ミッドナイト・ハイウェイⅠ
『こちら、1号車。走行は順調。『積み荷』にも異常は無し。残り30分ほどで支部に到着予定です。どうぞ_______』
深夜の高速道路を、郊外へ向かって走行する4台のワゴン車。『積み荷』とはホテルで拉致することに成功した主人公と怨霊さんのこと。1号車に『積み荷』を乗せ、それを囲むように走行する2・3・4号車にはそれぞれ研究会の幹部の3人が乗車している。
2号車:『人形姫』
「ふん、そんな報告いちいち要りませんわ!それより、男の方を捕まえたのはわたくしなんですからね。所有権は絶対に私が頂きますわよ?」
3号車:『水子使い』
「ヒヒッ、おいおい姫さまよぉー・・・そりゃねぇーぜ?wそもそも、男の方は、キサキさんから直々に『手を出すな』って言われてんだ。今回はそれを承知で、俺たち3人だけで山分けにしようって話だろ?」
4号車:『ジェイソン』
「約束は守れ。せっかく他の幹部連中を出し抜けたんだ。俺たち3人で争ってどうする?_____力ずくでお前を黙らせてもいいんだぞ?」
無線で言い争う3人。それぞれの車両を運転する下っ端の構成員たちは、この幹部たちの一触即発の状況に冷や汗をかく。それも無理はない、この3人の幹部『人形姫』『水子使い』『ジェイソン』は研究会の幹部の中でも、恐ろしく交戦的で知られているのだ。
「ヒヒッ、ジェイソンの言う通りだ、喧嘩はよそうぜ?それでもアレか?この仲間割れして争って、万一にでもキサキさんに知られてみろ、俺たち三人まとめてあの世逝きだぜぇ?ヒヒッ。」
「全く。お人形遊びのし過ぎで、そんな大事なことも分からなくなったのか?」
「くっ______言わせておけば・・・っ!!!運転手っ、今すぐ車を止めなさい!わたくしの人形であいつらを八つ裂きにしてあげますの!!」
「む、無茶言わないでくださいよぉ・・・!!」
後部座席から身を乗り出して無理やりハンドルを取ろうとする人形姫。このような幹部からの無理難題は、下っ端構成員にとっては日常茶飯事だ。
『ザザッ______こちら、1号車。えー、何やら後部から物音がしています。『積み荷』が目を覚ました可能性が・・・。』
1号車から、234号車に向けて無線が入る
「ありゃー、起きちまったか。ヒヒッ、まぁ問題は無い。男の方は拘束してあるし、霊の方の霊力は空にしてある。何も出来はしねぇ。」
『こちら、1号車.了解しまし_________ザザッ____なっ!?うわあああああああああああ!!!!!!!ブツ_________』
返答し終える前に、悲鳴と共に1号車からの通信が途絶える。
直後、中心を走っていた1号車が激しく蛇行運転をし始め、それを避けるため囲んでいた3台は接触を避け大きく後方へ離れる
ギギギギギャァァァァァ!!!!!
「ヒヒッ、こりゃぁ、まずいことになったかもな。でも霊力は空なはず・・・まさかあいつら。」
「笑いごとじゃありませんわ!このまま逃げられでもしたらどうしますの!?」
1号車はそのまま3台の車の包囲を破り、数十メートルほど前方へと猛スピードで進む。しかし、それ以上距離を離すことなく、今度は走行中にもかかわらず後部座席のスライドドアが開かれる。
「見ろ・・・どうやら、逃げるつもりはないらしい。今度は面白い戦いが出来そうだ。」
ジェイソンがニヤリと笑う
ヒュ________ダンッ!!
1号車の車内から現れた人影は、一瞬のうちに車体の上に立つ。百数十キロは出ているであろう車の上に仁王立ちなど、普通の人間ではまずありえない。
「お前らァ____________皆殺しな。」
車体の屋根の上から、指をさし呟く主人公(in怨霊さん)。
幹部たち全員が臨戦態勢に入る。




