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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第9章 入院編
123/202

お見舞いⅠ

目を覚ましてから2日目にして、全く動かせなかった体も少しづつ動き出した。医者は、明日か明後日には退院できるだろうとのこと。病院にいる方が、周囲の目もあることで研究会からの襲撃の心配も少ないし、ぶっちゃけずっと入院していたいという気持ちもある。最近の病院食も旨いし。


「ちょ、悪霊!さっき、下の階の病室で女装したおっさんの野良霊見っけた!見に行こ!」


「ほ、ほんとですか幽霊さんっ、それは絶対この目に焼き付けなくては・・・!行きましょう!」


ここが『病院』ということもあり、院内には野良霊がうじゃうじゃ潜んでいる。先ほど事情聴取に来たサイトウ曰く『ぱっと見た感じ、危険な霊はいないから安心して。あ、でも君は近付いちゃだめだよ。能力で狂化させちゃちゃう可能性があるからねー。』と、一応俺の病室には結界を張ってもらった。並大抵の霊や霊使いには破れないとのこと。


「おい、あんま他の霊にちょっかい出すなよー!あと、お前ら霊だからって、病院内は走り回るな。マナーは守れ。」


「分かってるってー!」「了解なのですー!」


空返事で病室を後にする幽霊と悪霊。俺のことを心配していたのは目が覚めた初日の数時間だけで、後はずっとあんな調子で病院内の探検に夢中だ。


ブゥゥゥ…ブゥゥゥ…

携帯のバイブ音が鳴る


「ん?誰だ?・・・ふーちゃんか。なになにー・・・」


『入院してるみたいだけど、大丈夫かな?ォロォロヾ(・ω・`ヾ 心配だよぉ…(>_<。)あの・・・お見舞いに行きたいんだけど、行ってもいい?必要なものがあったら何か買っていくよ??顔が見たいな(;人;) 』


相変わらずリアルの無表情さとは180度違うふーちゃんのメール。重いメンヘラの彼女見たくなってる。


「・・・ま、まぁ、断る理由もないし、聞きたいこともあったし・・・。『良いですよ。病室は〇〇号室です』っと。」


ピッ


さて、ふーちゃんがお見舞いに来るまでにちょっとひと眠りでもしようか、と思った矢先の事だった。


ピシッ_______ザンッッ!!!!!


「!?」


激しい斬撃音の後に、ゆっくりと開かれる病室の扉。


「なんで、結界…?私、来るの、嫌だったの?」


「ハ・・・ハルカ!?いや・・・ふーちゃんが憑依してんのか!?え、まだ返信してから数秒しか経ってねーぞ・・・!?てか今の斬撃・・・お前、せっかく張った結界破りやがったな?」


「この程度の結界、紙も同然なの。それより、答えて。私と会うの、嫌?」


チャキ…


青く目を光らせながら、青い炎を纏いこちらへ日本刀を向けるハルカ(inふーちゃん)。これが本来の憑依戦闘か、俺の時とは違って霊力は完全に制御され研ぎ澄まされている。・・・って感心してる場合じゃない。


「違うって!これは、野良霊避けの結界だよ!対霊課の人に張ってもらったんだ。お前、いつの間にそんなメンヘラみたいになってんだよ、頼むから憑依戦闘解除して刀向けるの止めてくれ!」


「メンヘラじゃないの。」


ズズズ______


やっと憑依を解除し、ハルカの体からゆっくりと出ていくふーちゃんの霊体


「おいハルカ!お前、ふーちゃんの主人ならちゃんと主導権は握れよ!もうちょっとで斬られるとこだったぞ?」


えへへ、と笑ってごまかすハルカ


「いやぁ、いつになくふーちゃんがマジな感じだったからつい、主導権渡しちゃったwふーちゃん、すっごく君に会いたがってたんだよーw」


「ハルカ、余計な事、言わないで。」


頬を赤らめながらハルカを小突くふーちゃん。彼女なりに、俺の事を心配してくれていたらしい。


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