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幽霊ちゃんとの怪奇な日常。  作者: くろのくん
第8章 怨霊さん狩り編
112/202

拉致Ⅱ

そんな具合に、主人公が『人形姫』に拉致られていたその頃。予想通り室内にも研究会からの魔の手が迫っていた。


((_____みなさん、こんばんわ。

私はどこにでもいる普通の女子高生、藤宮と申します!現在、いろいろとありまして、とあるラ〇ホのベッドの下に隠れて震えてます!巫女コスプレしながら!・・・なんで隠れてるかって?なんかヤバいのが部屋に現れたんです!急に!))


ベッドの下に隠れる藤宮の視界には、大男に首を絞められ苦しそうにもがく怨霊さんの姿が。


ヒュー・・・ヒュー・・・


「うっ・・・こいつ・・・何だ急に・・・っ!?離・・・してっ!!」


ここがホテルの最上階の部屋というのを意に介せず、部屋の窓から音もなく侵入してきた『仮面をつけた大男』は、怨霊さんを確認するや否や、抵抗する間を与えることなく瞬時に彼女の首を掴みその怪力で締め付けていた。


「なんだぁ?こいつ。聞いてたより大したことないな。」


大男は感情のない声でそうつぶやくと、そのまま思いっきり怨霊さんを壁へ向かって投げつける。

吹っ飛ばされた怨霊さんは、瞬時に実体化を解き壁との激突を回避する。


「ゴㇹッ・・・ハァ・・・ハァ・・・こいつ、持ち霊がいないのに、なんて霊力してんの・・!?」


驚愕の表情を浮かべる怨霊さん


「持ち霊が『いない』・・・?それは違う。いるぞ、俺の中に。」


ズズズズ・・・・


大男の背後から、禍々しいオーラと共に持ち霊が姿を現す。その霊は、かろうじて人の形を留めているだけにすぎず、顔は歪み口は裂けており、『人間の霊』と呼べる外見をしていない。


「どうやら、初めて見るようだな。こいつは、『殺人霊』。その凶悪さはその辺の霊とは比べ物にならない。それにお前、『憑依戦闘』も知らないようだ。言っておくが、俺には勝てないぞ。」


「さつじんれい・・・?ひょういせんとう・・・?何だか知らないけど、誰が勝てない______って!?」


ゴォッ!!!


怨霊さんは霊力を纏った拳で、大男に殴り掛かかるも、片手で簡単に受け止められる。すぐさま足蹴りで掴まれた腕をほどき体制を立て直す


「これなら・・・どうだっ!!!」


強力なポルターガイストで、部屋の家具を浮かせる。更にその家具に霊力を纏わせ威力を強化し、大男目掛けて一斉に飛ばす。


ズガガガガガガ______!!!!!


「ふんっ、ちょっとは効いた______嘘・・・でしょ?」


家具は全て大男に命中するも、何食わぬ顔で依然とその場に立つ大男。


「無駄だ。殺人霊を完全に制御する俺にとって、野良霊の攻撃など痛くも痒くもない。『憑依戦闘』を知らないお前など、取るに足らんな。大人しく、我ら研究会の『物』となれ。」


ズォォッ__________!!!!


大男の手から発せられた霊力の塊に飲まれ、怨霊さんは意識を完全に失いその場に倒れこんでしまう。


「ヒヒッ・・・終わったか?ジェイソン。あーあ、俺の出番は無かったな。」


「ふん、期待して損をした。さっさとここを出るぞ。暴れ過ぎた。」


次に部屋に現れたのは、大男を『ジェイソン』と呼ぶ目つきの悪い男。

一部始終をベットの下で震えながら見ていた藤宮は、怨霊さんを助けるべく飛び出すべきか葛藤していた。


((ど、どうしよう・・・!!先輩も帰って来ないし、怨霊さんもやられちゃったし、ここで私が助けに出ないと・・・!でも勝ち目ないでしょ・・・!?そ、そうだ!取り敢えずここは警察に・・・あれ?しまった~~~!!!))


110番通報するべく、スマホをポケットから取り出そうとするも、今自分が巫女コスプレをしていたことに気付く。スマホは、ベッドの上に脱ぎ散らかしている制服のスカートの中だ。


((・・・どーしよーっ!!!もぉ、先輩一体どこ行っちゃったんですか!?こんな時にーっ!!このままだと怨霊さんがぁーっ・・・!!))


葛藤する藤宮に、更なる不幸が襲う________


「ヒヒッ!!!見ーつけた。お嬢ちゃん、大人しく俺たちと来てもらおうか。」


いつの間にか、藤宮の目の前にはベッドの下を覗く目つきの悪い男の顔が。


「・・・・は・・・・はい。」


こうして順調に、怨霊さん&藤宮も研究会によって拉致されたのであった。

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