えれば、今頃、廃人なの。」


「廃人…まじ?」


即答するふーちゃん。少し怒った様子で話を続ける。


「憑依戦闘は、修行を積まないとやっちゃダメって前にも言ったの。しかも、その怨霊?とかいう霊との相性も考えずに…呆れて何も言えないの。」


いつの間にか、ベッドに上がり仁王立ちで俺を見下ろしてくる。


「す…スミマセン。いやマジで。」


「まぁまぁ、ふーちゃん。許してやりなよ。話聞く感じだと、手練れの霊使い複数から逃げきったんだよ?大金星じゃん!それで?どんな敵だった?詳しく教えて欲しい!戦いたい!!」


ハルカが俺の事を庇ってくれたのかと思えば、どうやらそっちの方に興味がある様子。俺の手を握りながら顔を近づけて来る。


「いででででで・・・!おいハルカ、手を握るな!あと顔が近い!」


「ちょっと、まだこっちの話も終わってないの。こっち向くの。(ぐいっ)」


俺に馬乗りになり、両手で首を強制的に固定するふーちゃん

女二人に、病院のベッドで迫られているこの光景。傍から見れば相当ヤバい光景だろう。


「お、お前らちょっと落ち着けって!見舞いにきたんじゃねーのかよ!とりあえずふーちゃんは、ベッドから降りてくれっ!」


ガラ______

「先輩、大丈夫ですか?お見舞いに来ましたー!…え?」


突如、病室の扉が開かれ現れたのは今一番この状況を見られたくない人物の一人、藤宮だった。


「あっ、いや。これは違うんだっ!藤宮!誤解!そう、誤解だからっ!」


「…元気そうですね、先輩。入院中なのに、女の子2人も病室に連れ込むなんて。お取込み中のようなので、帰りまーす。」


冷めた目でをしながら扉を閉める藤宮


「あーあ…行っちゃった。ま、どんまい!」「今の…誰なの?(チャキ…)」


「何が『どんまい』だよハルカ!あとふーちゃんは、いちいち日本刀で脅すの止めろ!あああああああ!!!もう!!お前らもう帰れ!」


ポチッ

ナースコールを押し、看護師さんの手を借りて強制的にハルカとふーちゃんを病室から強制退出させる。そこからメールで藤宮に戻ってきてもらうよう、説得するのに小一時間もかかったのは言うまでもない。


____________


「…それで先輩?結局さっきの2人は誰なんですか?セ〇レですか?」


相変わらずの冷めた表情で、持参してきたリンゴを剥く藤宮。ナイフを持つその手には明らかな殺意が込もっている


「違うって…!何で俺が浮気した彼氏みたくなってんだよ?あれは、隣に住んでる同じ大学の霊使いだ。んで、黒いセーラー服の方は霊だよ。」


「先輩はいつの間に、霊とかオカルトな事言い出すようになったんですか?おかしくなっちゃったんですか?…と、言いたいところですが、私自身この前の夜の一件で色々とあり得ないもの見ちゃったんで、信じるしかないですね。」


「信じてくれてうれしいよ・・・あの後、お前は大丈夫だったか?」


「はい、何か、対霊課?とかいう警察の人に色々と聞かれましたけど、正直、私も混乱し過ぎて何が何だかだったので何も答えてません。それより…」


「それより?」


「私、ホテルからずっと巫女コスだったじゃないですか?そのせいで、ネットで晒されて大変なんですよ!見てくださいこれ!」


【謎の巫女!?炎上する高速道路で暴れる悪魔を鎮める!】という見出しで、巫女姿の藤宮が俺と同じように写真付きでまとめサイトで記事にされていた。


「うわー…ま、まぁ俺と同じで顔ははっきり映ってないからいいじゃん、ん?この写真って‥。」


そこには、暴走状態と思われる俺を背後から抱きしめている藤宮が映った写真がアップされていた。

あの時、俺が正気を取り戻すことが出来たのはどうやら藤宮のこの行動のおかげだったようだ。


「ちがっ、違います!!これは、先輩がいつまでたっても正気戻さないからっ、仕方なくやった訳でしてっ!あぁ、もう!ニヤニヤしないでくださいよ!!」


「いやぁ…まさかあの藤宮がなぁ…俺の事心配してくれてたんだな、ありがとな_____って、おい、もう帰るのか?」


照れたのか、いそいそと帰り支度を始める藤宮。ちょっとからかい過ぎたか。


「もう帰ります!ま、元気そうで良かったです。あ、そうだ先輩_________」


「ん?うぉっ_____」

シャリッ


剥いていたリンゴを俺の口へ入れる藤宮


「今度からは、隠し事は無しですからね。霊?とかよく分かんないけど、全部話してください。あと、助けてくれてありがとです。じゃ、早くバイト復帰してくださいね!それじゃ!」


そう言い残し、藤宮は早足に病室を去っていった。


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