見知らぬ、天井
「知らない天井だ・・・。」
某・汎用ヒト型決戦兵器に乗る主人公のセリフを呟きながら、俺はベッドの上で目を覚ました。
どのくらいの時間眠っていたのだろうか、何か良くない夢を見ていた気がするが、思い出せない。
鼻を突く独特の薬品っぽい匂い、そしてベッドの周りを囲む白いカーテンから、ここは病院のベッドの上ということを理解する。
「取り敢えず・・・起きないと・・・うっ・・!!」
体を起こそうとするも、全身に走る激しい痛みのせいで1mmも動かせそうにない。この痛みと体の機能不全にはデジャヴを感じる。以前、廃病院で幽霊と一緒に戦った後もこうだった。・・・いや、あの時より更に動かない気がする。
「くっそー・・・誰かいないのかー・・・うぉっ!!ゆ、幽霊!いたのかよ!」
目線をベッドの横に移すと、椅子に座っている幽霊の姿が。何故か、無表情で本を読んでいる。あれ?こいつ、こんなキャラだっけ?
読んでいた本をゆっくり閉じると、無表情のまま幽霊が口を開く
「明日、午前0時より発動される、ヤシマ作戦のスケジュールを伝えます。両パイロットは、本日、1930________」
「おいこら、幽霊。なんだそのキャラ作りは。」
「ちょ、もぉー!!せっかく『病院のベッドで目を覚ますシン〇君に淡々と作戦を伝える綾〇レイ』ごっこしてたのにぃ!」
いつものテンションに戻る幽霊。相変わらずのうるさいバカだが、なんだか久しぶりに幽霊の声を聴いた気がする。
「・・・人が死にかけてたっていうのに、くだらねぇーことやってんじゃねぇーよ・・・。」
「私だって心配してたんだからね!君、病院に運ばれてから3日間眠りっぱなしだったんだから!悪霊だって、ずっとそばから離れようとしなかったし。」
「悪霊・・・?どこに_______あっ」
バサッ
幽霊が布団をめくると、そこには俺の腰をガッチリと両手でホールドしながらスヤスヤと眠る悪霊の姿が。
「むにゃむにゃ・・・ごしゅじんさまぁー・・・ハッ!お目覚めなのですか!ご主人様ー!!心配したのですー!!」
「痛だだだだだだだだ・・・!!悪霊!そんな激しく抱き付いてくんなって!」
「ちょ、悪霊引っ付きすぎ!・・・それより、ちゃんと何があったのかちゃんと説明してよね。バイトから帰ってこないと思ったら、まさかあんなことになってたなんて・・・。まじでなにやってんのよ。」
悪霊を引きはがしながら、幽霊がいつになく真面目な顔で尋ねてくる
「何って・・・あれだよ、また研究会の奴らに襲われたんだ。それで、何とか逃げようとして・・・怨霊さんって覚えてるか?その霊を憑依させて戦ったんだが・・・その後は全く覚えてくてな。気が付いたら病院って訳だ。」
「・・・ホントに何も覚えてないの?取り敢えず・・・ほい、鏡。」
「・・・鏡?」
自分の顔見てみ、と幽霊が手鏡を渡してくる。訳も分からず鏡をのぞく
「なんだ?俺の顔に何か付いてるのか______って、はぁ!?何だこの髪!?真っ白じゃねぇーか!!」
鏡に映る俺の髪の毛は、自分でも感心するほど真っ白に脱色していた。顔がイケメンなら似合っていたかもしれないが、残念ながら俺の顔ではそうはならない。
「いやぁ・・・よくある、『覚醒したら髪の毛白くなっちゃう系主人公』目指してんのかなって、敢えて突っ込まなかったんだけど・・・似合ってないよ?w」
「言われんでも分かってるよ!なんだこの頭は・・・一体何やったんだ俺は・・!?」
「いやぁ・・・ご主人様の雄姿には感動したのです!ほら!」
ピッ
悪霊はそういうと、備え付けのテレビをチャンネルで起動させる
「へ・・・?雄姿?何でテレビ・・・?__________は?」
テレビの画面には、想像だにしない映像が映し出されていた。




